レポート

旅の荷物と資金

公開日 : 2005年12月02日
最終更新 :

「荷物は半分 資金は二倍」 楽しい旅の法則

僕は旅に出るとき、徹底的に荷物を軽くするよう心掛けている。
どのくらいの重さかというと、すべての荷物をリュックに詰め、それをピンと伸ばした左手の小指で軽々と持ち上げられることが僕の合格基準だ。
これは出発時だけでなく、旅行中もずっとこの重量をキープしなければならない。
基本的に、2泊3日の箱根旅行も2、3年間のユーラシア大陸横断旅行もほぼ同じ装備で十分と考えている。
ではなぜそこまで荷を軽くすることにこだわるのか?
極論を言ってしまえば、旅というものは荷物を一切持たずにパスポートと米ドルだけを腰に巻きつけて手ブラで行けば、想像もできないような楽しい道中になるはずなのである。
まずガイドブックがない。そして地図がない。
これだけで十分すぎるほどの「出会い」と「ハプニング」が生まれる。 この二つこそ旅の一番のおもしろさであり醍醐味であるのだ。
そして次に着替えがない。
これだけで買い物という目的を持ち、町をあちこち歩き回り、道を尋ね、店を探し、現地の人と同じ服を着ることになる。 この意味は大きい。 
ガイドブックに乗っている観光名所を見てまわり、おいしいと評判のレストランで食事をして、最後におみやげをどっさり買って… だけが旅行ではないのだ。
僕が旅行者らしく見えないほど荷物を少なくする理由はいくつもある。

・全力で走ることができる。
・飛行機やバスでカバンの持ち込みができる。
・枕になる。(特にインドの寝台列車で有効)
・「とりあえず荷物を宿に置いてから行動」という煩わしさがなくなる。
・長距離だって余裕で歩ける。
・現地人に間違われる。 もしくは華僑と間違われる。
・移動が苦でなくなるため、沈没しにくくなる。

などなど、挙げたらきりがない。
特にアジア・南米・アフリカを旅行するのなら荷物の軽さ=旅の楽しさに直結するのではないか。

資金は多いほうがいいのだろうか?
僕の場合、資金は十分に持っていった。 なんたって頻繁にルート変更があるのだ。
予定外で日本並みに物価高の国に行くことだってあるし、陸路で国境を越えるつもりが国境が塞がっていてやむなく飛行機を使うなんてこともざらにあるからだ。
「金が無いから」を理由に何かを中止するということはしなかった。
十分な資金を持ちつつ、それをひたすら節約しながら少しでもいろんな所へ行きいろんなことを経験してみる、というのが僕の旅のスタイルだった。
ではその大金をどのようにして持っていたのか?
僕は安い車なら買えてしまうほどの現金とトラベラーズチェック(T/C)を24時間すべて身につけていた。
いったい体のどこに隠してたかというと、初めての海外旅行の頃は巾着袋に現金をすべて入れて首からつるしシャツの中に入れていたが、これではシャツが膨れてしまい何か大事なものが入っていることは一目瞭然で危険である。
その後いろいろと試行錯誤したあげく、最終的に小銭はポケットの財布に入れておき、強盗に遭ってしまった場合のダミーとなるお金(1~5ドル札の束と再発行の効くT/C)を腰に巻きつけ、盗まれたら一巻の終わりである100ドル札の束はジーパンの裾の中(内側)の隠しポケットにしまっていた。
アルゼンチンの空港ではボディチェック時にこのポケットがバレてしまい、別室に連れて行かれてジーパンを脱がされ、パンツ一丁の状態で係員の質問に答えなければならなかった。
コカインを持ちだそうとしているのではないかと疑われたのだが、日本のパスポートを見せたらすんなり解放してくれた。
自分の生活をそのまま巨大な登山用リュックに詰め込んで旅をする人もいる。
節約旅行ではなく、本当の貧乏旅行をしている人もいる。
いろんな旅のスタイルがあるわけであり、どれが正しいとかそんなのは無いと思う。
初めての海外旅行のときから今までずっと僕の旅のスタイルはこのようなかんじであったし、これからもこのスタイルを変えずに続けていくことになるだろう。

でもいつか、いつの日か、大きなトランクにいっぱい荷物を詰め込んで常夏のリゾート地へ行き、高級レストランでおいしいものをたらふく食べて、免税ショップでどっさり買い物して…エンジョイしてみたいものだ。
http://www.geocities.jp/dentane1/hoshino/backpacking/1.html

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3件のコメント

  • 05/12/03 11:57

    あぁ羨ましい

    基礎化粧品にヘアケア製品、旅行中に着る服も帽子や靴とバランスよくコーディネートできるのを数点、なるべく軽く少なくと考えても、旅写真に映る自分を想像するとおしゃれに残したい方を優先してしまう。
    なんでも小型化でデジカメだってすごく軽くてコンパクトな時代なのに一眼レフを始めてしまい重量は更に増す一方。

    「とりあえず荷物を置いてから」がないのは憧れます。
    最近ではお金よりも時間の節約を考えてしまうので。

    もしかしたらおばちゃんになって見た目なんて気にならなくなったら、小さいリュックと眼レフだけの旅行が出来るようになるかも。

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    05/12/03 12:28

    いつも小ぎれいにしていたい

    こんにちは、Stefさん

    >基礎化粧品にヘアケア製品、旅行中に着る服も帽子や靴とバランスよくコーディネートできるのを数点

    そうですよね、それくらいはやはり必要ですね。
    腰が悪くて体力も無いので、いつも荷物は少なくを心がけていますが、
    でも、でも、

    >おばちゃんになって見た目なんて気にならなくなったら

    その意見だけには 大いに異議あり! ですわ(笑)
    心がおばちゃんになって、本当に見た目を気にしなくなったら
    女性は終わりですわよ(笑)
    それこそTVCMに出てくる大阪のオバハンですわ。
    (私は神戸ですので、大阪のオバチャンとは呼ばないでね)

    体型も変わって若いころのようにスレンダーではなくなるし、
    お肌の艶も張りもなくなるし、シミも増えるし・・・・あ~ぁ
    だからこそ、見た目を大事に「小ぎれい」にしておきたいと
    日々無駄な(笑)努力をしているのです。

    でも、ちいさなキャリーバッグ1つでも、
    これを持ち運ぶことが無くなったらどんなにか自由になることでしょうね。

  • 05/12/03 11:25

    Re: 旅の荷物と資金

    私も殆ど考えは同じ、ただし着替えは一組だけは持っています。
    頻繁に洗濯はしています。
    ニューヨーク入管でアメリカ大陸横断鉄道に乗る時荷物が少ないので調べられたのが唯一の経験です。

    それでも近所への義理土産は最後の空港でチョコレートなどを買うだけ途中では殆ど邪魔になるので買いません。
    最近はいびき防止の器械CPAPが増えたので少し残念です。

    話題のイスタンブールの絨毯売りにも付きまとわれましたが、時間がないと言って漸く振り切りました。

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  • やっと、オレに若干近いスタイルの旅行者が現れたな。(笑)

    1万ドルの現金を身につけて旅行したら帰国後、集中砲火を浴びたので
    1万ユーロに変えたら集中砲火は諦めてくれました。(笑)
    でも次回の旅行では一億ほど運ぶかも知れません。

    違う点は 行きの荷物が桁違いに違う事。
    大阪からマドリッドまで85キロの荷物をタダで運ぶ方法を発見。
    簡単なリュック一つ旅行では荷物が爆発した場合途方に暮れる。

    衣食住足を現地調達するのは現地社会に溶け込む最短距離です。
    ガイドブックと地図が不要。 コレは重要。
    どいつもこいつも地球の歩き方を持参してうろついてますから。
    狼の皮を被った羊でイッパイ。 メェ~。(笑)

    世界中どこでも現地人は旅行者に寛容だと思います。
    現地溶け込み型の旅行者の出現は大変嬉しいですね。

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