12/12/02 00:18

双発機の洋上飛行制限

確かにBoeing777以降の双発機の洋上飛行制限(ETOPS ○☓○)は機体メーカーが試験飛行を繰り返し搭載エンジン別に納入時に取得して納入していましたが、それ以前の双発機は各航空会社が各機及びエンジン別に取得する必要がありました。

つまり、B737,B757,B767,A300B4-600R,A310などの機体は各航空会社が各機体別に取得する必要があり、同じ航空会社の同じ機種であってもETOPS ○☓(○☓は時間)を取得している機体と取得していない機体が混在するこになります。
航空会社によっては機体にETOPS○☓○とかいてある航空会社もあります。

現在の最長はETOPS 207(207分という意味)です。
現在位置から207分以内に着陸出来る滑走路があればいいと言う意味です。
何故このような半端な数字かとそれまでの最長ETOPS 180では太平洋横断で最短時間の飛行ルート制限がかかるために、アメリカ側がゴリ押ししたものです。

時間以内に着陸可能な滑走路があればいいので、着陸後の事は考慮されていません。
以前旧COのEWRかIAH行きがミッドウェイに緊急着陸して、その後大変だったことがありました。

飛行機は何も問題なく目的地に到着した場合に残燃料の規定もあります。
逆に言えばこの規定を満たしていれば良いわけなので燃料の搭載量もこれで決まります。
燃料を10%多く搭載しても機体重量が重くなり、燃費が悪くなるので10%長く飛べるわけではありません。

以前は北半球冬季に予想以上の偏西風が強くて札幌や仙台にテクニカルランディングすることはよくありました。
これは偏西風以外にもし何かあって上空待機等で燃料不足を考慮してのテクニカルランディングするケースもありました。

NHのエンジンはR&Rですよ。

つい最近もNHのB787が機体トラブルでキャンセルになり、悪いことに羽田行き最終便で乗客が空港で野宿しましたね。
B787は就航前から就航後もトラブル続きで避けたいですね。

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1件のコメント

  • 3時間27分もですか。

    いろいろありがとうございます。
    要するに、太平洋上でエンジン1基で3時間半飛べる範囲に空港が
    あればOKという凄い規定ですね。
    これが新規就航の機体にも適用されてるわけですか。
    米国行きには、何度も乗ったことありますが、
    西海岸行きでも太平洋の真ん中でなく、北側を飛ぶ印象が強いです。
    そうなるとミドウエイも当てにならないし、
    かなり不安ですね。

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    12/12/02 09:28

    飛行ルート

    飛行機には目に見えない飛行ルートが決めれられていて、管制官の許可により高度変更等が出来ます。

    地図ではなく地球儀で見ないと2地点間のほんとの最短距離が分かりません。

    飛行機と地上を走る自動車との大きな違いは実際の飛行距離より飛行時間により燃費が変わってきます。
    太平洋路線ですが東行きは遠回りしても偏西風に乗り最短時間で飛べる飛行ルート選択します。
    双発機でこの飛行ルートを選択するためにETOPS 207が必要になってきた為にヨーロッパ(JAA)の反対を押し切りアメリカ(FAA)が認めさせた時間です。
    この為偏西風に押されて飛行速度<対地速度になり対地速度は音速を超えることになります。
    旧NWのエアショウでは運航速度と対地速度の両方が表示されていました。
    逆に西行きは偏西風の影響を出来るだけ避けて、最短ルートで飛ぶことが最短時間に近くなるのでアリューシャン列島付近を飛行することになります。

    飛行ルートには政治的な要因も多くあります。
    例として日本からの北京等の中国線は朝鮮半島を避けて飛行するために一旦南下して北上すると言う遠回りルートで飛んでいます。

    過去NHがこのETOPSを悪用してシベリア上空でエンジントラブルからエンジン1機停止状態の片肺飛行で途中に緊急着陸出来る空港があるのに成田まで飛んできた事があります。
    当該便にプロゴルファーの○川○氏が乗っていたこともあり、ニュースが大きくなりました。

    飛行機はエンジン1機停止状態(4発機ならエンジン3機で、3発機ならエンジン2機で)で安全に離発着・飛行出来るエンジンの総推力が必要になります。
    つまり双発機のエンジンは1機で総推力がまかなえる大推力エンジンです。
    運航に必要推力はB747-800 > B777-200LR/300ERですがエンジン推力の合計はB777-200LR/300ERの2機のエンジンの合計の方が大きいのです。
    逆にいえば双発機はそれだけ無駄なエンジン推力が必要なのです。

    B787ですが、機体部分の多くがプリプレグ(炭素繊維やガラス繊維を織り込み薬品等を混ぜたもの)と言う複合材を形成して焼き固めたもです。
    身近では釣り竿やゴルフクラブで使用されていますが、飛行機用とでは1メーター単位で金額の桁が違います。
    F1などでも多用されている素材です。

    金属より軽く強度はあるのですが、もし機体の一部が損傷した場合金属なら補強等でまかなえますがプリプレグは全取り換えが基本になります。
    劣化の問題等これから未知の部分が出てくると思います。
    まあ、旅客機より戦闘機に先行使用されてきた素材なので機体メーカーにはデーターはあると思います。

    エアバスもB787の対抗と機種としてA350を開発中です。
    元々複合材多用はエアバス社の方が先行していました。