06/02/12 21:49

Re: なぜ、走っていないのでしょう。

イタリアにはES Star(Eurostar Italia)と呼ばれる高速列車(最高速度300km/h)があります。イタリアの鉄道事情にはあまり詳しくありませんが、Roma~Firenzeなどは駅周辺を除き高速列車専用線を走行していたはずです。

またスペインで運行している高速列車はAVEですね。

イギリスの場合、在来線の高速化は比較的早い時期に行われており、1970年代には最高速度200km/hの列車(IC125)の運行が始まっています。また1990年代前半には最高速度225km/hの列車(IC225)が東海岸本線(現GNERのルート)で運行を始めています。ただ国家プロジェクトとして高速列車の開発は行われてこなかったため、その後は諸外国に大幅な遅れをとりました。

IC125は幹線系統を中心に活躍の場を広げましたが、インフラ(線路・信号設備など)にいろいろと問題あるため実際の最高速度はこれより低く抑えられています。

イギリスの鉄道は分割・民営化の際に運行会社(GNERなど)とインフラ管理会社(Rail Track)に分離されました。ところがずさんな管理体制のために、インフラ整備が図られるどころか現状維持すら困難を極め、旧国鉄時代より列車の遅延や運休が目立つようになりました。そして財務状況も悪化し約3年前に倒産してしまいました。その後インフラ管理は新たに設立されたNetwork Railによって行われています。

今後国内路線に関しては、在来線のインフラ強化(路盤や信号設備の改良)と加速性能に優れた新型車両の導入により所要時間の短縮を図っていくようです。
インフラに関しては東海岸本線に比べて整備が遅れていた西海岸本線(Virgin West Coastのルート)のインフラ強化工事が、2001年から5年以上の歳月をかけて行われています。
僕が住んでいた頃のVirgin West Coastは電気機関車牽引のため加速性能が悪く遅延が目立っていましたが、2003年~2004年にかけて加速性能に優れる新型電車(Pendolino)に全て置き換えられました。その結果、所要時間の短縮化が実現し遅延も減少したようですが、新型電車の能力を最大限に発揮するためにはインフラの更なる整備が不可欠なのです。

実はイギリスにも高速専用線があるのですが、その話は次回また。

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1件のコメント

  • 06/02/12 22:36

    詳しい説明、感謝。

    そうですか、イタリアには高速線があるんですか。有名じゃ無いので、知りませんでした。
    イギリスも、そんな事情でしたか。

    私が一度だけ、乗ったイギリスの列車は、アルバムを見たら、
    1993年、コッツウォルズの旅に行くため、バース駅でレンタカーを借りるために、列車に乗ったのでした。

    古い体験をもとに、その後のイギリスでの高速鉄道の話が、ぜんぜん聞こえてこないので、
    鉄道発祥の国が、何故だろうと、そんな疑問を持ちました。

    でも、こんな説明を聞けて、ありがたい。感謝です。

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