06/02/16 18:57

似たものは国内でも出ています

インフルエンザウィルスの直径は約100 nmです。単粒子だとして、それを
機械的に通さないようにすると、呼吸できません。実際にN95マスクをして
みるとわかりますが、じっとしているのが精一杯。動くと息が苦しくなり
ます。しかし、ウィルス粒子自体は会合体となり、しかも飛沫やホコリに
くっつき、実際には大きさも増すので、インフルエンザ用と書かれたマス
クならかなり効果的でしょう。加湿することは粒子を大きくし、マスクを
透過させないためにも、また重量を与え落下させるためにも有効なのです。
しかし、ウィルス孔サイズだけで、進入を阻止するのには無理があるので、
静電気とか抗体を使い吸着しようというマスクが昨年あたりから出てきて
います。FSC・F95マスクや資生堂ナノブロックなどです。後者は、効果が
過大に言われているということで、世に出るのが遅れたようです。たしか
に溶液中でもないのに抗原抗体反応ができるのか?私も疑問です。

政府レベルではご指摘のように鶏インフルエンザ対策は遅れています。
タミフルの備蓄をメーカーが勧めたにも拘わらず、半ば無視した経緯があ
ります。狂牛病と同じで、先を読む力に欠けているようです。しかし、国
民レベルではどうでしょうか。咳をしたら、手で覆うとかマスクをすると
いう習慣は、他国ではほとんど見られません。国内でマスクをすることは、
さほど珍しくないのですが、海外とりわけ東南アジアを除いた地域では異
様な光景です。まず気味悪がられます。

人の間での感染が可能となった鶏インフルエンザが発生したら、まず隔離
が大切です。また、通常のインフルエンザと鶏インフルエンザとの接触を
いかにして食い止めるかも重要です。ヒト型インフルエンザ患者が病院に
駆け込むし、健常人もパニックを起し病院に集まるはずです。ここで、
両インフルエンザが出会えば、さらに新型が生まれてしまいます。SARS
の教訓は、専用病棟を設置し、隔離することでした。このような対策は
現段階では出ていません。

マスク使用は、通常のインフルエンザの感染阻止には極めて有効ですし、
新しいタイプのマスクも薬局で売られており、決して日本が遅れている
訳ではありません。むしろ、正しい知識を如何に広めるかが重要だと思
います。インドネシアでは、患者が減りません。政府が事態を把握でき
ておらず、住民もほとんど実態を知らないからです。これは、他国でも
言えます。この点で、1997年に鶏を全滅させた香港の対応はすばらしか
ったと言ってよいでしょう。年間百万人のO-157とサルモネラ感染が牛肉
で発生し、数百から千人規模での死者が出るだけでなく、危険部位を除去
せず、へたれ牛も食用に回す米国に、市民レベルでの防御ができるのでし
ょうか?鶏インフルエンザに関しては、先進国と言えども無防備である
ことは変わりません。ただ、患者発生が止まらないのに、教育がなされて
いない国には恐怖を感じます。

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