その5 パレルモの市場は楽し 翌朝、鉄道で海岸沿いの道を走り、パレルモへ。 宿は、まだチェックインの準備が出来ていなかったので、 荷物を預け、前回行くことのできなかったバッラロの市場へ。 野菜や魚介、肉、乾物やオリーブオイル漬けなどの食品屋がずらずらと並び、 日本同様、喉を潰した魚屋のオッチャンの威勢のいい呼び声が響きます。 味噌のように見える、トマトペーストを売っている店があり、 味見をさせてもらったら、けっこう料理に使えそうな感じがしたので買いました。 この市場は、食べさせてくるところは見当たらなかったので (時間が早すぎて、まだ屋台が出て来ていなかっただけ?) ヴッチリアの市場を見に行くことに。 その途中、マルトラーナ教会に寄って、素晴らしいモザイクを見ました。 帰国後、ちょうど発行されていた芸術新潮のシチリア特集に 見てきたばかりのモザイクの数々が紹介されていて、なんだか嬉しくなりました。 そしてちょうど昼頃ヴッチリアの市場に。 夏に行ったときは、時間が遅すぎたのか、店は半分以上閉まり、 食べさせてくれる屋台も見当たりませんでしたが、 この日は市場の中のちょっとした広場に台を広げて、 その場でタコやイカを茹でて食べさせている店がありました。 う~ん・・・しばらく躊躇。 大きなパリバケツにいくつも水を汲んで、それでお皿を洗っているし、 そのお皿の水がよく切れていないし、衛生上はどうなのか?・・・ でもねぇ、美味しそうに食べている現地の人たちを見ていたら、やはり我慢は無理。 蛸を半身いただきました。 茹で上げたものをサッサッサッと切ってレモンを搾るだけ。 ああ、美味し~い。この歯ごたえ、タコの香り。 と、私の隣に大きな墨イカをオーダーした人がいます。 この墨イカ、茹で上げたものの誰も買わず、冷めかけてきたので 店の人がこの知り合いの人に安く売ったもよう。 ササッと切って上手に混ぜると、たちまちイカのイカ墨和えの出来上がり。 美味しそう・・・ 一緒に店の人もつまんでいます。 どうやら、私の美味しそう光線を隣のオッチャンが感じたらしく、 味見するかい?と声をかけてくれました。 迷わず、グラーツィエ! パクリ。 うんま~~~いっ!!! 茹で過ぎてなくて、身が半生状態でほのあったかく柔らかい。 身自体の甘さをとても感じる茹で方です。 それにイカ墨の甘さと香りが加わって、た、たまりません、日本酒ください!って感じ。 ブ、ブオ~ニッシモ!!! と言ったら、 オッチャン、もっと食えもっと食えと、2回も3回も勧めてくれます。 勧められるままに、口が黒くなろうと何だろうと食べるんです、私は。 だって本当においしいんだもの~。 シチリア大好き、市場大好き!!! のひとときでした。