JR線「あけぼの」利用雑感 数少なくなった夜行列車。上野発青森行寝台特急「あけぼの」大宮-弘前、ゴロンとシート。 奥羽本線経由の名門列車だった「あけぼの」も山形新幹線開設に伴う福島-山形の軌間変更によって、現在は高崎・上信越・羽越・奥羽線経由となっています。 趣味的には新潟・白新線経由でないところが面白いのですが、実際の乗車では山間部の上越線に入るとカーブが多く乗り心地が悪くなります。 「あけぼの」編成は機関車・電源車の次位が8号車のゴロンとシート車、A寝台、B寝台個室、B寝台車と続き最後部が1号車女性専用のレディスゴロンとシート車となっています。 ゴロンとシートというのを説明しておきましょう。 2等船室のような一面カーペットの2段になった床席かと想像していたのですが、実際は25系のB寝台車です。カーテンは付いていますが、浴衣、毛布・枕・リネン類は省略されています。上掛けがないのでバスタオルでも用意しないと夏でも(夏だから?)寒いです。 25系B寝台上段は車窓は全く望めませんが通路上に荷物を置く広いスペースがあります。 ゴロンとシート車は2段式のB寝台と車両は同じですが、寝台料金は不要(指定席特急券)で利用できるので人気があります。乗車しての観察では都会的な雰囲気の乗客が多く薄い鉄道ファンと思われる人が多数。地元沿線が故郷なのか家族連れ。 わたしの下段の客が地元風のおじさんでした。この人は昔からの「あけぼの」ユーザーではないかと思って、列車が秋田を出てからどこまで行くのか尋ねたら、津軽弁のアクセントで青森と。「青森!ですか?」 まったく楽に移動できる飛行機や新幹線、安価で早い交通手段では高速バスがある現在、大回りして時間をかけて「あけぼの」で青森まで行くのはやはり鉄道好きな方かもしれません。 この列車には缶飲料などの自動販売機もありませんし、朝になっても車内販売もありません。停車時間にお弁当を買いに降りることもできません。洗面所に時代がかった冷却水の機械があるのみです。 それも鉄道の旅を味気なくしている一因です。 しかしこの列車を面白くなくしている最大の原因は、主な利用者だった地元の人が姿を消してしまったことではないかと思います。秋田以北は昔の急行「津軽1号」と同じような時間帯を行くのですが・・・。