13) フランスの鯖(サバ)はどうして小さいの? マルセイユからバスでCassis(カシ)へ観光に行った。カシはマルセイユの南東にある。 港の周りの通りにおみやげ屋さんなどが並んでいて、このあたりの観光的な雰囲気はいい。 何より、カランク(高い岩に挟まれた入り江)を巡る遊覧船が、マルセイユから出るより近いので、時間が短く料金も安いのがいい。 カランク5箇所を巡る遊覧船に乗ったが、なかなか良かった。 昼になったので、港に面して並んでいるレストランの一つを選んで入る。 メニュには、魚料理の部分には、普通は魚の名前(例えばマグロとかサケとか)書いてあるところに「poisson (魚と言う意味)」としか書いてない。 テーブルについて、給仕人にどんな魚があるのか聞くと、「いろいろあります。」という。 私:「仏語の魚の名前はあまり単語を知らないから、この電子辞書に打ち込んでください」と言って、電子辞書を開いて、文字を打ち込むようにお願いする。 給仕人:cabillaud と打ち込む。(タラのこと) 私:「cabillaud? タラなら知ってる。でも、タラって地中海の魚じゃないでしょう。北の方の魚じゃないですか?」 給仕人:「おっしゃるとおりです。」 私:「地中海の魚を食べたいのですが、何かないですか?」 給仕人:maquereau と打ち込む。 私:「あ、サバだ。それでいいです。その料理をお願いします。」 サバは臭いがきついので、どのようなフランス料理になるのか、興味はあった。 (私は料理はしない、食べるだけの人です。) 料理が出てきた。 魚のフィレが2枚入っている。でも、魚が小さい。 フィレの長さが15センチぐらいしかないから、もとの魚は20センチぐらいしかなかったんじゃないか。 クリームソースとか野菜とか乗っているけど、食べてみると、確かにサバだった。 でもちょっと小さいね。へぇ~、こんな小さいサバが出回るんだ。 料理としての味はまずまずだった。 数日後、ブルターニュ地方を旅した。 大西洋に近いカンペールという町で公設市場があったので、ぶらりと中を見ていたら、魚屋があって、maquereau と書かれて小さいサバが積み上げられていた。 ほとんどイワシの成魚と同じ大きさだった。 うーむ、フランスでは、こんな小さいサバを漁獲するようだ。 日本では、小アジは一般的だけど、小サバは聞かないね。 日本で小サバを獲らないのは漁業資源保護のためだろうと思うけど。 (漁業には詳しくありません。)
Re: 13) フランスの鯖(サバ)はどうして小さいの? 楽しく読ませていただきました。 せっかくのレポートにケチつけるようで申しわけありませんが、 たぶん辞書の間違い 日本のさばは、Maquereauとしてもかまわないが、フランスのMaquereauをさばとして日本のスーパーで販売するとすると問題がありそう。Maquereauは学術用語だそうですが、一般にも使われている。形態学的に海の魚でもろもろの魚にMaquereauを使っているみたいだ!Scomberという分類の魚が含まれる。(以下略) http://fr.wikipedia.org/wiki/Maquereau 私のフラ語は初級なので読み違いかもしれない。 日本で食するサバは、還流のお魚で、ほぼ同じものはノルウェイから入ってきていることは皆さんがご存知。アメリカにもまったく同じサバがある。 「サバじゃ太平洋を回遊していて産卵には南のほうへ行くらしい! ノルウェーのものは大西洋サバ! でアイルランド沖で春先に産卵し、孵化した幼魚は餌をとりながらノルウェー南部海域を目指す。」(WIKI) これから秋口にかけてサバはおいしい。アジはそろそろアジが落ちる。多少サバを読んでもいいサバが買いたい。私のいる隣町のデパートの魚屋には朝取りのサバがまれに並ぶ。もちろん〆ていただくと応えられない味だ。スーパーのしめさばなどはとても食べられない。豊後水道の関サバも関東でも飲み屋に出るが、古いのかおいしいとは思ったことがない。近くなら松輪サバがいい。出てくるまで待つわ。 類似魚の冴えたるものは、いずみだい。味は鯛に似ているが川魚である。これと台湾のスギという魚をカンパチとして、横浜の飲み屋で鯛とカンパチのおつくりとして安く出てきた。回転寿司もいずみだいを鯛として使ったみたいだ。最近はどうだろうか? いずみだいはアメリカではティラピアとしてスーパーでやすく並んでいる。ソテーなどでも結構食べられる。 またまたお邪魔しました。
Re: フランスのサバはタイセイヨウサバと言う種類だったようです サンフランさん こんにちは レスありがとうございます。 フランスで見たサバは日本ではタイセイヨウサバ(またの名をノルウェーサバ)と言うものだったようです。 これ↓ http://www.ifremer.fr/charm/index.php?option=com_content&view=article&id=417:scomber&catid=113:debarquement&Itemid=343&lang=fr 学名は Scomber Scombrus と言うそうで。 (日本のサバは マサバだと Scomber japonicus ) 仏語では、maquereau commun (直訳すれば 普通サバ)、これを単に maquereau と言ったりするようです。 市場で見たのは幼魚で、妙に背中と腹のカーブが直線に近くて、なんだかイワシに近い体形で、幼魚だからかと思ったのですが、成魚でも、写真を見る限り、体形は日本のサバに比べて腹のあたりがややスマートな感じですね。 かなり日本に輸入されているそうで。 日本のブログ↓ http://munzu.exblog.jp/16162857/ サラリーマン食堂などでサバを使った定食など食べると、使われているサバは背中の模様がくっきり虎の皮の模様みたいなのが多いけど、あの模様のは全部タイセイヨウサバなんでしょうね。 日本のサバの背中のもやもやっとした感じとは違っていますね。 私は、子供の頃母親が台所で捌いていたサバの模様とはちょっと違うな、と思っていたんですが、あまり認識せずに食べていました。 日本のブログによると、タイセイヨウサバは脂がのって、食感は日本のサバを凌ぐ、と書かれているものもちらほら見られますね。 タイセイヨウサバの分布図(39ページです) http://www.oceandocs.net/bitstream/1834/212/10/chapI_Diagnose.pdf 分布には地中海全域が入っているので、マルセイユの近くの町で食べたのは、地中海のものの可能性はありますね。 フランスでは、英仏海峡あたりで大量に水揚げされるようなので、ブルターニュのカンペールの市場に積み上げられていたのは、すぐ近くでとれたものなのでしょう。 サンフランさんのおかげで、サバについてちょっと認識を新たにしました。