パリで家探し こんにちは。 現在パリで三軒目のアパルトマンに住んでいる者の個人の経験に基づいた話ですが、ご参考まで。 (1) 家選びのポイント 地球の暮らし方などを一読されることをお勧めしますが、ポイントとしては、 -暖房 各戸独立型か、中央(集中)型か、独立型の場合電気かガスか これにより光熱費が大分違います。 中央(集中)型の場合、光熱費はCharge(共益費?)として徴収されます。経済的にはこちらの方がいいですが、自由度が低く、気温が何度以下にならないと暖房をつけないというような決まりがあるのか、急に寒くなったときに暖房がつかないということもありました。ただ、故障時は全住民にかかわることなので対応は早いと思います。 独立型の場合、電気よりもガスのほうが効率的と言われています。 -給湯 これも上と同様です。 一軒目の住まいでは集中暖房だったのですが、給湯は個別だったのか、入浴時などお湯を大量消費すると、水になってしまうこともありました。 -水周り 水漏れは日常茶飯事です。トイレや風呂場、台所など、壁が黒ずんでいたり、塗装が剥げていたりすると水漏れの懸念があります。 -セキュリティ 自分の部屋にたどり着く前に、鍵ないし暗証番号で開錠する扉が1-2箇所ある筈です。これが日中開けっ放しになっているところは避けたほうがいいでしょうね。医者の診療所があったりして出入りの激しいところも避けたほうがいいかもしれません。 部屋のドアの状況。専門用語は忘れましたが、泥棒や類焼対策にドア板に金属を仕込んでいるものがベターです。あと、何点でロックされているかも重要です。通常最低3箇所(上下と鍵のあるところ)でしょう。うちは、9箇所(錠前自体と上下左右に二箇所ずつ)かな。 立地も大切だと思います。 最寄りの地下鉄駅からの距離、通る道、住民・周りの雰囲気など。入居してから気がついた地下のディスコの騒音に悩まされたという話を本(確か戸塚真弓さんの著書)で読んだことがあります。 (2) 家探しにかかる期間 これはケースバイケースです。 一ヶ月で3軒しか見られなかったという人もいます。時季の問題もあります。バカンス中(とその前後)と年末年始は最悪でしょう。 私の場合、今の住まいは実質3日間で10件見て決めました。が、事前の準備(雑誌や新聞での調査、不動産屋との連絡)を1ヶ月くらい前から始めましたので、1ヶ月かかったといえるかもしれません。 決めてから入居までに、工事などのために、時間がかかるケースもあります。 (3) 保証金 これもケースバイケースです。 入居時: 貸主は家賃2ヶ月分の保証金を要求できる権利があるはずですが、入居者の職業、勤務先、経済状況などで、要求水準を引き上げることはよくあることです。一年分の保証金を入れろとか、銀行保証をつけろとか。 退去時: 私の場合は全額戻ってきましたが、こればかりは貸主の性格・経済状況にもよります。 二軒目では目は壁紙を子供がびりびりに破っていたにもかかわらず、「通常生活による消耗の範囲内」と看做してもらえたようです。まあ、7年間住みましたので、大家も全面リノベーションを考えていたのでしょう、きっと。 蛇の道はへび、プロに相談するのも一案です。 私は常に地場の不動産業者との契約ですが、日本人向けの業者もいくつかあるようです。 http://www.ilyfunet.com/cgi-local/pub/pub.cgi?mode=part&part=5&k=6
Re: パリで家探し こんばんは。とても詳しく教えていただき有難うございました。 なるほど、暖房は中央型の方が良いような気がしますね(対応は早い方がよいですから)なんせフランス語初心者なので、ピーチクパーチクしゃべってもほっとかれちゃいそうですし。 ちょっと疑問です。 フランスは、冷房はないと聞いていますが、夏はそれでもやっていけるのでしょうか?屋根裏部屋ってどうでしょうか?夏は暑くて耐えられないと聞いたことがあります。 質問です。 水漏れ時の修理費とかは、自分持ちですか?貸主持ちですか? セキュリティーの面は、気をつけたほうが良さそうですね。 それにしても、9箇所とはすごいですね。値段もありますがなるべくなら治安の良いところを探そうと思います。
Re^2: パリで家探し 暖房について 去年家探しをした印象としては、独立型が増えているように思います。新築物件で集中暖房というのは殆どなかったと思います。 また、電気のみのアパルトマンも増えてきているようです。 冷房について 2003年の猛暑のときは別の国で生活していたのでわかりませんが、計9回パリの夏を経験したところ、暑くて耐えられない、と感じるのは極々数日です。逆に言えば全くないわけではありません。前に住んでいたアパルトマンの最上階に知人が住んでいましたが、夏は暑くて仕方がないとこぼしていました。(屋根裏部屋に暮らしたこともありますが、その年は冷夏だったので参考にならないですね。) 地球温暖化の下、フランスのエアコン業界は好調で、車も製造時に装着されるものが増えているようです。が、個人住宅でエアコンつきはまず100%ないと考えたほうがいいです。 冷房の効いている施設に通うか、扇風機で凌ぐか。まあ、例年は数日のことなので・・・それに日本と違い湿度が低いので・・・何とか凌いでください。 水漏れについて 建物の構造上の問題だと思いますので、貸主の保険でカバーされるはずです。 現在の住まいでは入居後にトイレ配管の接続の不具合が原因で水漏れがありましたが、修理費用は負担していません。 尤も、水を出しっ放しで下の階に漏れたなどというのは適用対象外だと思います。 施錠箇所について 9箇所というのは一度の施錠で、鍵を回すと、ドアから止め具がにょきっと出てくる仕組みになっているもので、何箇所も鍵があるわけではありません。 それ以前の二軒では、二つ鍵があり、一つは水平方向、もう一つは垂直方向に施錠するものでした。最低限これくらいは必要です。 あと、Voletという雨戸がしっかりついているところにしましょう。防犯、防音、防寒という意味で。 よいおうちが見つかるといいですね。