バカ言え、油彩のサイズはフランスで出来た国際規格だ

18世紀以前の板絵やフレスコでもあるまいに、この百年来、画家にしたって規格外のキャンバス枠を買う方が難しい。

ほんとうにフレームのサイズがおかしいなら、それは、なにかおかしな事情がある場合。一つの絵を複数に分割した、作品が破損・汚損して残りの部分を生かした、サインを切り捨てた、見習いが描いた模写習作をそのまま売っぱらう(模写はサイズを変えるので、全体が半端なサイズになる)、等々。その事情がわからないなら、へたに手を出すようなものじゃない。

とはいえ、フランクフルトなど、良い画廊は多い。見る目さえあれば、有望な若手の、よい作品が手頃な価格で手に入る。しかし、それは目利きかどうか、による。表通りの観光客相手の店では、クズみたいな二束三文の風景画を、ムダに高い高級木材枠じゃなきゃ入らない、見栄えが悪い、とか言って、利幅のでかい額縁の方を売りつける。ゴッホの時代からの(日本でもよくある)画廊の常套手段だ。

というわけで、美術系の学生でもないのなら、絵画は、やめておいた方が無難。留学生なら、ふつうにまず本を買えよ。

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2件のコメント

  • ところがドッコイ、先生様・・・

    純丘曜彰教授博士どの

    ・・と思われるのは当たり前ですが、そこはそれ極東の不思議国ミズホの国でござんして、キャンバス規格は日本版、フランス版になんと国際規格と3種類あります。

    もちろんそれぞれ人物、風景、海景、正方形の4種類にそれぞれ勝手に作る規格外があるのは当然としても・ ・。もっとも大きな額縁屋さんに行かないと日本規格でも全種類(4種類にしても)は揃いませんが・・。

    何でこんなことがおきたのかは聞くところによると、日本版は最初の規格寸法を尺寸で取り入れたのが、戦後になってのメートル法の際勝手に尺=33センチの端数切捨てにしたため微妙に狂いが生じたんだとか・・。

    いかにも日本的な事情で嬉しくなりますね。 フランス規格と国際規格の差は微妙で多少の調整ですむとか・・、これもいかにもフランスらしい・・。

    ということです。

    バカ言え・・といっても多分こっちは絶句ですね、センセ!。



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    おやまぁ、びつくり! 絵を描かずに恥を描いちまった

    じつは、うちの両親はともに画家だ。画材でも、木枠でも、キャンバス地でも、家にいくらでも転がっていた。自分も、高校生のころまで、美術大学に行くつもりだった。が、言われてみれば、高校生のころに親が張ってくれた杉枠(それこそF10が多かった)は、立てかけると、親たちが使っているのより、たしかに小幅だった印象が。。。自分たちは高級輸入木枠を使っていて、私には安い国産をあてがっていやがったのだな。まあ、技量からすれば当然か。

    それにしても、F10だと、2cmも違うじゃないか! ひでえな。これじゃ、向こうで買った絵は、たしかに日本の既成額縁には入らんかもしらん。版画ならマットでごまかしもきくが、木枠じゃ、それこそ絵の方を切り詰める、なんていうバカなことになる。額縁を特注だの輸入だのしていたら、価格も木枠の比ではないから、高くついてしかたがない。

    ようやく書類が、小学生まで国際サイズのA4だ、ランドセル(日本の奇妙な習慣だが)も大型にしろ、っていう時代に、こんなしょーもない話が、すぐ目の前に残っていたとは、びつくりだ。いまさらながら勉強になったぜ。ありがとう!

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  • Re: バカ言え、油彩のサイズはフランスで出来た国際規格だ

    純丘曜彰教授博士さん、おはようございます。
    教えていただきありがとうございます。

    私が購入しているものは、2万円以下のお土産絵画です^^;思い出に♪
    専門家の方は絶対買わないですよね^^;

    こんな感じです。
    http://canvasframe.net/
    “海外旅行の記念にお求めになられた油絵。お持ち帰りになって、
    いざ額装して飾ろうと思ったら入る額縁が無い…。絵画の規格寸法が
    国によってまちまちなため起こってしまう現象です。”

    もしかすると私は、日本のお店で規格がないと騙されたのでしょうか(>_<)
    よろしければ教えてください。どうぞよろしくお願いします。

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