帰省ラッシュ真っ最中の年末の下りの「のぞみ」に乗るときは、自由席が明らかに一杯で、座るのが絶望的な時は指定席の7号車近辺のデッキに立つことにしている。去年の年末もそうだったが、デッキにいるとヨーロッパ系の外国人のカップルが駆け込んできた。
二人ともそれぞれでかいスーツケースを持っていて、出来ればこのデッキから追い出したかったが、指定席券を持ってる風でもなく、戸惑っているのでチケットを見せろと聞いてみた。チケットを見たら京都までの自由席特急券を持っている。これを売った東海の駅員は、この時期ののぞみがどんな状態か説明した上で、自由席特急券を外国人に売っているんだろうか?怒りがこみ上げてきた。・・・・(もちろん、「手数料さえ入れば、のぞみがどうであろうが知ったことか!」というJR東の駅員が売った可能性もあるが、そこまで細かく券面を見なかった。)まだ、ひかりに誘導する方が親切である。
7号車の車内を指して「席が空いているが、座ってはいけないのか?」と聞かれた。座っていいと言って、あとは東海の車掌がどう処理するか見てみようか?(どうせ英語のやりとりなので(?)、後で言った言わないの責任問題にはならないし・・・)という考えもよぎったが、品川も新横浜もすぐだし、さすがにそれはやめておいた。「いやリザーブ席なので、次の駅で乗ってくる。」
すると、デッキのドアが開いている6号車の方を指して「前に行ったらどうなのか?」「前の車両に行っても多分このデッキの混み具合と変わらないし、立っていくしかない」という英語がとっさに出てこず、説明に手間取ったが、納得してくれて留まることになった。どう考えても駅員が前もって説明している感じではない。
いよいよ降りるとき、東海はテープ案内の後に車掌が人力で乗換案内をして、最後に必ず英語で「まもなく○○に着きます。お出口は×側です。」の部分だけ肉声放送するが・・・通じていない。私が聞いていても、よく聞き取れない。left かrightかのところだけ大声でゆっくり言えば他はどうでもいい(!)と思うのだけど、とてもやる気のある「英語」とは思えない・・・・。
席に座っている人間にはどっちが開こうと関係ないが、混んでいるデッキにいる人間にとってはどっち側に降りるのかそこそこ大事な情報である。彼らはやはり悩んでいたので、これも右側だと説明してあげて、最後にHappy New Year!と言って別れた。
要は東海は外国人客と意思疎通をきちんとする気があるのかどうか・・・京都まで5回以上車掌が通りがかったが、特に声を掛ける訳でもなく、ほったらかしである。帰省ラッシュの最中に(どう考えても時期的に観光に適していない)京都に行くただの奇特な外国人と思っているくらいなのか・・・・。関ヶ原で「雪だ・・・」と雪景色を見ていたのが若干の救いだったけど。
新大阪を過ぎると車内放送があり、「指定席車両やデッキにお立ちのお客様、1~3号車に若干の空席があります。・・・」とのこと。もちろん「英語」の放送はない。こういう「自国語でしか伝えない車内放送」は今まで外国で散々経験してきているので、そこまで英語で放送しろと言うつもりはないけど、あの二人が乗っていたら、通りがかった車掌が伝える・・・ようには思えなかった。