でもね、車窓には人間の営為も入っているのです

ヨーロッパの列車からの車窓には、自然景観だけではなく、そこに住む人たちの暮らしがうかがえると思います。

美しい湖のほとりに教会の尖塔が見えて集落がある。ザルツブルクの手前。
列車が峠に登って行くとまだ残雪があって、牧場と大きな農家が見える。ベルンからルツェルン。
緑の川辺をしだいに山間に入って行くと、川の向こうの斜面に教会や古い城跡が見える。ヴェローナからトレント。
丘の上に古い集落があって、ふもとの平地はブドウ畑になっている、とかね。

世界には荒涼とした山地と砂漠が広がっているようなところもあるけど、そんな人の住んでいないところより、美しい自然とそこに住む人の生活がうかがえるところの方がわたしには気持ちが好い。

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3件のコメント

  • 東海道線で眺めの良い区間

    車窓から海の見えるのはそんなににない。初めは国府津付近かな。

    多くの人が知っている小田原-来宮が好い。
    小田原城の先のトンネルをくぐって箱根登山線を右に分けると早川を渡るあたりから海が見える。
    早川駅の山側、新幹線沿いに魚籃観音が海を向いて立っている。「こだま」からも後姿が見える。
    早川—根府川はトンネルと曲線の多い区間で次第に高度を上げていくが、相模灘とミカン畑のある区間。
    根府川橋梁を渡ると旧線を左に分けて長いトンネルに入るが、旧線はもう少し海沿いを走りトンネルに入る前に明り取りのある眺めの良い区間だった。覚えている人は少ないかもしれない。
    真鶴を過ぎると再び海の見える区間とトンネルが交互にある。この辺りから初島と伊豆大島が望める。透明度の高い日には車窓から利島や新島まで見えることもある。
    熱海駅付近は新幹線も海が望める。伊東線の来宮駅を左に見て丹那トンネル近くまでは海が見えます。

    原―吉原は海は見えないけれど、海側に千本松原の砂丘があって高く北側の旧浮島沼が低くなった地形が興味深い。もちろん右手に富士山の大きな姿が見える。ここから見る富士は海岸から山頂の3776mまで独立峰として屹立して、素晴らしい(旧線の足柄-御殿場は富士が一番大きく見え登山口の近いことを感じさせるが)。
    注意深く観察すれば、右手進行方向に雪をかぶった3000m級の赤石岳などの南アルプスも手前の山越しに見える。

    富士-清水も車窓の好い区間。
    富士川橋梁を過ぎて左にカーブすると富士川駅。この辺りは線形が南を向いて海側に富士山が望める区間。
    新幹線では静岡を過ぎて安倍川を渡ると海側に富士山の見える区間がある。
    蒲原-由井は東名高速道路ができるまでは東海道線が一番海側を走っていて、風が強い日は車窓に波しぶきを感じることもあった。由井港は今でも線路の傍。
    由井-興津の区間は海が近く、東名高速が上を跨ぎ駿河湾が眺められる。天気の好い日は絶景。
    駿河湾の向こうに伊豆半島。コブのようになった達磨山が望める。トンネルをくぐると右にカーブして興津川の手前、人家にさえぎられる前に一瞬、砂嘴になった三保松原が望める。

    静岡から先はあまり乗る機会がなくなった。用宗付近の石部トンネルに入る手前。
    浜名湖の見える舞阪―新居町。それに蒲郡。蒲郡付近は東海道ではなく、名鉄で抜けてしまうことが多かった。

    東海道線は熱田から先、草津までは鈴鹿峠のある東海道と離れる。

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    Re: 東海道線で眺めの良い区間

    ろっきいさん、こんばんは

    東海道線に乗らなくなって、もう何年もたってしまいました。
    よく景色を記憶されていらっしゃる。解説を拝見しながら地図を見ていました。
    たしかに、新幹線よりも東海道線の方が海に迫る箇所が多い。あたりまえか(笑)。
    今度、関西方面に行くとき(私は東京です)、一部でも東海道線にしてみようと思います。
    真鶴、清水、由比のあたり、ぐいぐい惹かれました。

    ありがとうございました。

  • 車窓から感じる人々の暮らし

    ろっきいさん、こんばんは

    >美しい湖のほとりに教会の尖塔が見えて集落がある。ザルツブルクの手前。
    >列車が峠に登って行くとまだ残雪があって、牧場と大きな農家が見える。ベルンからルツェルン。
    >緑の川辺をしだいに山間に入って行くと、川の向こうの斜面に教会や古い城跡が見える。ヴェローナからトレント。

    素晴らしいです。
    実際に車窓からご覧になったのですよね。
    うらやましい。
    いや、実際に乗ったことよりも、言葉に表現できるほど記憶しておられることがうらやましいです。
    きっと印象深い景色だったのだろうなあと想像します。

    そうですね。scenic rail routesには、たしかに人々の暮らしや歴史が含まれる。

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  • 高速鉄道だけでなく、トラムのようなのも良い

    列車を終着駅のオーステンデで降りて、トラムに乗り換える。

    オーステンデの小さなヨットの群れと大きな帆船の船溜まり。
    町並みを離れると、右手に北海の海岸が見える。
    トラムのゆっくりした速度が車窓とマッチする。
    飛行場があったためか、ドイツ人が来てここに防衛線を造った。今でもトーチカや高射砲が残っている。

    小さな港町はオランダのような家並み。オランダは行ったことはないけれど。
    フランドル地方の海岸。フランス国境は近いよ。

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