大好きなペネロペ・クルスが出るのと、米国での成績も悪くない。曰く「イン
ディ・ジョーンズと007を合わせたような感じで、シリーズ化したい。」との
ことだったので、ふーんと思いつつ見に行ったところ・・・。
ストーリーはよくある「アフリカ冒険物」なので、ここでいろいろとは言い
ませんが、よくある「腐敗したアフリカ諸国の政府」の描き方がなかなか露骨。
実態は本当にこうなのかも知れませんが、ここまでやるとどうなんだろ。
舞台はナイジェリアとマリなんですが、私のような「地球の歩き方・地理観」
というか「旅行人・地理観」を持っている人間には、
ナイジェリア・・・・観光資源は豊富なのだけど、とても旅行できるような国
ではなく、治安上も問題あり。現軍事政権は膨大な石油収
入を独占し、腐敗しきっている。(ただ、私は個人的には西
アフリカで最も行きたい国ではありますが)
マリ・・・・・・・・ドゴン、トンブクトゥなどがある観光にも向いている国で
トアレグ族の問題などはあるが比較的治安もよく、安定して
いる国。
と思っていたのですが、この映画はまずそこが違っていて、ナイジェリアは比
較的良い国、マリはクーデターで「大佐」が大統領を射殺し実権を握っている
国で入国するのは非常に危険、外国人も含め、出国もなかなか難しい・・・。
以下は日本政府の見解ですが・・・。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/mali/data.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/nigeria/data.html
とにかくマリ国内の描き方が、ここまでやっていいの?という違和感がつきまと
います。例えば「キリング・フィールド」のカンボジア(政府)、「ホテル・ルワ
ンダ」(未見ですが)のルワンダ(政府)のように、過去に実際ありました。という
ならともかく、今、現在が舞台でしょ?
別にマリ政府の肩を持つわけじゃないけれど、特にラストの戦闘シーンとその
決着の仕方というのは、マリ政府に対する侮辱・・・とまでは言わないけれど、
それはないんじゃないの。いくら何でも南北戦争の・・・これ以上はネタバレに
なるので書きませんが・・・・。
ダーク・ピットと日本政府の解釈も違っていて、彼によると「(マリの)ガオか
らアルジェリア国境までは安全。」だけど、外務省の安全情報だと「マリ北部は
トアレグ族との戦闘があったりして危険」この辺は「現場」をどれだけ踏んでい
るかの違いですかね。
しょせん米国映画なんだし、カリカリきても・・・と思いますが、昔、酷評さ
れた「コンゴ」(この手の映画の中では好きなんですが。)はこれもコンゴ政府
をむちゃくちゃに描いたものでしたが、その後の旧ザイール政府は映画を上回る
無茶苦茶さで「崩壊」していったので、もうちょいアフリカ諸国もしっかりと
「統治」しないと、いつまでたってもボロクソに描かれるぞという警告というべ
きでしょうか。
クレジットを見ていると、主なロケ地はモロッコ。パンフは買わなかったので
詳細は分かりませんが、伝説(?)の「ザイール川下り」に次ぐ同じく
神聖な(?)「ニジェール川下り」をいとも簡単にスピードボートで行ったりする
シーンとか、とにかく、「見果てぬ西アフリカ旅行」を考えてる人間の神経を逆な
でする映画です。というか、変に思いいれがある私自身が年をとったのかなあ。
http://www.ambamali-jp.org/ja/j02-03.html
現政権もクーデタで出来てるのか・・・・・。