太陽十字

専門的な話をすると、丸の中に十字がおさまっているの、日本で言う島津家の家紋「丸十」は、太陽十字、ゾンネンクロイツと言う。これとケルト十字はまったく別物。

経緯からすれば、太陽十字の方が、仏教(左巻き)やナチス(右巻き)の鍵十字は、同じ由来を持っている。一方、ケルト十字の方は、四大(気(光)・火(温)・水(雨)・地(実))を表し、これらが絡みついて、その四大の融和愛を示している。だから、丸の中に描かれた「矢十字(ファイルクロイツ)」と互換性がある。石標では地支だけが下に長く伸びて、いわゆるキリスト十字風になる。ただし、本物のケルト十字は、網縄文様が入っていなければ意味がない。

じつは、第二次世界大戦中、ハンガリーでもドイツナチスと連携する極右政党ができて、これがまさに矢十字党。ユダヤ人10万人近くを処分している。後になって、みんな歴史を消してしまったが、フランスやオーストリア、チェコ、英国、米国などでも、当時は極右政党が跋扈し、連中は、ドイツナチスの鍵十字よりも、この矢十字を広く好んで使っていた。当然、戦後、この矢十字も、鍵十字とともに、ヨーロッパでは広く禁止され、いまではほとんど忘れ去られている。

というわけで、いまのネオナチのケルト十字は、鍵十字ではなく、矢十字の方の伝統を引き継いでいる。実際、矢を丸の外側につけているものもある。(ネオナチは、かならずしも純血ドイツ人ばかりではなく、むしろ東欧系の貧窮流入移民を数多く含んでいる、というような事情がある。)

ついでながら、オダールと呼ばれるマークもやばい。これは、ルーン文字のOに当たるもので、ドイツナチスの親衛隊の人種移住本部の連中が使っていた。このため、かつてのユダヤ人へのいやがらせの黄色いダビデの星のように、イスラム教施設だの、トルコ人の店だのに、このオダールのタグをスプレーするやつが跡を絶たない。

http://www.islamophobia-watch.com/islamophobia-watch/2012/8/1/french-mosque-defaced-with-nazi-graffiti.html

さらに、しっぽが跳ね上がっているオダールは、ヒットラーユーゲントが使っていた。近年は、ヒットラーユーゲントを模したネオナチ配下のヴァイキングユーゲントの連中が使っている。これは、タグよりも、キーホルダーなんかで、身つけていることが多い。おっさんたちのネオナチほどの政治性さえも無い、たんに粗暴な若者の与太愚連隊。

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1件のコメント

  • Odalとケルト十字は要注意ということですね。

    Odalとケルト十字は要注意ということですね。

    町中で見たら走って立ち去れという警告だと覚えておきます。
    ありがとうございます。

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    Re: Odalとケルト十字は要注意ということですね。

    無限ポンダさん、こんばんは。


    ドイツ国内だけじゃなく欧州全体が悪い空気に包まれているよ。
    地区住民とマークチェックを無意識自動的にしないといけませんね。