レンズについて

オーロラの撮影経験はありませんが、星空はよく撮影します。
レンズの基本性能は、焦点距離と明るさ(F値)です。一方、引き伸ばしについては、カメラの画素数に依存します。

(1) 焦点距離
オーロラはかなり広い範囲で輝くと思いますので、マイクロフォーサーズの12~14mm(フィルム換算で24~28mm)が良いと思います。ただ、17mmだとオーロラ全容ではなく、オーロラの一部を切り取るようなダイナミックな写真が撮れると思います。

風景写真の場合も、広角=ワイド に撮影できます。ただ、ワイドすぎると空が入りすぎたり、邪魔なものが写りこむ場合もあります。ですので、適宜焦点距離を選びます。

一方、風景を入れた記念写真の際は、12mmや14mmが重宝されます。17mmだと、カメラマンは結構離れなければなりません。これと同様で、オーロラ+人を撮るのでしたら、12mmや14mmが良いと思います。

これらを自由に選択できるのがズームレンズです。ズームレンズは複雑な構造ですので、F値の小さな明るいレンズは高額になります。また明るいレンズは、マイクロでないフォーサーズにF2.0がありますが、大半はF2.8止まりです。

(2) 明るさ
F値はご認識のとおり、小さいほうが明るいです。星を撮るときなども、なるべく小さい値(開放)で撮影します。
ただし、オーロラ+人を撮る場合は、スローシャッターシンクロというスローシャッター+フラッシュ撮影を行うと思います。具体的には、露出とシャッター速度はオーロラだけを撮影することを前提とした設定にし、フラッシュを光るようにします。
人が写るのはフラッシュを光らせた瞬間ですので、人の動きは気にしなくて大丈夫だと思います。

※マイクロフォーサーズの一部のカメラは、フラッシュが内蔵されていませんので、お持ちのカメラをご確認ください(ない場合は、外付けで対応することになります)

ちなみに候補のF1.8,F2.0,F2.5,F2.8で比較すると、同じ感度であれば、F1.8はF2.5よりも2倍速いシャッタ速度を切れます。同様にF2.0はF2.8より2倍速いシャッターが切れます。たとえば、F2.8, F2.5で1秒間シャッターを開かなければならない場合、F2.0, F1.8では1/2秒になり、動きに強くなります。

(3)手ブレについて
オーロラなど暗いところで撮る場合、可能であれば三脚などに固定するのがベストです。そうすれば、手ブレの心配が無くなり、シャッターを長く開けることができます。
しかし海外ですので、手持ち撮影をせざるを得ない場合は、明るいレンズが有利になります。

手ブレ補正のない場合、手持ち撮影のシャッター速度の限界は、1/(フィルム換算の焦点距離) と言われます。たとえば、マイクロフォーサーズで14mm(フィルム換算28mm)のレンズでしたら、1/28(≒1/30)です。手ブレ補正は、+1段、+2段…とアピールしていますが、+1段で2倍、+2段で4倍、+3段で8倍、シャッター速度を稼げることになります。仮に+2段の効果でしたら、4 × 1/30= 4/30 ≒ 1/8 まで手持ちでいけるという計算になります。 が、どの程度信頼性があるかは、わかりません。

ここでレンズの明るさの話に戻りますが、同じ1/8の限界シャッター速度でも、F2の方がF2.8よりも、半分の暗さでも対応できます。逆を言えば、F2.8のレンズだと1/4のシャッター速度が必要となるような暗さは、F2だと1/8となり手持ちがなんとか出来るかもしれません。(手持ちでそのシャッター速度は、かなり厳しいかと思いますが)

(4)引き伸ばしについて
B5に引き伸ばす程度であれば、500万画素もあれば十分です。1000万画素でも、B4~A3くらいまではいけます。ただ、ブレてしまったら、小さい写真であっても台無しです。
引き伸ばし効果は画素(解像度)に依存し、レンズには直接関係ありませんが、大きく引き伸ばせば僅かなブレが目立ちます。その点で、明るいレンズを使い、なるべく速いシャッター速度で撮るのが良いと思います。

なお感度は大きくすると、ザラツキが激しくなるので、お気をつけください(最近のカメラは、だいぶ低減していますが、最低感度がもっとも綺麗なのは変わりません)

長くなり申し訳ありません。良い写真を撮れることを祈っております。

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