レポート

♪ 旅の必需品 d(ゝc_,・。)♪

公開日 : 2006年02月11日
最終更新 :

前に僕は、旅の荷物は徹底的に少なくすることにこだわると書いたが、逆にこれだけは絶対に持ち歩くというものがある。

それはペットボトルと本だ。

ペットボトルの使い道はいろいろとある。

・水筒に。

・寒い所では湯を入れて湯たんぽに。

・道端に灰皿が無い所では吸い殻入れとして。

・食堂で昼間からワインをボトルで出してくる所では残りをこの中へ。

・緊急時にトイレットペーパーが無いときには水を入れて「不浄の手」方式で…。

・ほかにもカッターを使いアイデア次第でなんでも作ることができる。

ペットボトルはどこの国でも手に入るしとても軽いので持っていて損はないと思う。

特に日本のペットボトルは柔らかすぎず硬すぎず、頑丈であるのにカッターで切りやすいというすぐれものである。

以前、日本語で書かれた本を一冊も持たずに旅行をしたことがある。 日本語が読めないつらさ、これは経験してみて初めて思い知った。

観光国以外に行くと日本人に会う機会は極端に少なくなる。 時には二ヶ月以上日本語を使わないこともあったが、一人旅なのだからこれは仕方ない。

英語が大の苦手の僕でさえ、いつのまにか英語が自分にとって第一言語となり、ストレスを感じなくなるときがくる。

しかし、日本語が話せず聞けず、さらに読むこともできないとなるとこればかりは絶対我慢できないのである。

長期間この状態が続くと、本当に気がおかしくなりそうになる。 夜一人で宿に泊まっていると、「ちぎれた古新聞でも誰かのメモ書きでもなんでもいいから読ませてくれ!」という状態になってしまう。

完全に日本語をシャットアウトされると大きなストレスとなるのである。

日本にいた頃は全然活字を読まなくても大丈夫だったのに、旅行中は読むことが精神安定剤の役目を果たした。 なんでもいいから一冊の本が絶対に必要だったのだ。

しかし同じ本を何度も繰り返し読むのもつらい。 ではどうするかというと、旅行中に出会う日本人と読み終わった本を交換してもらえばいい。 たいていの人は喜んで交換してくれる。

彼らも新しい「日本語」を読みたいのだ。

中には沢山の本を持っていて、「好きなのを選んでください」なんていう移動図書館みたいな旅行者もいるくらいだ。

もちろんたいていの旅行者は1~2冊しか持っていないので選ぶことなどできず、どんなジャンルであろうと交換した以上それを読むしかない。

おかげで日本にいたら絶対に読まなかったであろう本ともたくさん出会った。


出会った本といえば、こんなことがあった。

場所はスリランカの、ブッダの歯が祀られていることで有名な寺があるキャンディという都市。
僕はその仏歯寺の近くにあるミャンマー仏教の寺に泊まっていた。

小さな本棚が廊下にあり、覗いてみると日本語の本が一冊おいてあった。

なんでこんな所に日本語の本が?と思いつつ最初のページを開くと、「持ち出し大歓迎」と書いてあった。 
カバーも無く、かなり汚れている本だったが、僕は持っていた本と交換することにした。

しばらくしてスリランカを出国、インド一周の後半戦に戻った。

交換した本を読み終わり、あと書きをパラパラと見て最後のページを開くと、そこにはなんと日本語でびっしりと国・都市名と日付が書き込まれていた。

どうやら旅行者がこの本を読み終わり、どこかで違う本と交換する時、このページにその地名を書いているものらしく、カンボジア・ベトナム・ラオス・シンガポール…などなど、たくさんのアジアの国々を巡ってきたようだ。

中央にはこの本を購入したであろう人のメッセージが大きく書いてあった。

「ロンドンに連れてって」と。

インドからイギリスを目指してこの本は旅を始めたが、なぜか東へ進み東南アジアをぐるりと周り、やっとインドに帰ってきたと思ったら今度は南下しスリランカまで連れてこられたが、ミャンマー寺の本棚に収まってから出られなくなってしまい、長いこと眠っていたようだ。

僕はやっとこの本をスタート地点であったインドに数年ぶりに戻すことができたのだ。

これからパキスタンに向かうという青年と知り合い、僕は本を渡した。

彼は、いや、本はやっと西へ向かうのだ。

続きです♪http://www.geocities.jp/dentane1/hoshino/backpacking/1.html

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