【5日目-2】 お気に入りのトラットリアができた

そこから昨日チェックした「トラットリア・マリオ」に行くとちょうど開店直後のようで賑わっていた。
まだ並んでいる客はいないようなので、入ると、すぐ席に案内される。もちろん相席の7人掛けで、
すでに3人座っており、ワタシたちの後にも2人座ってきた。
外には「中に英語メニューあります」と書いてあったが、壁にかかっているいくつかの英語メニューと
イタリア語のメニューは必ずしも同一ではなさそうだ。分かる範囲で読み比べてみる。
水を頼んだときに、アヤしい解読だったけどラビオリがありそうだったので、「ラビオリ・・・」と
言ったらお姉さんが笑顔でうなづいてくれ、安心してミネストローネの注文、それと
ビステッカ・アラ・フィオレンティーニが半分とかでもやってくれる??と聞いたら、大丈夫とのこと
だったので、それをシェアする旨を伝えると、了解したようだった。
落ち着いて店を見回すと細長い長屋のような店構え、壁にはコート掛けがあり、一面に上着の山。
ぎゅうぎゅうと相席のテーブルと椅子が所狭しと並べられ、常に満席。す、すごい。
と思っていると、厨房のほうからパーンパーンと振動を伴った大きな音。どうも骨付き肉を切っている
ようだ。注文からほどなくしてミネストローネとラビオリが来る。ミネストローネはゴハンが入っていて
どちらかというとリッボリータに近い。妹は隣の人が食べていたリッボリータが気になっていたようで
ワタシのミネストローネと自分のラビオリを取り替えると嬉しそうに食べていた。彼女はズッパ系が
好きなんだろう。ラビオリは、とにかくひとつひとつが大きくて、中身は白いチーズとほうれん草、
ソースはシンプルなトマトソースなのだが、これがまた合っていてウマい。そして食べながら隣の人の
牛のヒレ肉のスライスしたようなものが美味しそうで美味しそうで、これはなんていう料理なんだろう
とずっと気になっていた(たぶん「Filetto di manzo」と書いてあったやつかも)。
セコンドのステーキが運ばれてきて、その迫力に妹はビックリ。でも1キロの半分にしては大きいか、
でも、なんとか食べられそうなので、取り掛かる。味はイル・ラティーニより臭みがなく美味しい。
同じテーブル1番左奥に座っていた初老の紳士が、なにか少し大きな声で言った後に、
ワタシ達姉妹を除いた5人が「サルーテ!!」とグラスを上げたので、一息遅れたけどワタシ達も
小さく「サルーテ」と水のグラスを上げたら、ちょっと小さくクスリと笑われてしまった。
夢中で肉を食べていたら、その紳士が「日本人??イタリア語できる??」と聞いてきたので
「英語ならちょっと・・・」と言ったら、「私も英語は少ししか分からんのだよ、肉は美味しいかい?」
とのことだったので、「ボ~ノ」と返したら、嬉しそうに「肉は力が出るんだよ。日本では魚しか食べん
のだろう??寿司はウマいがな。」と言っていた。何と返答していいか考えていると、更に
「ヴェネツィアに行ったことがあるか??私はヴェネツィア出身だ。あそこはいい所だよ。」
ワタシが一度だけヴェネツィアを訪れたことを伝えると「そうかそうか、またぜひおいで」と言われた。
彼は奥様とふたりでみえていたようで、ワタシのすぐ左隣の人は1人客だった。3人連れかと
思った位、話していたので、イタリア人って、他人同士でもすごく和気あいあいとしゃべれるんだなぁ
と、前々から思っていたものの改めて感心。そして「チャオ」と言いながら去っていかれた。
さて、ワタシ達もやっとステーキを食べ終わり、店のお姉さんが「ビンサントとビスコンティは??」と
聞いてきたので「カプチーノはある?」と言ったら、悲しい顔をして、ないとのこと。ワタシは牛乳が
ないからカプチーノがダメで、エスプレッソならあるのかと「カフェは??」と聞くと、今度は悲しそうに笑いながら、ないと。そこで妹が「お姉ちゃん、しつこいよ^^;」と言い、はじめてここにコーヒーが
置いてないことを認識。ごめんねお姉さん☆
お会計を頼む。カード利用不可でふたりで33ユーロ。やす~~~しかもすっごくおいしかった。
ステーキは100グラム3ユーロ計算になっており、やはりあの大きさで500グラムというわけには
いかなかったらしく800グラムの24ユーロ計算になっていた。それでも安い。
またフィレンツェに来る時は必ず訪れるだろう。


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  • 【5日目-3】 ローマのホテルはハズレ

    ランチが思いのほか早く済んだので、1本前のESに乗れるかもしれない。
    その足で駅の窓口に並び、13:50台のESに変更できるか聞いてみる。
    昨日のプロカッチのお姉さん談によれば、今日からピッティ・コレクションが始まり、
    フィレンツェの街は人の出入りが増え騒がしく、タクシーもつかまらない状況になるだろうとのこと、
    あぁ、だからホテルが軒並み料金が高くなっていたし、なかなか空室も取れなかったのか~と納得。
    だから、もう出発30前のESの座席は、今日は特にいっぱいかなと思いきや
    窓口のおばちゃん、あっさりチケットをくれた。しかも変更料はかからないとニッコリ。
    今までも変更して1.5ユーロとか記憶があったのだが、思えばあれは、もう出発した電車の切符を
    それ以降の電車に変更するときにかかっていた手数料だったのかぁ~と納得。

    ホテルで荷物を受け取り、ホームに戻ってきてもまだ余裕があったので、日本に電話を
    掛けたりしながら(日本は夜の21時半頃)、時間前にホームに入ってきたESに乗り込む。
    座席はかなり混み合っていて、ほぼ満席。でも嬉しいことに定刻出発。
    ローマまでは1時間半強。思いもよらずESに乗れた(でも2等だけど)から、なんとなく嬉しい。
    これで定刻到着なら、ローマに着いても少し街なかを歩けるなぁと思いながら、ガイドブックで予習。

    妹はマッタリと、居眠りをしたり、車窓からの写真を撮ったり。

    混んでいるからか、切符の拝見が来ないままローマに到着。ほぼ時間通り。
    ローマも他の都市同様、中央駅の近くにホテルを取った。
    テルミニ駅のホームを背にして右側のマクドナルドを直進して100mも行かない所にある。
    ○「Minotel Corot」
    http://www.minotel.com/minotelPublic/main/basicHotelInfo.asp?hotelCode=IT236

    チェックインをして部屋に通される。せまい。。。
    洗面所を見ると、すっごくせまい上にシャワーしかない。バスタブつきでリクエストしたのに!!
    フロントに行って、バスタブつきの部屋は空いてないのか、換えて欲しい、と言ったら、冷たく
    いっぱいです、と言われる。ヒドい。。。旅も終盤だからこそお風呂で疲れを癒したかったのに。
    テレビでホテルの案内ビデオが流れていたので見ると、他の部屋は広くて良さそうに見えるし
    ちゃんとバスタブもついている。ワタシが憤慨していると、妹がドアに貼ってある、非常口が
    書いてある平面図を見て、「この階はみんな間取りがせまいよ、洗面所もみんなシャワーだけ
    だと思う」と、バスタブ付きの部屋が少ないのではないかというニュアンスで慰めてくれた。
    思えばエレベーターは古いリフト、フロントは他のホテルのフロントを抜けた向こう側(同じ建物に
    異なるホテルが併設って言うのはフィレンツェで経験あるけど)、なんだか変な造りのホテル・・・
    部屋の窓から見えるのは、他の建物の裏側ばかりだし、だからといっても、バスルームが外から
    丸見えなのもすごく嫌だ。もうこのホテルは今回限りで、二度と泊まらないだろう。
    飲み物用のグラスはすごく汚れていたし、歯磨き用のプラスチックコップを使えば穴が開いてるし、
    クローゼットの中のハンガーは不ぞろいのものばかり、これで三ツ星とは片腹痛い。
    以前に泊まったミラノのひとつ星のほうがまだいいかもしれない。書いていると文句ばかりだ。


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    【5日目-4】 ローマのセール、今年は遅いみたい

    気を取り直して、まだ明るいので、スペイン広場から歩ける所まで散策してみようということにし、
    地下鉄で出かける。売店で1回券(1ユーロ)と、明日用の1日券(4ユーロ)を買い、
    テルミニからスパーニャ駅まで。降りてすぐのスペイン広場を見る。
    トリニタ・デ・モンティ教会は修復中で景観が悪かったが、日本を発つ少し前にテレビでも
    「ローマの休日」が上映されたのを改めて見たようで、妹は満足そうだった。

    広場から続く有名なブランド通りコンドッティも興味深いのだが、
    今回は、日本から撤退したフランスのメーカーのバッグを探しに来たこともあって、
    コンドッティから2本ほど離れた通りの店に寄り道をする。
    夢中で品選びに没頭していると、関西系の上品なおば様とお姉さまの親子連れに話しかけられた。
    あまりにもワタシ達が夢中になっていたので、日本でそのバッグが流行っているのですか??という
    ことだった。「いえ、流行っているわけではないんです」と、ただ手に入れるのが難しくなってしまって、
    ということを説明すると、「そうなんですか~。ところで卒業旅行ですか??」なんていう、こちらが
    可笑しくなってしまうような質問から(さすがにヨイショがウマい)、バッグとは関係のないような、
    ホテルとか近くのコンビニの話とかを店の中で始めてしまったので、とりあえず妹に会計を済ませ
    店を後にした。ツアーで来ていたようだったので、日本人恋しいという訳ではなさそうだったが・・・

    しかし、この母娘から聞いたところによると、ローマのセールは14日からということらしかった。
    彼女達もどこかのブティックで聞いてがっかりしたとのこと。この日は11日。
    ミラノは5日からだったようなので、ずいぶんと遅いスタートなのだなぁ。
    しかしバリーに入って、財布を見せてもらうと、シークレットで割引をしているらしく3割引だった。
    こんなふうに割引をしている店、商品も少なくないはず。。。

    リナシェンテに行ったり、ブラブラしながら、トレヴィの泉へ。ジェラートを食べながら一息つこうかと
    思ったら、今度はジェラート屋が休み。はぁ~今回は休みばっかり。。。
    コインを後ろ向きに1回投げて、すこしゆっくりした後、今度はパンテオンへ。
    妹はすごくパンテオンを楽しみにしており、本当は明るいときにも連れて行きたかったけど
    今日中に押さえれば、明日の観光が楽になるので、とりあえず行ってみることに。
    内部は思ったより明るく照らされており、よく見学できた。妹も少し予習して来たらしく
    教えてもらいながらまわる。この建物が2000年以上前に建てられたというのが本当なら
    よく今まで保存できたものだと感心するし、それ以上にその技術にも驚きだ。
    エマヌエーレⅡの墓前で、じっとそれを見ていたら、隣にいたおじいさんに「英語は話せるか??」
    と聞かれたので、「少し」と答えると、彼はおもむろにパンテオン内部の説明を始めた。
    おかげでラファエロの墓や、フレスコ画の書かれた時代背景などを理解することができたが
    そんな経験がはじめてのワタシは「もしかして、説明が終わった後にお金を請求されるんじゃ??」
    な~んて、変な心配をしていた。おじいさんの説明がちょうど途切れたときを見計らい、
    「グラツィエ!!チャオ!!」と言って離れると、おじいさんも「チャオ!!」と言ってくれた。
    全く悪い人じゃなかった。むしろすごく親切な人だった。
    そういうふうに、人を疑ってかかるようにさせているイタリアという国が、ちょっとうらめしくなった。