それはそうだが

実際、いろいろたいへんなのよ。

とくに市販薬なんか、日本の風邪薬とか、熱に効く、のどに効く、鼻に効く、って、繊細でね。むこうは、いまだにアスピリン総合感冒薬みたいなのだけだもん。あとは甘草の飴なめて、風呂入って、寝ろ、仕事は休め、でおしまい。まあ、医学的には、薬で治るわけじゃなく、ただ症状を抑えるだけだから、と言われても、その症状がつらい。ああ、薬さえ買えれば、と江戸の貧乏人のような気持ちになる。

化粧品も、そう。日本のものの方が海外でも高級品とされている。まして、色なんか、むこうのものが日本人に合うわけがない。刃物も、貝印が一番の高級品。まあ、刃物くらいなら無くても済ませられるが、医薬品と化粧品は、合わないったら合わない。うちの子なんか、向こうの基準で６種混合ワクチンなんていうえらいものを打ったら、それから１週間、えらい高熱を出して大変だった。

まあ、完全未開封のメーカー品だけなら、これを機会にちょっと文通でもして、おともだちになって、いろいろ向こうの事情なども聞いて、そのおともだちへのおみやげということでいいんじゃないの？　当然、おみあげをとどければ、街の案内なんかもしてもらえるだろう。ただ観光旅行をするより、まだ顔を見たことがなくても、遠い街に知り合いがいて、そのともだちに会いに行く、と言う方が何百倍も楽しいと思うけどな。