いつもヨタばかりで恐縮

べつにヨーロッパ地理は専門じゃないよ。80年代、『地球の歩き方』は、旅行を変えた。観光地直行のバスツアーではなく、自力で、地元の交通機関を使って、街を歩き回る、という新しい旅行の仕方に魅了された。まだザラ紙の2色刷りだったが、実際に行ったことのある人の試行錯誤の情報は、ほんとうに役に立った。あれを持っていると、旅先ですぐに邦人だとわかったし、駅やホテル、観光地で、いろいろなことを教えてもらった。同じ邦人どうしで、人に世話になった恩返しは次の人の世話、というのが当然だと思う。

ただ、近年は個人旅行が急増し過ぎて、基本的な旅のノウハウも無く、日本のお客様感覚がそのままが世界に通用すると思っている傲慢なおじさん、おばさん、ゆとってる小娘小息子さんたちは、とても心配だ。それぞれの国には、それぞれの国の常識があるのに、どうして、なんで、って、まったく厚切り。けっこう現地にはいるんだよね、いきなり駅で話しかけてきて、日本の方ですか、カバンを丸ごと盗られてしまったんです、どうしたらいいですか、とか、真っ青になって、目がバタフライで泳いでいる人。盗られてしまった後では、代わって保険会社に電話してあげることくらいしかできないよ。

なかなか忙しくて、昔のようにぱっと思い付きで飛行機に乗ってというわけには行かないが、これから出かけるという人の、わくわくどきどきな話は、こっちも目先の仕事からの現実逃避に最適。トラブルに巻き込まれることなく、楽しい、良い思い出ができれば、と願ってるよ。

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