日本以外の夏は快適なのです

日本の真夏にこの国を脱出すると、どこも天国のように感じます。
台北でもバンコクでもそうです。ましてや、欧州では。

イタリアとかスペイン内陸では気温が40度になったりしますが、
それでも湿気のない日陰は涼しく、夜はひんやりします。ですから、
エアコンのない車や住居はとても多いのです。日本が異常と言えなく
もない。高層で窓が開けられない高級ホテルは別として、小規模で
中級以下のホテルには空調がないのがほとんどです。

天候が例年通りならば、これで良いのですが、例の2003の猛暑のように
なると最悪。もともと暑さには対応していない作りなので、ホテルも
店も冷房がない。この年には、オーストリア、英国、イタリアに居たの
ですが、前者二国は、夏の冷房という概念がない。ウィーンのホテルで
は米国人が、「空調のあるレストラン」をコンシェルジェに頼んでいま
したが、「この街には空調のあるレストランは存在しない」でした。暑
さに強い日本人は、なんとか生きていましたが、欧米人はかなりへたば
っていたようです。空調のないホテルは地獄。レストランも外は暑いし、
中は暗いため白熱球で照明です。光効率の悪い照明器具なので、暑いこ
と暑いこと。店舗も空調設備がなく、大型扇風機を借り入れて焼け石に
水を掛けていました。

一方、ローマのタクシーの運転手は、「毎日40度でっせ。」と半ば喜ん
で喋っていました。もともと夏が暑い土地なので、冷房もあるし、陽を
避ければ、随分楽でした。5月のスペインで40度を超えたときは、流石に
ばてました。大昔、何も知らずに8月の北イタリアに行ったときは、暑さ
の中のゴーストタウンに驚愕させられました。北イタリアの経済的に潤っ
ている都市の市民は、涼しい場所に逃げているので、街中が暑くなっても
関係ないのです。