6日目 タオルミーナからシラクーサへ(最低で最高の日) タオルミーナは観光客がうじゃうじゃいてしかも物価が高い。 なんとも居心地が悪いのでお昼を食べたらすぐにシラクーサに移動することに決めた。 日本人向けの雑誌によくでている某レストランでウニのパスタ(14ユーロ)を注文した。 ミネラルウォータが6ユーロでコペルトが5ユーロで計25ユーロだって。うひゃあ、高い! しかもこのウニパスタにやられたらしく、食後、胃の調子が悪くなり、 時おり刺すような痛みで倒れそうになった。もう少しで病院に行くところであった。 ここでふとまた、2004年の食い倒れツアーを思い出した。あの時は何を食べてもうまかったし、 料理の値段と味が一致していた。考えてみたら今回はまだイタリアでうまいものを一度も食べていない。 なのに胃腸の具合が悪くなるとは、なんとも悔しいことである。 這うようにしてタオルミーナ駅に行き、シラクーサに着いたのは日も暮れかかった夕方7時頃だった。 ウニが悪かったのかそれともオリーブオイルかガーリックか、今度は胃がムカムカして仕方がない。 倒れそうな体を支えながら駅から30分以上歩いて、予約しておいた宿に着いたが門が閉まっていた。 街灯も少ない暗く寂しい旧市街で公衆電話から宿に電話をしたのだが、イタリア語なので何を言っているのか全然わからない。 どうやら5分後にまたかけろと言っているらしい。「チンコミニ」だけわかった。 予約をとってくれたマリアはもう帰宅してしまったようだ。ああ、またやられた!! そうしているうちに日が暮れてしまった。途方にくれてまた宿にもどり門を叩いていると、 親子ほど年の離れた男女が通りかかった。 事情を説明して代わりに電話をかけてくれるようにお願いした。 が、何と彼はこの宿のオーナーであった。食事に行くのにここを通って偶然、私と遭遇したのだ。 しかし彼はオーナーなのに門の鍵を持っていないと言う。すべてマリアに一任しているそうだ。 ここでもまた食い倒れ道中の「アルバの貸し部屋事件」を思い出した。 ああ、全くイタリアって国は!とがっかりしていたら、彼の所有するもう一つの宿に泊まらないかと勧められた。 いまさら新しい宿をさがすのも面倒だったし、体力も限界だったのでそうすることにした。