退会ユーザ @*******
06/01/14 12:09

2 ワゴンリー

2 ワゴンリー
 ワゴンリーらしき列車がホームに入ってくる。今度こそ本当にワゴンリーらしい。時間的にみても他の列車ということはないだろう。ワゴンリーではドアごとに車掌さんがたって切符をチェックしてくれるようだ。自分が乗る号車の車掌さんに切符を確認してもらい無事乗車。私のような素人旅行者は列車に乗るのすら苦労する。なお、この時点ではアラビア語は数字すら読めずアラビア語の掲示を読むことをまったくあきらめていたが、数字だけでも読めるようになっていれば、駅の掲示板で何番線か多分わかったのだと思う(文字は読めないので勘も必要だが)。後日鉄道を使ったときは、掲示で確認したあとに、駅員に確認するようにした。なお、ルクソール方面の夜行列車は複数あるようなので、駅員に聞く場合には、ルクソール方面という聞き方はせず、切符を見せながら列車番号をはっきり言って聞いた方がよいと思う(また、多分ワゴンリーも複数あるので、ワゴンリーだけだと特定できない可能性がある)。
 ワゴンリーの車内は、あらかじめ他の人から聞いていたとおり、そんな豪華な印象はない。ただ、シンプルだけど特に車内は汚いという印象はないし、個室なので防犯にあまり気を使わなくてすむ(もっとも、おそらく外から鍵がかけられないので、お手洗いには最低限の貴重品は持っていった)。値段も一人用の場合70数ドル(食事を含めすべて込み。ただし飲み物は別)で、日本人の感覚からすれば手ごろであり、悪くはない移動手段だと思う。航空機だと高いし、昼間の電車だと一日つぶれかねないので、特に短期の旅行者には便利だ。ただ、他の夜行列車を使えば、けっこう節約できるらしい。
 冷暖房は部屋ごとに調節できるようになっていたので、暖房を最大にしたが、それでもちょっと寒めだった。寝るのに支障はない程度だったが、寒がりの人は少し余分に服を持っていくとよいだろう。
 カイロ駅を出てしばらくして車掌が夕食を運んでくる。豪華というより量が少し多めの機内食といった感じ。雑食性で何でも食べる私であるが、残念ながら味は好みにはあわなかった。トレーにしかれている紙にドリンクのメニューと値段が書いてある。駅で買うよりは高いので駅で買っておいた方が得なのは確かだが、やはり日本の物価水準からするとたいした額でないので、買い忘れても落ち込む必要はない。ビールやワインもある。値段はエジプトポンドで書かれていた。エジプトポンドが不足気味だったのでドルで払ったが、20ドル札であったせいで、お釣りを用意するのが大変だったようだ。少額のポンドを用意しておいた方が無難だ。
 何時にルクソールに着くのか確認してなかったので、車掌さんに聞いたところ、すごい早朝だということがわかる。さらに、その一時間前に朝食を運んでくるという。終着駅のアスワンまで行くプランにすればよかったと後悔するがもう遅い。寝不足でルクソールをまわるのもいやなので、目覚まし(携帯電話)をセットした上で、早めに電気を消して寝ることにする。
ーーーーーーーーーー
 朝、目覚ましの音で起きる。だけど、眠い。それでも何とかおきる。ところが、朝食の時間になってもまったく音沙汰なし。30分以上すぎたころになって、やっと車掌が朝食を運んでくる。遅れたことについての説明はない。早起きして損した。理由は知らないが、列車自体遅れているらしい。やはりあまり好みにはあわない朝食を食べる。なお、朝食のコーヒー、紅茶は料金に含まれていたと思う。朝食のトレーを片付けにきたとき、ルクソールで降り損ねないよう車掌に到着予定時間を聞いたが、どうやら到着直前に車掌が個別に知らせにくるシステムのようで、あまり気にすることはなかったらしい。なお、車内放送はない。
 車掌は、私が日本人とわかると、チップを要求してきた。無駄に早くおきて機嫌の悪い私は2ポンド(約40円)だけあげたら、日本人はだいたい1ドルはくれるんだとさ。チップを要求する人には最小限にしかあげないのが私の主義だが、車内では車掌しか頼れる人がおらず不親切にされたらいやなので、やむなく1ドルあげた。はじめにあげた2ポンドを返そうとするので、それもあげるよと言うと、すごく嬉しそうだった。何か憎めない。
 降りる用意をしていたら、「地球の歩き方」がどっかにいってしまったのに気づく。これは困ったと思ったが、Lonely Planetはあるからいいやということでやむなく(泣く泣く?)あきらめる。
 車掌さんが呼びにきたと思ったら、もう列車はルクソールの駅についていた。駅名の標記はアラビア語とアルファベットの双方が書かれている。まだ真っ暗のルクソール駅に降りる。
 (次回は、いよいよ全く無計画で乗り込んだルクソールでのエピソード)

  • いいね! 0
  • コメント 1件

1件のコメント

  • 退会ユーザ @*******
    06/01/16 17:16

    3 ツアー選び、ホテルで休憩

    3 ツアー選び、ホテルで休憩
     ルクソールの駅についたのは6時ごろ。まだまだ暗い。当初は、駅で明るくなるまでガイドブックでも読みながら時間をつぶし、明るくなったら散歩をしながらルクソール神殿(結構朝早くからやっている。ルクソールは営業時間が長い遺跡があり、時間を有効に活用しやすい。)など東岸の遺跡に徒歩で行こうという程度の計画だった。
     ところが、駅舎には待合室らしき場所は見当たらず、店はもちろん椅子も見当たらない(ホームにはある)。突っ立っていてもしょうがないので、当てもなく駅の外に出る。「TAXI、TAXI」の声に囲まれるが、さしあたり徒歩の予定なので断る。ところが、一人、どういう計画だと盛んに声をかけてくる人がいる。断ってもついてくる。彼の英語が訛りが少なく比較的聞き取り易かったのと、暗い中一人で当てもなく歩いてもしょうがないので、あっさり折れて話を聞くことになる。駅前のちょっとした喫茶店のような場所で話を聞くことになりついていく。
     紅茶を飲みながら話を聞く。最初はタクシーの運転手かと思っていたが(だからこそ英語が聞きやすいことが魅力に見えた)、ツアーの勧誘でエージェントらしい。ドライバーのほかにガイドがいて、各遺跡について完全なガイドを受けることができるといった説明を受ける。いずれにせよ西岸は足を確保する必要があり、悪い話ではない。料金を聞いてみた。そもそも相場をちゃんと調べてこなかったので、どれくらいふっかけているのかわからないが、結構高く感じる。いずれにせよ、ゲームは始まったので、「高すぎで無理じゃないかな、ごめん」といったリアクションを見せ、大幅に低い金額を提案してみる。日の出の時間になったためかコーランが聞こえてくる。なかなか先方は下げてこない。眠い頭はあまり働かず、結局ちょっとしか値切らずに妥協してしまう。旅行中の頭は予想以上に働かないので、妥協する前に少なくとも10秒は頭を冷やして考えるべきだというのが今回の旅行の教訓。即答する必要はどこにもないのだ。
     料金を支払う前に、他に料金がかからないことを何度も確認する。何度も確認することを失礼だと思う必要はない。所詮、どちらも英語はかなり?なんだし。ガイドのチップまで込みだそうだ(ガイドはそう説明されていることを知っているのかな? 何度要求してももらえなくて不満そうだったけど)。
     ツアー開始まで2時間ぐらい時間がある。彼は、ツアー開始まで知り合いのホテルで休まないかと提案してきた。いくらか聞いたら「あなたが決めること」という回答が返ってくる。そもそも、全く知らない人についていくこと自体安全なのかわからないが、今回の旅行の「安全」に関する基準は「死ななきゃいい」に設定していたので、好奇心優先で彼の提案にのってみることにした。
     部屋に案内される。休む分には悪くはないが、浴室にはちょっとこだわる私としては泊まる気まではしないだろう。彼にいくら渡せばよいか見当もつかないが、(自分としてはかなり)多目に渡しておいた。いずれにせよ、時差と早起きそのほかもろもろで疲れた旅行者には、気の効いたサービスだ。
     部屋を出るときに彼に感想を聞かれので、「よかったよ」というと、またお金を要求してきた。さっき十分渡したじゃないかと拒否。彼は、それは全部ホテルのオーナーに渡してしまったという。ただ、私が「予想外のお金がかからない」ことを重視している(金銭にからむことはしつこく確認する)ことを認識していた彼は、ほどなく諦めた。「自分が逆の立場ならば全部オーナーにあげたりしないぞ、、、」と思ったが、彼は諦めたあとも不満そうだったので、本当に全部あげちゃったのかも?

    • いいね! 0
    • コメント 0件