ドイツでローマ式が一般的でない?

べつに珍しくもないだろ。バーデンバーデンのフリードリッヒスバートでも、アーヘンのカルロステルメでも、ベルリンのオイローパセンターでも、ミュンヘンのエルディンクでも、ドイツの温泉は、圧倒的にローマ式だ。なかでも、ウィスバーデンは、いまでも格別。

基本的に、ローマ式は、大人の社交場。16歳以下は入場禁止。それも、オペラなどと同様、お客は地元の常連で、ずっと夫婦同伴で動くのがふつう。個人や友人で旅行に行く日本の温泉のイメージを持ち込むと、かなり間違っている。

一方、近年は、たしかにサウナ併設で、家族向けの水着着用の温水プールも多い。テルメと言っても、温泉ではなく、ゴミの焼却熱を使っていたりする。バートホムブルクは、かつては歴史ある保養地だったが、フランクフルトの住宅地に浸食されて、温泉プールに改装してしまった。

ただ、家族向けのプールでも、たいてい日光浴できる大きな芝生のガーデンとつながっていて、夏場は、あいつら、親子づれから学生たちまで、かってにみんなマッパになっちまう。つまり、プールエリアでは、水着は着用してもいいが、しなければいけない、ということではないらしい。だから、ローマ式で女性限定日というのは聞いたことがあるが、むしろプール式で全裸限定日などというのは聞いたことがない。

米国人が日本の風呂でとまどい、日本人が中国のトイレでびっくりするように、ドイツの温泉は、日本の温泉と同じものじゃない。(もっとも、日本も、江戸時代までは、なんでもありだったそうだが。)日本だって、日本語の通じない米国人が秘湯にやってきて、米国式に中を石けんの泡だらけにされたら、たまらんだろ。くつろぐ場なんだから、じゃまするもんじゃない。ヨーロッパは、そもそも、裸、肉体、というものに対する日常感覚が違う。裸体像が平気で街中に立っている国だ。まあ、そこがおもしろいとこでもあるが。

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1件のコメント

  • ドイツでローマ式が一般的でない...

    とは言っていない。よく読んで下さい。Bad Homburgでも,Keiser-Wilhelms Badにはローマ式があります。ただ,全裸混浴は日が限定されている,と言っているのです。

    欧州滞在経験があるからと言って,あまり偉そうにしないの。不愉快。

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