ローマ式だからやめておけ

まず、ヴィズバーデンではなく、ウィスバーデン。ウィーンと同様、濁らない。

温泉に入った後では寒くなる、なんて言っているなら、ここはおすすめしない。温泉と冷泉を出たり入ったりして、日本みたいに暖まる温泉じゃない。

ローマ式、となっているところは、歓楽用。いちおうコースは決まっているが、治療の連中はまずいないから、どの順番でもかまわない。カジノと並んで、金持ちの社交場。空港のビジネスクラスラウンジみたいなもの。時間６オイロで、温泉だけなら、２，３時間くらいか。でも、多くの客は、裸でビールだの飲みながら、一日、中でダラダラやっているところ。地元に別荘を持っているわけでもないのでもない日本人観光客が行っても、また日本人ののぞき見が来たよ、いいかげんにしてほしいよなぁ、などと、かえってじろじろ見られるだけだと思うが。（館内は男女とも完全マッパだ。）

まあ、あっちの温泉に慣れているなら、とにかく歴史のある高級温泉だし、うるさい「庶民」も入ってこないので、旅の疲れも癒やされ、よいところだろうが、温泉にはそれぞれにローカルルールがあって掲示が出ている。ドイツ語はまったくだめ、などと開き直って平気なずうずうしい観光客は、まちがいなく激しく嫌われる。

というわけで、ローマ式は、手ぶらに決まっている。サウナに敷くタオルはレンタル。観光客なんだから、なんにでも好奇心を持つのは当然ではあろうが、地元には地元のルールがある。日本には身分制もなく、かなりの傍若無人でも、お客様は神様、で、なんでも許されると思っているが、カジノのような、それなりの格式の社交場に出入りするには、それなりの身の程が求められる。ドイツ人でも一般の「庶民」は行かない、行かれない（金額の問題ではない）ところに、地元語も、国際英語も、フランス語も、ロシア語もできないやつがクビを突っ込むのは、良識を疑われるだけ。