退会ユーザ @*******
06/01/14 16:49

5 ぼったくり方を親から学ぶ子供たちをどう思いますか?

5 ぼったくり方を親から学ぶ子供たち
 西岸を巡るツアーが確か3時ぐらいに終わったので、徒歩で東岸のルクソール博物館とルクソール神殿とまわることにする。
 ルクソール博物館の方へナイル川沿いを歩いていると、馬車に乗らないかとしつこい勧誘にあう。ルクソール神殿は夜ライトアップされているところを見たいので、結構時間が余る。街を一周して値段は1ドルという。本当に1ドルかと確認すると、戻ってくるのではなくルクソール博物館に行くのであれば2ドルだといってきた。100メートルぐらいしか変わらないのに! ま、100円の差なので、結局2ドル(10ポンド)で合意して乗ることにする。
 そのおっちゃんが御者として案内するのかと思っていたら、おっちゃんの子供(といっても10代後半ぐらいか)が御者として案内することになった。その子供は、礼儀正しくしっかりしている。一人だったので、客席ではなく御者の隣に座りながら雑談を楽しんだ。途中、パピルスの店による。御者は店からお金を後でもらうのだろう。途中、何人かの子供が金をくれと馬車によってきたが、それは相手にしなかった。せっかくいろいろ楽しく話したこの少年と喧嘩をしたくないので、運賃については、前日使った手をまた使おうと考えていた。前日はギザで1ドルという約束でろばに乗った。降りた後、倍の「2ドル」を渡そうとする。すると予想通り「More」といってきた。私は、ちょっといやな顔をした上で、1ドルで合意したよねといって1ドルだけ渡す。そうすると、2ドルでOKだから2ドルくれという。残り1ドルもあげて円満解決。今回も最終的に倍の20ポンドやることによって不毛な交渉を避けようと思っていた。馬車は車よりかなり高い場所からみてまわれるのでかなり気分がよく、私にとって20ポンド以上の価値は十分あった。
 降りるときになりお金を出そうとすると、50ポンドだといってきた。お父さんは10ポンドだといっていたよというと、こんどは「10ユーロ」だと主張し始めた。円満解決を考えていた私だが、しらじらしい態度を続けることに腹がたち「10ポンドと言ったじゃないか」と怒鳴る。少年はあわてて何度も謝罪してくる。もっとも、謝罪しつつも、ちょっとだけでも上乗せしてもらおうと馬へのバクシーシだとか、いろいろ言い始める。10ポンド渡した上で、「10ユーロなんていわなければ、20ポンド払うつもりだったのに」と言う。少年は謝罪を続け「悪かったから、あとの10ポンドをくれ」と懇願し続ける。「もう遅い。うそつくな」と怒鳴りつけて馬車を去った。
 何とも後味は悪い。その日は、何とか自分自身を盛り上げようと必死に努力したが、結局一日中気分が悪かった。その少年が一生懸命仕事をしていたことに好感をもっていたからなのだろう。だからこそ喧嘩はしたくなかったのに、、、。少年は親から「ぼったくる」ことを学んだのだろう。親のやり方に逆らう余地があるとは思えない。一生懸命仕事をしても、最後は客と喧嘩するか恨まれて別れる。これほどやりがいのないことはないだろう。そして、子供であるのにすでにトラブルになることに慣れていたような対応であった。何度も謝罪はしているが本当に反省している様子はない。
 馬車は30分5ドルの均一料金でやってもそれなりに客はとれると思うのだが、それを無理に1ドルとか2ドルと言うからあまり儲からないし、乗車後にふっかければ喧嘩になる。そんな親のやり方を学ばされる子供は、自分も同じ人生を送りたいと思うのだろうか。何十年も毎日毎日観光客を騙し続ける。
 後味の悪さから、博物館を出たときにもし少年がいたら、やはり10ユーロプレゼントして、いつか、転職するチャンスがあれば転職しなよとでも言いたい気分だった。しかし、その少年を見ることはなかった。
 と、以上のように、当日はいろいろ考えさせられ、UNの関連機関に子供の人権侵害を投稿しようと真剣に考えた。しかし、今は冷めてしまった。まず、彼が本当に親からぼったくりを引き継ぐ以外の道がなかったかはわからない。彼自身がぼったくり人生を選んだのかもしれない。10ユーロは通常のエジプト人の月収の1割以上ではないだろうか。彼らは生きるためにやむをえずぼったくっているのではなく、楽して儲けようとしているだけかもしれない。気の毒な人たちなのか、同情の余地のない人たちなのか、今でもわからない。いずれも、つまらないぼったくりで自ら客を遠ざけ、仕事がない客待ちの馬車が延々と並ぶルクソールの街。三千年前に世界の最先端をいっていたテーベの面影はそこにはない。

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1件のコメント

  • 今、目の前にある現実

    まず、はじめに辛口なところから言わせていただく。

    『転職するチャンス』などと軽々と無責任に言うものではない。
    (では、あなたは『目の前でおきている現実』に何をしてあげれたのだろうか?具体的なアイデアは何か?子供の人権侵害が起らないようにするために、その子供の親に充分といえる対価を支払う覚悟はあったのか?)

    そもそも『ボッタクリ』という定義は何か?
    (アラブビジネスは大真面目に『ふっかけている』ので、慣れないと面食らってしまうのですよね。チップセンスの問題もありますし・・・)

    なにはともあれ、あなたは少し後悔されておられると思うし、そのシュチエーションを楽しんでいただけなかった事は残念でならない。
    (私の場合は想定範囲内なので、『おぉ、来たか!』という感じでニヤリとしてしまうのですよ)

    なお、ルクソールのあのあたりは最貧民の方が多いのです。
    ましてや、馬車の方々は観光客のみが唯一の収入源で、非常に不安定な職業ですよね。

    まあ、他の内容はエジ的には満点(充分、今のエジプトを味わられた)ではなかったでしょうか。

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    退会ユーザ @*******
    06/01/16 14:10

    コメントありがとうございました。

    確かに、おっしゃるとおり『転職するチャンス』というのは軽々しくいうものではないですよね。そう言うチャンスがなくて良かったです。
    当日は結構後悔というか後味の悪さを感じたのですが、今は怒鳴って別れてそれはそれでよかったんだと思います。「ぼったくり」という言葉は誤解を招く表現だったかもしれません。ただ、何だかんだいっても、合意した額や説明した額の5倍以上も請求するのはルール違反だと思います。だから、「More」というぐらいならば許せるのですが、10ポンドを10ユーロ(あるいは10ドル)だといったりするのは、普段英語を使う機会が少ない人だと当初の10ポンドが聞き間違いでないという確信をもてなかったり、反論するだけの勇気がなかったりして諦めてしまう可能性もある以上、「騙そうとするとは上等だ」という意味で怒ってもよいシチュエーションだったんだと思います(もちろん怒らなければいけないという訳でもないけど)。もともと、子供の人権侵害を防ぐために余分に払う気はなかっただろうというのは、そのとおりですが。
    あの辺は最貧困地域でしたか。治安がそんなにひどいようには見えなかったので、普通の街なのかと思っていました。テロの後はすごい大変だったんでしょうね、、、。
    エジプト旅行は、この一件も含めて、とてもいい思い出です。遺跡とかを見るだけでなく、少しでもいろんな人と接した方がやはり旅行は面白いので。

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