12)南仏の松の木 (思い出したので追加) 南仏コートダジュール地方のサン・トロペ(Saint Tropez)に点描主義の画家(新印象派とも言う)の、ジョルジュ・スーラやポール・シニャックなどの画家の作品が充実している美術館があるとガイドブックにあったので、行ってみることにした。 美術館の名前はアノンシアード(musee de l’Annonciade)美術館。 サン・トロペまでは国鉄駅サン・ラファエルからバスで1時間程度である。サン・トロペの終点で降りるとそこはレジャーボートやヨットがどこまでも延々と係留してある港だった。9月中旬に入ったところだが、海岸付近は観光客がそぞろ歩いて、まだバカンス時期が続いている。美術館は、バス停から海岸沿いを6~7分歩いたところにあった。 中に入ると、彫刻などもあるが、絵画では新印象派のものがかなり数多く展示されていた。 私は、新印象派のスーラとシニャックではシニャックの方が、色使いがくっきりしていて好きだ。 見た中では、シニャックの南仏の松の木を描いた絵がなかなか良かった。 出がけに、あの松の木の絵はがきを買おうと思って売店の棚を見たが、どうも見つからない。念入りに探すと、よく似た絵柄の絵はがきがあるが、松の木の感じが違う。売店から展示室へは自由に行き来できるので、もう一度絵を見て確認すると、その絵はがきに違いないが、シニャックの絵は縦横の比率が正方形に近い4対5ぐらいで、絵はがきの中に収めるには左右に白い縁を作らねばならないが、縁なしにするには上下の部分をトリミングする必要がある。この絵はがきは、上部をトリミングして、こんもりした松の木の上部を切り飛ばして寸詰まりにして、椎茸の傘の開いたのか、ヒラタケみたいにして、縁なしにしたのだ。 ちなみに、絵の掲載されているサイトを引用すると以下のサイトなどがある。 (7枚目の写真)↓ http://www.voilesetvoiliers.com/cultures-voiles/paul-signac-saint-tropez-lorage-1895/ このサイトの最初の写真↓ https://www.google.fr/search?q=paul+signac+le+pin+parasol+aux+canoubiers&biw=1093&bih=490&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0ahUKEwjTjL3U_dXJAhWKoJQKHendABwQsAQIGw 不満ながらも、安価で適当なものがないので、この絵はがきを記念に購入した。 ちなみに、 南仏の海岸付近に行くと、松の木は、球を半分に切ったような、昔の形の深いこうもり傘というか、上部がこんもりした樹形に幹を付けた格好をしている。南仏へ来た初めのころ、観光地などで見たときは、町の中では比較的小さい木が多かったので、剪定してあんな樹形にしているのかと思っていたが、何度か南仏に来るうちに、林の中に他の木々を圧するほどの大木になったあの樹形の松の木が高々と茂っているのを見て、この松の木はそのような樹形になる樹種だと理解した。 この松の木は、海岸から数km内陸に入るともうない。内陸では普通の樹形の松が分布する。おそらく、地中海の潮風の当たる地域しか分布しない種類だろう。 私にとっては、この松の木も、南仏を思い起こさせる風物の一つである。 画家シニャックはこの絵で、松の木のどっしりとした様子とその下に見える海岸風景を描きかったのだろうと思う。 私もそこに描かれた松の姿が好きだ。 (この絵のタイトルはLe Pin parasol aux Canoubiers 「Canoubiers浜のパラソル松」、pinは松、parasolはパラソル、Canoubiersはサン・トロペの砂浜の名前。松の種類は、仏語でpin parasol というようだ。松の部分を直訳すると「パラソル松」となる。フランス人も、あの樹形はパラソルそっくりだと見ているようだ) 絵はがきを買うときトリミングしてあるのを知って、一応納得して買ったが、なんだか、欠陥品を買って持っている時みたいな気持ちがして、椎茸のような形をした松の木のこの絵はがきは、引き出しの奥に仕舞いっぱなしで、出してみる気持ちがしない。 (美術館さん、絵はがき作成で大家の絵を適当にトリミングするのは止めてくださいな。)
Pinus pinea イタリア笠松 街道沿いにあって雰囲気がある木ですが 画像検索するとスペインに最多のようですね。 日本では千葉市の昭和の森で見かけましたが他では見かけない。 ところが近年クリスマスツリーの代用樹として輸入されているようです。 幼木は同じ樹種とは思えません。
イタリア笠松 GIULIAさん こんにちは この松は日本語では「イタリア笠松」と言うんですね。 イタリア国内で、ローマやその他の都市で普通に見られるという状態なら、それを見てきた日本人が、この松に名前を付けるとき、「イタリア」という語を入れて名前を付けた方がいい、と考えたのは自然なことなんでしょう。 フランスのwikipediaによると、 この松はフランスでは、普通、pin parasol か pin pignon(松の実を取る松の木、程度の意味)と呼ばれるが、時として pin d'Italie と呼ばれることもある。 と書かれています。 別名として「イタリアの松」と呼ばれることもある、とのことなので、ヨーロッパ人と深く関わってきたのは、イタリアにおいてなんだろうと思います。 フランスでは、地中海に面したごく海岸近くしか分布していないから、フランス人でもその地域に住む一部の人しか知らないかもしれません。 情報ありがとうございました。