【3日目-2】 パルマで待ちぼうけ

ホテルに戻り、荷物を受け取り、次なる目的地パルマへ。
パルマでは、中心地の観光と、やはりこれもグラツィアさんが以前書いていたレポートが、
とっても美味しそうだった「IL TROVATORE」へ行きたいので、通り道なら、と決めた行程。
でも、荷物預かりやロッカーがないということだったので、一抹の不安はあるも、
行けばなんとかなるかな??なんて淡い期待も抱きつつ、ミラノから1時間強でパルマに降りる。
小さな駅、トイレと鉄道警察の横に、ロッカーがあるも、使用禁止(金額表示はリラだった)。
荷物預かり所もなく、噂どおりの展開。仕方ないので予約を兼ねてレストランで預かってもらおうと
キャリーを転がしながらてくてくと歩いていく。15分ほど歩いたか、レストランは分かりやすい場所に
あったものの、なんと閉まっていて人がいない。開店は19時半。その時点で17時。
地図を見るも、教会などがある中心地まではまだ歩いていくにはだいぶありそうだし、
なんといっても荷物が重いので、もう諦めてこのままフィレンツェに向かおうかというワタシを
「せっかく来たんだから食べて帰ろうよ」と、荷物を置いて着席でき、なおかつ「IL TROVATORE」が
その席から見える、通り斜め向かいのバールを妹が探してきてくれた。

バールに入り、荷物を置かせてもらい、席についてオレンジジュースを頼むと、
疲れも取れて落ち着いてきた。生絞りの赤いオレンジ、でも酸っぱくなくておいしかった。
地元客ばかりの笑い声が絶えない明るい店。ひとりで取り仕切るお姉さんもとても明るい。
途中、トイレに行きたくなって、どうも英語が通じないっぽかったので「トイレはどこですか?」という
イタリア語を調べていたら、その雰囲気を察知したのかカウンターから「トワレット?」と聞かれたので
「スィ」と言うと、ジェスチャーと片言の英語で、外に回って扉を入れとのこと。
言われたとおり、外に回ると「ジー」と音がしたので、施錠を解除してくれているのだと思って
急いで開け、中に入ると、薄暗い中に店のお姉さんが立っていて、あそこよ~と指差してまた店に
入ってしまった。店の扉は廊下の左手にあり、トイレは廊下を挟んで右奥にあった。
電気をつけて用を足すも、のんびりしていたら、電気は時間式だったらしく途中で真っ暗になり
軽くパニックになる。なんとか出てくると、今度はさっき解除してもらったドアがどうにも開かない。
こういうドアは内側からは開くものなのになぁと施錠のボタンなどを探すもないし、押しても引いても
ダメなので、仕方なく、お店の裏口を軽くノックする。聞こえなかったようでもう一度コンコンコン。
最後にはドンドンドンと叩くと、やっと出てきて、笑いながら開けてくれた。
お店に戻っても、お姉さんはツボに入ったように笑い続け、お客さんもワタシのほうを見て笑っていた
ので、ちょっと恥ずかしかった。妹に大変だったんだよと説明しながらも、これもまた良い思い出。


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  • 【3日目-3】 パルマのおいしい親切なレストラン

    1時間ちょっと過ぎたころ、「IL TROVATORE」の明かりがついたのに妹が気づき、
    まずはワタシが行って、19時半に予約が取れるかどうかと、荷物を預かってもらえるか聞くことに。
    店を覗くと、人影が見えたのでノックをすると、カメリエーレらしき紳士が怪訝な顔で開けてくれた。
    まず、19時半に予約できるかどうか聞くと、20時に来なさいと言われるも、食事後フィレンツェに
    向かうので、9:24の電車に乗らなければならない、と言うと、では19時半で良いとのこと。
    次に、駅で荷物を預けられなかったので、荷物を預かって欲しい、と頼むと、問題ないよ、
    よく日本人客の荷物をうちで預かっているんだ、と言ってくれた。話している途中には
    「寒いだろうから、中に入りなさい」と言ってくれたり、親切が身にしみる紳士だった。
    では、荷物を持ってまた戻ってきます、と言い残して妹のもとへ。
    バールでジュース代を払い(ふたりで5ユーロ)、荷物を持って「IL TROVATORE」へ。
    鍵は開いており、中に入ると、先ほどのカメリエーレが荷物を預かってくれ「では19時半に」。
    まだ時間まで50分くらいある。手ぶらなら中心地まで行って帰ってくることもできるだろう。
    寒い中、しかし気持ちは温かく足取りも軽い。幸運なことにドゥオモはまだ開いており、
    中を見ることができた。左右が赤青の対象になる造りになっており内装も立派、妹は感動していた。
    洗礼堂はしまっており見られなかったが、広場で何枚も写真を撮って、
    ホントは観光できなかったかもしれなかったパルマの街を焼き付けた。

    観光客向けのお土産屋などがあまりなく、たまに見かけるブランドショップなどは、
    ミラノよりもだいぶ割引していて、買い物するには穴場だなぁと思いつつ、
    本屋など冷やかしながらも、5分前には店についてしまう。

    店に入っていくと、先ほどのカメリエーレが「ちょっと早いけど内緒だよ」といった表情で
    席に通してくれる。まず、彼がなんとかかんとか言いながら(聞きそびれた)スパークリングワインを
    出してくれて(ランブルスコか??)、ふたりで良かったねと言いながら乾杯。
    ワタシよりも弱い妹は、一口飲んで水に切り替える。辛口の上品なワインだった。
    そしてすぐに、アミューズとしてだろう、ポテトスープが出される。寒かっただろうから温まれ、
    と言いながら出してくれた。コロッケの中身のような素朴な味。それにクルトンとオリーブオイルを
    散らして。バターを使わないでもこんなに優しい上品な味に出来るんだなぁと感心。
    注文は、英語メニューを読んでもなんとなく理解できなかったので、カメリエーレに
    「クラテッロとアスティチェは食べたいの。ふたりでシェアしたいんだけど、プリモも迷ってる」
    と伝えたら、「ではクラテッロとパルマ産生ハムの盛り合わせをそれぞれに、アスティチェはシェアする
    として、プリモは、リゾットなら豚のほほ肉、ラビオリなら・・・」と言い掛けた所で、豚のほほ肉が
    食べてみたかったワタシは、「ではリゾットもシェアしてください」と注文を決定。


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    【3日目-4】 素敵なカメリエーレ

    出てきたクラテッロと生ハム盛り合わせ、しまった~~~こんなに食べきれない。1人前でよかった。
    でも念願のクラテッロ。噛み締めて食べる。噛めば噛むほど美味しく口に広がる。臭みは全くない。
    ウマ~~~。パルマ産生ハム(腿部)も負けずに美味しい。クラテッロ(尻部)との食べ比べなんて
    ぜ~たく~~~。そしてグラツィアさんのレポートのとおり、サクッとしたパンにホイップバターを添えた
    ものを持ってきてくれ(カメリエーレいわく「パネトーネ」)、それにのせて食べるとまたウマいこと!!
    やはり色々な種類のパンも美味しくつまんだりしていたら、なんだかもうお腹がいい感じになってきて
    やばいぞ~まだ前菜なのに、、、そしてもうプリモを持ってきてくれてもいいのに、まだハムが残って
    いるからか、次に進ませてくれない・・・ええい、こうなりゃ~と思って、パネトーネにバターを塗り、
    クラテッロを挟んでティッシュでササッと包み、バックにしまった。それでもハムは皿に残り、
    どうしようかと思案していた所、カメリエーレが通ったので、次の皿を持ってきてくれるよう頼む。

    リゾットは、チーズクリームのリゾット、豚のほほ肉が柔らかく煮込んであって、その煮込んだソースを
    リゾットにかけてある。肉の大きさ、米の多さ、どうみても1人前じゃないんだけど・・・それぞれの皿に
    分けたとはいうものの、ひと皿でたっぷり一人前。やばーい。これ全部食べたら、オマール海老が
    食べられない。でも、、、美味しかったんだこれもまた。。。あ~今これを書いててもヨダレが。
    まだお腹に余裕があるという妹の皿ににせっせと移しながら、なんとかふたりで完食。
    まだ残っていて持って行ってくれない生ハムの皿を横目で見ながら、妹はエビアレルギーのため
    念のため薬を飲んだ。そこへ「(妹は)食べるの遅いね~」とニヤニヤしながらカメリエーレが来て
    「なに飲んでるの?ドラッグ??(!!)」とワタシにウインクしながらブラックな冗談を言い、
    妹も「イエス」とか言いながら笑わせた。

    紙のお絞りやら、蟹を食べるような器具が並べられ、とうとう念願のアスティチェ(オマール海老)。
    ソースは特にかかっておらず、塩茹でのようなカンジ。でもレアなカンジで日本人好み!!
    ミソもタップリでおいしそう~。何も言わずただしゃぶりついた。ふたりでシェアなので海老は半身
    なはずなのにボリュームたっぷり。ワタシは身を食べるともうお腹がはちきれんばかりで断念
    だったけど、妹は下のサラダまで完食。相当おいしかったんだろうなぁ。
    心配していたアレルギーも出ず(オマールは海老の種類でないのか、それとも薬が効いたのか。
    それよりワタシのほうが、実は甲殻類を生で食べるとアレルギーが出るので、少々喉が痒かった)

    やはりデザートを遠慮し、カプチーノだけは飲んだ。小さな皿に入ったチョコチップを入れると
    美味しいよ、と言われ、少し入れると、モカのような味になり、それもまた美味しかった。
    チョコレートやビスコンティ、メレンゲのクッキーなども一緒に出され、お腹いっぱいなので
    チョコレートだけお土産にいただく。
    会計と一緒に、さっき待ちぼうけをしたバールで一生懸命覚えた、タクシーを呼んでください、
    「ミ・キアーモ・ウン・タッシー」を姉妹で言ったら、カメリエーレが笑って、発音を教えてくれた。
    しかも「ミ・キアーモ・ウン・タッシー・ペル・ファボーレ」というとスマートだよとも。
    タクシーが到着し、荷物を積んでくれる。最後に「ぜひワタシ達と写真を撮ってください」と
    言ったら。快く応じてくれた。そのときに奥から出てきたシェフのイケ面だったこと!!!
    これこそお持ち帰りに相当するなと思ったけど、恥ずかしくって、写真を撮ってくださいと
    言えなかった。いまなお後悔。
    お会計はふたりで61ユーロ。絶対また来る!!