15/12/07 22:47

4)建築家ル・コルビュジエの作品見学(2) チューリッヒのル・コルビュジエ・ハウス

スイスのチューリッヒにル・コルビュジエ最晩年の作品、ル・コルビュジエ・ハウスというのがあるので見に行った。
ここの受付の人によると、昨年まで個人所有だったものをチューリッヒ市が買い取り、それまで週末だけだった公開を、火曜から週末まで広げたとのこと。

外観はこれまでの彼の作品とは打って変わって、自由奔放な感じである。展示場、美術館向けとして設計したので、特にその形は、特異な物になったのだろう。
構造は、彼の作品がずっと鉄筋コンクリートであったのに比して、鉄骨プレハブ構造みたいに、L型の鉄骨をボルトで組み合わせて柱にした構造である。外部からはそれが明確にはわからないが、内部に入ると、ボルトなどがむき出しで、それが強調されている感がある。
建物全体を覆う屋根は建物とは離れて上方に設けられ、長丸の断面をした柱で支えられている。建物にキャンバスのテントを掛けたような感じである。柱は灰色に塗られているので、一見鉄筋コンクリートだと思ったが、叩いてみると、鉄板を巻いて造ったもので、全体が鉄で造ってあるということになる。屋上に上がると、この屋根がテントよろしく日よけのようになっている。屋根板には手が届かないが、見た感じでは屋根板ももちろん鉄のような構造だった。

彼の最晩年に、鉄筋コンクリートではなくて、鉄で造ってみたかったものを実現したというところか。

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