レポート

「アフガニスタンは、忘れさられた国である」伊藤さん入会動機全文を読んで

公開日 : 2008年08月29日
最終更新 :

「現地行かなければ何も始まらない」伊藤さん入会動機全文

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私がワーカーを志望した動機は、
アフガニスタンに行き、私ができることをやりたい、
そう思ったからです。
私が、アフガニスタンという国を知ったのは、
2001年の9・11同時多発テロに対するアメリカの
報復爆撃によってです。
その時まで、周辺国であるパキスタンやイランといった国は
知っているのに、アフガニスタンという国を全く知りませんでした。

「アフガニスタンは、忘れさられた国である」
この言葉は、私がペシャワール会を知る前から入会している
「カレーズの会」の理事長であり、アフガニスタン人でもある医師の
レシャード・カレッド先生が言われたことです。今ならうなずけます。

私がなぜアフガニスタンに関心を持つようになったのか。

それは、アフガニスタンの復興に関係するニュースが
流れている時に見た農業支援という言葉からです。

このこと以降、アフガニスタンに対しての興味を持ち、
「風の学校」の設立者である中田正一先生の番組、
偶然新聞で見つけたカレーズの会の活動、
そして、カレーズの会の活動に参加している時に見せてもらった
ペシャワール会の会報とその活動をテーマにしたマンガ、
それらを通して現地にいきたい気持ちが、強くなりました。

私は、関心がないことには、
まったくと言っていいほど反応しない性格です。
反応したとしても、すぐに、忘れてしまうか、流してしまいます。
その反面、関心を持ったことはとことんやってみたい、
やらなければ気がすまないといった面があり、今回は、後者です。

私の現在の力量を判断すると、語学は、はっきりいってダメです。
農業の分野に関しても、経験・知識ともに
不足していることは否定できません。
ただ私は、現地の人たちと一緒に成長していきたいと考えています。

私が目指していること、アフガニスタンを本来あるべき緑豊かな国に、
戻すことをお手伝いしたいということです。
これは2年や3年で出来ることではありません。

子どもたちが将来、食料のことで困ることのない環境に
少しでも近づけることができるよう、力になれればと考えています。
甘い考えかもしれないし、行ったとしても現地の厳しい環境に
耐えられるのかどうかもわかりません。

しかし、現地に行かなければ、何も始まらない。
そう考えて、今回、日本人ワーカーを希望しました。

  2003年6月15日

(2008年8月29日 読売新聞より)
記事ソース
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080828-OYT1T00082.htm

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4件のコメント

  • Re: 「アフガニスタンは、忘れさられた国である」伊藤さん入会動機全文を読んで

    この事件のニュースを知ったとき、下のトピックを思い出しました。
    アフガニスタンに対する知識がゼロの私は、同じ国でも、場所によって印象がずいぶん異なるものだと思いました。
    このトピックを立てた人も、安全とは言っていません。
    ただ、外から見た外国の印象の差の大きさを感じました。

    http://bbs.arukikata.co.jp/bbs/tree.php/id/337149/-/parent_contribution_id/337149/

    「このこと以降、アフガニスタンに対しての興味を持ち、
    「風の学校」の設立者である中田正一先生の番組、
    偶然新聞で見つけたカレーズの会の活動、
    そして、カレーズの会の活動に参加している時に見せてもらった
    ペシャワール会の会報とその活動をテーマにしたマンガ、
    それらを通して現地にいきたい気持ちが、強くなりました。」

    上の文章を読んで感じたことは、日本人にとって漫画の影響もバカにできないものだ、ということでした。
    海外でボランティアをしていて、捕虜になって助けられた人たち、運悪く殺された人。
    この違いによって、反応が大きく違うことは私の理解を超えることです。

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    その「ボランティア」という事。

    逮捕した1人の容疑者が
    「自分は(アフガンの旧支配勢力)タリバンだ」と
    供述していることを明らかにした以降の経過について、
    その後、日本のメディアや新聞は何も語っていない。

    >>このトピックを立てた人も、安全とは言っていません。
    >>ただ、外から見た外国の印象の差の大きさを感じました。

    >>http://bbs.arukikata.co.jp/bbs/tree.php/id/337149/-/parent_contribution_id/337149/

    tukishimaさん、
    このトピックのレスを読みましたが、他の方の言う所にも一理ある。
    それは、その「ボランティア」という事です。
    現実を前にしての善意の空しさ、これは悲劇です。
    他の方は、要するにもっと現実を認識してくれというのである。

    でも、難しい言い方をしたら、
    それは、「暴力の釈明」と同じことです。
    『支援など行くな、現実を見ろ』
    それは、現実を是認するということです。

    >>上の文章を読んで感じたことは、
    >>日本人にとって漫画の影響もバカにできないものだ、
    >>ということでした。

    良い漫画は元気づけてくれます。
    難しい歴史的叙述も、うまい漫画家に書かせれば、
    非常に面白く読めます。

  • 30/8/2008

    問題は、反政府勢力が、
    彼らの平和を願う事実の問題にふれず、
    敵意の態度をもって始まる事だ。

    「ペシャワール会」のグループは、
    精神としてのレジスタンスであって、
    政治としてのレジスタンスではない。

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    31/8/2008

    伊藤さん入会動機全文、そしてその後のボランティア活動の
    なした事はみな、愛という善に基づいている。ただ人間は、
    それがどうして愛であるか、見知らないだけなのだ。

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  • 今後もアフガニスタンを支援し続けるべきだと思う。

    崖を下って、運ばれていく伊藤さんの身体を、
    地元のアフガニスタン人が取り囲み、
    岩肌を突き抜ける風にふかれた寂しい白い布が、
    かなしみをあらわしていた。

    たしかにそう。
    日本でアフガニスタンなどと言っても実のない事だ。
    自分自身に言いたい。
    伊藤さんの入会動機を読んで、彼の人生の素晴らしさを考えるがいい。

    彼だけにしかない人生、彼だけにしかない技術、
    この生に生きていた事を、生の上に残した。

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    08/08/29 22:25

    支援でなくそろそろ自立しても

    都市間の格差はあると思いますがある方がアップしているアフガンの写真を拝見すると
    本当にここがアフガンかと思うほどです。

    アフガン人によるアフガンの自立は本当に難しいのでしょうか?

  • 08/08/29 19:04

    Re:

    あれっ、これってトピック「スリル」のポチとミケさんのレスポンスで見たよ。

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