レポート
  • 女性
  • 50代
  • 元県庁職員
  • 香川県
  • 英検2級、ロシア語教員免許、ドイツ語4級

ふたりのダライラマ

公開日 : 2022年01月08日
最終更新 :

2006年11月のある日だったと思う。ネパールの首都カトマンズの安宿に長期滞在中だった私は、「地球の歩き方 ネパール」に載っていた仏教寺院を訪ねることにした。
バスに乗っていくのだが、地図がない。私は、バスで最寄りのバス停まで行った。バス停で降りると、近くにあった店の女の子に、英語で、その寺院のことを聞いた。女の子は、14才くらい。店のシャッターを下ろすと、両側の店の人に何か言い、「こっちだ」と先に立って歩き出した。途中で、8才くらいの男の子が合流した。
二人に連れられて行くと、周囲の景観にそぐわないバカデカイ仏教寺院に着いた。キンキラキンで、まだ新しく、なんでこんなモノに金をつぎ込んだのかと思った。
戸口は閉まっていたので、中に入るのは無理、とあきらめかけたが、二人が尼さんを連れてきて、鍵を開けてくれ、中に入れてくれた。中には巨大な仏像(座像)があった。私は手を合わせて拝み、賽銭箱に小銭を入れた。
仏像と並んで、坊さんの巨大な写真が掲げてあった。私が「あれ、誰?」と聞くと、女の子が「ダライラマだよ」と教えてくれた。私が見知っているダライラマと違うので「違うよ」と言うと、女の子は「これは、チベットにいるダライラマだよ。ダライラマは、二人いるんだよ」と教えてくれた。
バカデカイ仏教寺院は、中国が寄贈したものだった。ニセモノの国中国には、ニセモノのダライラマまでいたのだ。
本物は、インドのダラムサラにいる。

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