06/02/22 08:34

書き出すと長くなります

スペインの歴史となると、そりゃ膨大です。
フラメンコと闘牛だけの国ではないですから。
これについて書き出すと1日が終わってしまいますので、簡潔に。

まず、イスラム前の歴史。フェニキア人から西ゴート人。
8-15世紀におけるイスラムによる支配とレコンキスタ。
学校教育での歴史では短い記載ですが、文化が花開いた時期です。
イサベル女王の登場とアメリカ大陸発見(500年後には『遭遇』に改め
られました。数百年にわたる黄金期を経て、19世紀にはナポレオン侵攻、
さらに米国との戦争で衰退しました。この戦争も米国お得意のやらせ
だったとか。

最後に忘れてはいけないのが、フランコの登場と市民戦争。第二次世界
対戦勃発や、ナチとの連合国側との関係を知る上で、重要な事件でした。
フランコが死ぬ1975年まで、この国は軍事独裁国家だったのです。
民主化直後は、貧困で、他の欧州諸国(ピレネー以東)からも蔑まれて
いました。国が安定し、経済も発展したのはやはりバルセロナ五輪の
成功(サマランチの力?)が大きいと思います。この市民戦争は、スペ
イン社会に様々な影を投げかけています。特に、スペイン現代映画を
語る上で、市民戦争は決して避けて通れない問題です。ドイツがナチズム
に拘るように、スペインでは市民戦争なのでしょう。優れた作品がたくさ
んあるのですが、なかなか日本ではDVDを含め入手が難しいのが現状です。

上では省きましたが、かつての植民地では略奪行為を繰り返したのです
が、それら中南米の国とは良好関係にあるし、先祖が沢山渡っているの
で、他人事とは思えないのでしょう。ですから、日本とは米国に対する
感覚が違います。驚いたのは、若い人(少なくともフランコ時代を知ら
ない)が、”奴らを通すな(No Pasarán)”とかチリ民主連合(アジェ
ンデ)時代の反ファシストスローガンを日常口にすることです。市民戦
争には、ロマン・ロランが提唱した反戦反ファシズム運動や義勇軍とし
て参加した作家も拘わっていますので、この時代の文学にも鋭く映され
ています。文学からでも、簡単に知ることができます。ピカソのゲルニ
カもそうですね。

最後に、スペインには様々な顔があるということ。別の国があると言っ
ても過言ではないでしょう。大雑把に言えば、カスティーリャ、カタル
ーニャ、アンダルシア、ガリシアとバスクです。バスク語は非ロマンス
語なので、全く別の言語、民族です。バスクとカタルーニャは独立志向
ですが、前者には経済力がない。一方、後者はスペインの経済を牽引し
ているため、現実味があります。バルセロナとマドリードとは全く異な
るという背景には、このことがあり、知っておくべきだと思います。

PENは私も買いました。スペインの建築、デザインを堪能する人には必
読書書でしょう(現代ものですが)。あと、5月にはいると、猛暑とい
う日があるので、一応覚悟しておいてください。

  • いいね! 0
  • コメント 0件

0件のコメント