イランの体験から

先月国内線３回を含むバスツアーでイランのほとんどの遺跡と都市を回りました。自己顕示欲が強くて、体験のないコメントや現状と合わない昔話を書く人だけの回答ではイランの実情を示さず質問者に誤った情報だけが届くことになると思い最近の体験を書き込みます。
「セキュリティチェック」
ドバイからテヘランへの出国時のチェックは他空港と同等の厳しさで液体入りペットは持込み禁止、PCは預託荷物内でしたが充電器、タブレット、ICマイクやその付属品、撮影用具など雑多な小物を入れた手荷物はやはり中身のチェックがありました。ただこれまでに手荷物内のPCの動作チェックがあったのは一回米国で経験しただけで欧州では一度も経験しておりません。
国内線（イラン航空）のセキュリティチェックではなんと水入りペットボトルは一度も廃棄の指示もなくそのまま通過です。またイラン出国の国際線でもそうでした。これはツアー全員（16名）いずれもでした。まして手荷物を開く指示はありませんでした。一応規則だからチェックをやっているというスタンスでしょうか。どこでもそうだとはいえませんが実経験を述べました。
なぜポルノを持ち込もうとするのでしょうか？？？。
「イランはトルコよりつまらない国か」
そのような昔のイメージに固まった偏見は現在のイランを知る人からは失笑を買いますよ。滞在中にかなり多くのイラン人と接し、またガイドにもしつこくいろんな質問をしました。米国寄りの報道に依存する日本のイランにたいするイメージは実情と随分違うことを知りました。
えんぴつけずりさんもこれからの旅で実体験なさることでしょう。
私のトルコやエジプトと比較した質問にイラン人のガイドは苦笑しておりました。いまでは私はエジプトやそれより良いトルコよりもはるか良質の社会をイランは持っていると思っています。

以下のいくつかの例を披露します。
・物乞いは一回だけ遭遇しました。また観光客がバスから降りると物売りがたかってくるのがアジアや中東ですがイランでは皆無です。なおホームレスは一人だけ見ました。
・スリ・盗難などの事故には遭いませんしその気配もありませんでした。
・整備されたかなり多くの公園を見かけます。休日や勤務明けには芝生には家族や同僚が語らったり、ピクニック
をしている豊かな風景を見ます。また朝にジョギングする人をかなり見かけます。
・写真を撮るのを拒否されたのは老婦人の一回だけでした。むしろ皆が集まってきて一緒に撮ってくれとか、自分たちのカメラに入ってくれないかと頼まれることが多かった。それも女性が多い。そしてその後ではきっと有難うのジェスチャーをくれた。
・服装の乱れた人がほとんど居ない。女性の服装も都会ではトルコなみのセンスがある。頭にかぶるチャドも黒一色でなくいろんな色が配色されてまたいかに美しく額を見せるかがおしゃれなんだそうだ。
女性の地位も決して低くなく、ガイド、社員、運転手、秘書などいろんな所で働くのを見る。
・トルコやエジプトの送電網に比べて密度が濃くそれに250kv級の超高圧線も走っており電力需要、つまり工業のレベルも高いことが伺える。
トルコは軽工業の貧弱な煙突を散見、エジプトではカイロ周辺で軽工業用をその他ではサトウキビ工場の煙突だけだった。

欧米からの経済封鎖の影響は大きく失業率は高いけれども貧富の差は大きくなく、人々は平和に健全な暮らしをしていることがわかる。つまり貧富の差の大きい独裁政治を脱したイスラム革命は人々を幸福にしたようで、日本でのイランのイメージは偏っていることを痛感しました。
日本人には大変好感を持っていてガイドは検問など面倒なことがあると「アレ・ヤポン（全部日本人）」と言って面倒なことを避ける事に成功してました。

古代ペルシャから続く長い歴史の（トルコ、エジプトに比べて整備の進んだ）遺跡と遺物、イスラムの特別な建造物など期待を裏切らない観光ができることでしょう。