大学生なら

個人旅行で一番問題となるのは予定外の事態が発生したさいに
対処できる力と気力があるか否かです。当然、日本語以外の国
際語(多くの方は英語でしょう)か現地語です。この場合はイ
タリア語なので、英語ができないでイタリア語ならできるとい
うかたは、日本で教育を受けた人にはまず居ないでしょうから、
英語だけは最低限の力が必要です。これも、「話す」ことに重
点がおかれている最近の教育を受けたかたには、さほど難しく
はないはずです。

大雑把に考えてみると、自分の力で対処せねばならないときは、
空港でのチェックイン、ホテルのチェックイン、鉄道等の切符
購入、レストラン等での注文です。高級なホテルとレストラン
になれば、英語さえできればすべて問題なく進みます。しかし、
家族経営の小規模なところでは、イタリア語しか通じぜず、ス
ペイン語とかフランス語ならなんとか意志の疎通が可能という
ところは少なくないでしょう。本当は、買い物なども含めて、
現地語ができれば良いことは当たり前で、例えば、レストラン
でも店舗でも従業員の対応は違ってきます。しかし、今回は贅
沢は言えません。

上に挙げた点は、何事もなかったさいにも必要な行動です。
これは比較的簡単で、一度経験してしまえば、なんということ
もないでしょう。しかし、人から教わって身につくものではな
く、経験でしか取得できないものでしょう。

何事もなく、計画通りに進めば良いのですが、現実はその通り
には行きません。天候による交通機関の乱れ、災害や事件によ
る混乱、旅行者の病気や事故、さまざまな要因による計画の狂
いがあります。昨年ならば大津波、数年前の欧州での集中豪雨
と今回の豪雪。実際にあとの二つには巻き込まれました。実は
現在、欧州におりますが、途中機材の故障、降雪のための空港
一時閉鎖、到着便の遅れ等により、予定が悉く遅れました。
幸い、数時間の待ち時間がほとんど待ち時間に変わっただけで
無事目的地にはつきましたが、一カ所でも狂ったら大変なこと
になっていました(一日一便しかないとか)。

大規模になるとプロの引率者が居ても対処は極めて困難です。
そこまで行かなくても小規模な問題は必ず生じます。その場合、
経験力がものを言うでしょう。

特にイタリアの場合は、人の行動が日本人的感覚では非効率的
とも言えることが多いので、計画通りに行かないことが多いは
ずです。

結論的に言えば、イタリアの定番のような街だけならば、比較的
簡単なので、初心者でも可能でしょう。しかし、予想外の問題が
生じる可能性もあることを熟知しておくべきです。個人旅行の場
合には、自分の力だけが頼りなのです。空港等で途方に暮れて泣
いて居る日本人バックパッカーにだけはなってはいけません。

なお、旅行業者は個人旅行の方法などに関して助言をしたり、
実際問題が生じたさいに対応する義務もありません。期待して
はいけません。