15/12/07 22:56

9)アルザスのワイン街道の村、エギスハイムEguisheim

Eguisheimは「フランスの美しい村」のリストにも掲載されているアルザスのワイン街道の村である。(仏語風の発音ならエギスアイム)
Colmarからバスがあるが、便数が少なく、午後は、正午のバスで行って帰りは17時過ぎのバスになる。現地で4時間以上時間があり、通常、「フランスの美しい村」の観光は長くてもせいぜい2時間もあれば充分なので、ここは、行ってから時間をもてあましそうである。

村は円形で「美しい村」としては比較的広い。中央を車が対向できる程度の道が走っていて、村を左右に分けている感じである。この中央の道にはお土産屋やカフェやレストランなどが軒を連ね、道もカラーの舗装で観光地風であり、また、商業化され過ぎの感がある。この表通りの裏には、何重かに円形に中心を取り巻いた形で裏通りがあり、路面は割った古い石敷きで、両側には古い木組みの家が並んでいて、昔ながらのたたずまいを見せている。ゆっくりそぞろ歩きするなら、裏通りが気分の落ち着く良い雰囲気を持っている。「フランスの美しい村」に選定されたのはこの裏通りによるものだろう。

村の外にはいくつか醸造所があり、今はブドウの収穫時期で、ブドウ畑から取り込んできたブドウを醸造所に搬入するのに忙しい。
時間が余ったので、村を出てブドウ畑の方に行ってみた。丘を登っていくと、ブドウ畑が続くずっと遠くに、車が何台かと働く人が点々と見える。ブドウの収穫をしているようだ。ブドウを入れるバケットを積んだトラクターやトラックが村の方に行き来する。折悪しく雨が降ってきたので、一旦村に戻った。
雨降りの中で時間があるので、プチトランに乗ったら、村を一周した後、村を出てブドウ畑の方に行った。さっき私が登った方とは別の方角のブドウ畑の方に登り、ちょうど収穫をしている地域を通った。雨の中の収穫でご苦労様と言いたい。

村に戻って、また裏通りを歩いていたら、狭い道を黄色いテープで通行止めにして、何か作業をしている。近づいてみると、道路上にブドウを絞る機械を据えて、小型トラックの荷台からバケットのブドウをその絞り機に仕込んでいる。機械から出た透明のホースが地上を伸びていて、紫色のブドウ絞り汁が醸造所の方に流れていくのが見える。機械の後部からは絞りかすがぽろぽろと出てくる。100リットル入りぐらいのバケットからブドウを一気に放り込んでも出てくる絞りかすは意外に少ない。

普通、醸造所は自分の作業庭があり、塀の中で作業をするが、ここの村の裏通りの醸造所は庭もなくて、収穫時期には道を使って作業する醸造所だ。出来たワインは観光客向けに売るようで、裏で作業して、表の方で販売するようになっている。

ここの村は、お土産屋の多い通り(中央の通り)と、昔ながらの落ち着いた家並みの通りが表裏セットになった村で、両方が希望という人の観光にはいいだろう。
バスの便が少ないのが欠点。(朝8時に行って12時45分のバスで帰ることも可能。)
ここと比較するなら、リクヴィルRiquewhirの方がバスの便も多いし、村のたたずまいも「フランスの美しい村」として上品であると感じた。(リクヴィルには数年前に行った)

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