先月、田舎を目指して、スイスのティチーノ地方に出かけた。
ロカルノから北に延びる谷の一帯は、ヴァッレマッジアと呼ばれ、石造りの屋根と壁の古い家々が数多くみられる。
谷の奥には、ボスコ・グリンBosco や、枝分かれした谷の奥にはフジオFusioといった魅力的な村が忽然と現れる。
宿をどこにするか迷ったが、谷の宿の数は少ない。
谷の中心マッジアmaggiaのすぐ手前の、ゴルデヴィオGordevio村のUNIONEというホテルを、いつも利用するBooking comで2泊予約した。
6月下旬に全5室のそのホテルを訪れると、「みよこさん」という30代の日本人女性がスイス人の夫と、そのレストランホテルを経営して、働いていた。
スイス人の夫の祖父が住んでいた家を改装して、2年前からレストラン・ホテルを始めたそうだ。
初めて泊まる日本人客とかで、予約した1か月前から僕等が来るのを、スイス人の夫と楽しみにしていたと言われ、嬉しかった。
このゴルデヴィオGordevio村は小さな村で、街道筋から入った村の奥には古い石造りの家々が有って美しい。
そんな狭い道の奥に、そのホテルは有った。
こんな場所で経営が成り立つものかと、そんな気持ちで見ていたら、何処から来るのか昼間から客が来るし、全5室の客室も、私の居る2日間とも満員だった。
彼女も忙しそうに手際よく働いていた。
これから、彼女がどんな人生を送るのだろうかと、勝手に思い遣っていた。
聞くと、秋にはルフトハンザの新型機が日本路線に導入されるキャンペーンの格安切符で、彼のご両親も連れて、日本に旅行に来るのだとか。
日本に来たら、わが家の近くの観光地を訪れる際は、案内してあげるんだと、ワイフが今から張り切っている。
今回の旅行では、そんな思い出が、また一つ出来た。