Q&A

鶏インフルエンザの驚異は去ってはいない

公開日 : 2006年03月10日
最終更新 :

今月後半から開催される予定だった第18回フォアグラ見本市が中止に
なったという報道がありました。

日本では通常のインフルエンザのピークが過ぎたせいもあり、関心が
低くなっていますが、人に感染する鶏型インフルエンザのパンデミッ
クの危険性はますます高くなっているはずです。東南、南アジアでも
発生が止まらないし、欧州にも拡大しています。これからは、アフリ
カからの鳥の飛来があるので、欧州の危険度は増すと言われています。

5-6月まで新型が発生しなければ、今年は大丈夫との見方が有力なので
すが、丁度ワールドカップの時期と重なります。

また、前々から言われていることですが、日本政府の見積もりでは、死
者は60万人強。しかし、これまでの患者が200人弱なのに対し、死者は
約100名。国民の四分の一が感染するとして、死亡率はたったの2%と言う
のは、低すぎるのではないか。海外からも指摘されています。10%と見て
も300万人。

医学誌Lancetの先月号でも、イタリアと豪州の医師らが、抗ウィルス剤
の効果を検討し、M2イオンチャネル遮断剤は効かずノイラミダーゼ阻害剤
もインフルエンザ様症状には効かないため、通常の流行期には使わず、パ
ンデミックだけに限るべきと主張しています。日本の医師の中にも、現在
の日本では安易にノイラミダーゼ阻害に頼り、これを使いすぎていると主
張している人が少なからず居ます。実際にはタミフル投与は、アジアでの
鶏インフルエンザ感染に使われています。しかし、改善例はありません。
人型と同じように48時間以内なのか、もっと早くないと効果がないのでは
ないかという説もあります。

人感染を起こすタイプに変異すれば毒性も落ちるという説もあり、日本政
府の2%は、これをもとに算定しているようです。しかし、この数字は低毒
型のパンデミックのデーターを使っているらしいのです。最悪のシナリオ
を想定するのが危機管理なのだと思いますが、それを望むのは無理なのか?

あと数ヶ月は、いつパンデミックがおきてもおかしくないと思っていたほ
うが良いと思います。今シーズンは発生しなければそれはそれで良いこと
ですし。

Q&Aではないのですが、忘れてはいけないことだと思い書いてみました。

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3件のコメント

  • 06/03/10 18:11

    脅威でした

    お恥ずかしい。
    誤字でした。

    しかし、危険性は確実に増しているのに、この関心のなさは
    何なのだろうか?心配しています。

    狂牛病のように、食肉業界の圧力のないインフルエンザでは、
    流石の米国もきちんと対策を講じているはずなのに、何故、
    日本はこれほど暢気なのか、不思議です。

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    何故、日本はこれほど暢気なのか??


    地球上にある国でないし、泣くのは国民で関係ないと思っているからでしょう。

    テレビ番組で 一時的にガス抜きをしたら 3日後には見事に忘れてくれる

    おいしい国民で 溢れていますから。

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  • 06/03/10 09:27

    フランスのその後の対応

    yahoo France による(3月8日頃までの記事です)

    1)鳥インフルエンザにかかった農場から一定の距離内にある養鶏場は、屋外で飼育することを禁止し、屋内に入れるようにする。銘柄肉としての評価が下がるので、飼育業者向けに、そのための補助金を準備する。
    2)犬、猫は、放し飼いにしないように呼びかける。
      猫は、屋内で飼い、犬の散歩は、紐を付けて、保持して行うように呼びかける。
      また、鳥、犬、猫の死骸には、決してさわらないように、呼びかける。
    3)南部、マルセイユ近くの市で、湖に白鳥が鳥インフルエンザにかかって死んで発見されたところでは、学校行事として、湖でのボート、カヤックなどの湖での活動を行わないことを決めた。

    日本では、あまり注意などは言われていないですが、普通に行うべき事柄のようですね。

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    06/03/10 21:25

    9日付のニュースから

    ウイルスは渡り鳥によって、世界に広がる様相ですね。

    yahoo France より
    9日は、フランス国内では、鳥インフルエンザに関しては、大きな報道はなかった模様。

    1)ナイジェリアでは、鳥インフルエンザにかかった養鶏場が130あり、これまでに、インフルエンザで死ぬか、または、伝播防止のため殺された鳥は合計で45万羽になる。
     ナイジェリアでは、人間の感染者は現在の所見つかっていない。
    2)ドイツでは、先日、猫が鳥インフルエンザで死んのを受けて、調査が行われている。バルト海の島で、捕獲した野生のテン(イタチの類)が鳥インフルエンザウイルスを持っていることがわかった。
    3)セルビアで、鳥インフルエンザで死んだと思われる白鳥が見つかった。
      分析中である。
      (数日前には、ポーランドでも鳥インフルエンザで死んだ鳥が見つかっている。)
    4)米国内務安全省(省名は筆者訳)は、今後数ヶ月で、鳥インフルエンザが、渡り鳥により、北米にもたらされるだろうとしている。

     
     日本へもインドネシアあたりから、春になると渡り鳥がウイルスを持ってくる可能性大ですね。

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  • Re: 鶏インフルエンザの驚異は去ってはいない

    鳥には検疫がないのでもう世界中に広がってるんじゃないですか?
    と言ってもそれがすべて人間に対して危険であるとは思えませんが。

    日本の鶏肉等の輸入国相手国、国別輸入量の数字は持ち合わせてないですが、隣の大国なんかの検査体制、データ公開方法なんか大丈夫なんでしょうか。一発疑惑の鳥(鶏)がでるとフランスのように世界中の国から輸入規制を受けるわけですから発表しそうにないんですよね。
    焼き鳥つまみながらでも考えないとなあ。

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    資料:畜産物の需給動向 鶏肉

    http://alic.lin.go.jp/annual/2004/dome/sad/chicken/chicken03.html
    農畜産業振興機構HP内 ソース:財務省「貿易統計」

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