移り気? 初めてフランスを訪れた15年前、その翌年のバルセロナ五輪に向けて猫も杓子も(熊も?)「スペイン、スペイン」だったのに、隔世の感があります。 一方のフランス、10年一昔といいますが、親日派の大統領が核実験を行っても、尻尾を振ってついてくるのは、相当な片想い。忠犬というより、殆ど・・・ 数年前リラ安イタリアに相当水をあけられたような気もしましたが、この時期オペラ界隈では前傾で足を引きずって歩く奇妙な生き物をよく目にします。若いのに背筋と脚の筋肉がすでに衰えているのでしょうか。 かく言う私も、傍目には相当なフランスかぶれに映っていることでしょう。否定はしませんが…。「フランスワインしか知らないんです」だとか臆面もなくぬかしていますからね。 「種の減少」ですか。 確かに最近、15年前シャモニのピスト横のレストランでゴーグルを外した男性にハッと息を呑んで見惚れた、という経験に勝る出来事はないような気がします。 単に見慣れただけかと思っていましたが、鬼面ばかりとは言わないけど、殆ど見かけませんね、イケ面は。 お顔も然ることながら、喋り方。 フランス映画ばかり見ていた片想い時代、フラ語のドゥビドゥブブブとローキーが心地よかったのに、幻想は見事に打ち砕かれてしまいました。そんな喋り方をする人は、いまや、稀少種です。昔からいないのかも。 ところで、当家ではスペインは鬼門らしく、連れが好みません。 マルベーリャに計二回、各一週間も滞在したのに、ロンダしか訪問していないという実績を聞けば、何が起こったか大体想像できますか。 私としては、アンリ4世がつけていた称号ナヴァールの王や、ロンドンのタパス屋で飲んだナヴァラ産ワインがPas mal(悪くないというのは褒め言葉)だったことから、そのあたりにも行ってみたいのです。 また、複数のスペイン人から美食の宝庫と聞いた、スペイン側バスクも15年来の憧れの地なんですが、縁がないのか、行く気がないのか。