Re: 母と娘二人旅行

私の今までの人生の中で後悔しているのが、父が「昔捕虜として暮らしたカスピ海の港町までシベリア鉄道でいっしょに行こう」という旅行の誘いを断ったことです。

当時父は、従業員10名程度の中小企業の社長(林家一平の・・・馬鹿タレ・スケベ社長クラス)で、「金は出すから、一緒に昔貨車で行ったカスピ海の港町に行こう」と誘われたけど「飛行機なら行くけど、シベリア鉄道では片道でも時間がもったいない(毎日同じ風景を見て移動手段に封じ込められるのはお断り)」・・・親父が死んだのは今中2の息子が生まれる1ヶ月前。

家族旅行でヨーロッパに行くときにはシベリアの上空を飛ぶ・・・暗闇の中にガス田の炎が見える。
親父は、ダワイ・ダワイ(開放・開放)と騙されて床にトイレ用の穴の開いた貨車に乗ってはシベリアを転々とした・・・その中にはあの有名な「暁に祈る」という日本人同士で凍死させた収容所の隣にいた事さえあった。あのとき行ってやったらよかった・・・と思い出すたびに、飛行機から見えるシベリアの氷原や炎に涙が溢れた。

氷ったウンチをツルハシでこわして運ぶ仕事をすると、黒パンがその分多くもらえて・・・でも暖かい場所に戻ると氷が溶けて臭くて臭くて・・・と今の私のように水割りを飲みながら壊れたレコードのように何度も聞かされた。

・・・親が生きているうちに、同行してやってください、後悔しないように。

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