6日目 シラクーサのアグリで夕食(最低で最高の日)

もう一つの宿は同じ通りの端にあってここも貸し部屋だった。
これから二人でシラクーサ郊外のアグリツーリズモに車で食事に行くという。
よかったら一緒に行かないかと誘ってくれた。
本当は体調もよくないし、帰りは夜中になるのでどうしようかと迷ったのだが
宿にたった一人残されるのも怖いし、アグリにも興味があったのでついていくことにした。

オーナーと一緒にいた女性はアゲルと言う名前のローマ在住ギリシャ人で、
父親がオーナーの知り合いで女優のオーディション受けにシラクーサに来たという。
TVではなくて劇場で演じるらしい。芸術に興味の無い私にはよくわからないのだが、
シチリアの劇場遺跡でギリシャ悲劇でも演じるのだろうか?

車の中でいろいろな話をしているうちに車の調子が悪くなって来て、ついに道端で動かなくなってしまった。
あたりは真っ暗でまわりにはオレンジ畑しかない。
しかし、オーナーもアゲルもあわてることなく笑いながら「no problem」を繰り返すのみ。
いいなあ、このめでたさ加減。一人心配そうな私に「Take it easy」を連発して安心させてくれる。
そのうちだましだましエンジンをスタートさせてなんとかアグリについたのは夜9時過ぎだった。

実はここも宿のオーナーが経営しているアグリツーリズモであった。雇われていたのはフランス人の
女性でこの女性は英語もペラペラなのだが、ここではイタリア語以外禁止と言われてしまい
その後、すべての会話がイタリア語になってしまった。
これは非常に辛いことである。せっかく皆で食事をしていても、コミュニケーションがとれないと
楽しみが半減してしまう。
ここで飼われているワンちゃんでさえ、オーナーとイタリア語で会話ができるのに。トホホ。

その後、オーナーが兄と慕う州議員のオジサマが加わって、宴はさらに楽しいものとなった。
お料理はとても美味しかったのだが、何せ昼間のウニパスタで胃腸をやられているので、あまり
たくさんは食べられなかった。すべてオーナーのおごりだった。
帰りにフランス人の女性が「料理教室もやっているから、今度習いにおいで」と誘ってくれた。
ごめんなさい、私、食べる方専門なんです。

イタリアって国はマイナスなことがあっても次に必ずブラスなことがあって、
でもプラマイゼロじゃなくて、プラスが大きい国だなあとしみじみ思った。

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1件のコメント

  • 退会ユーザ @*******
    06/04/03 06:54

    素晴らしい!

    タオルミーナは、散々でしたね。
    イタリアって、たった1皿でもコペルトはつくし、水もたのまなくちゃっって状況だから、
    小食の人、とくに1人の場合には、割高感があります。

    それにしても高いところに入っちゃいましたね。
    雲丹パスタは、やはりいつの日かプローチダを訪れる日までとっておくべきでした。

    胃腸の具合が悪くなったのは、大変なことでしたし、
    宿が閉まっている、というのもとんでもないことですが、
    (小さな宿だと、6時過ぎる場合は、連絡しないとおぶないですね)
    それ以上にその続きの素晴らしい体験!

    >イタリアって国はマイナスなことがあっても次に必ずブラスなことがあって、
    >でもプラマイゼロじゃなくて、プラスが大きい国だなあとしみじみ思った。

    でしょ。ほんとにそうなんです。
    こねこさんも、イタリアにはまっちゃってください。

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    対極?

    グラツィアさんと私って全く反対なのが面白いです。

    グラツィアさんは短期の旅行でもタイトルが「ゆったり」紀行だけど、
    私は13日でも「早足」旅行だし、
    私がポルチコでトホホでも、グラツィアさんは美味いもの盛沢山でまったりだし、
    旅のスタイルも人との係わり合いも全部反対…。

    私はこれから書きますが、ポルチコの描写も全然違うものになりそうですね。(^^)