蚊とドライビング・マナー

 カナダの正式の国鳥は「ルーン」。でもあちらこちらの田舎町に行くと「カナダの国鳥」として蚊が書かれたバッジが売ってあります。実際ちょっと藪の中に入ると蚊に刺されます。確かハリファクスでも、大学のちょっと外れのほうにある施設(そのときは神学部)に行く途中、やぶ蚊に襲われて、レセプションの時に体をかきむしっていました。

 蚊というのは本当に正確な体内時計を持っていて、午後6時になるとお日様の具合に関係なく出てくるのですね。北極圏のイヌービクの「日の沈まない季節」に行われる「大北方芸術祭」を見に行ったら、当然いつも昼間(白夜ではありません、夜中12時過ぎてもただの昼間)なのに、しっかり午後6時過ぎには蚊が出てきて、差されまくるではありませんか。そして朝8時を過ぎると、不思議なまでに蚊はいなくなる。
 私たち人間のほうは体内時計滅茶苦茶で、そこで悪友になってしまったDawn Omanは明るいのをいいことに午前1時に近くの川に遊びに行き、つないであったボートを外して遊んでいたら、対岸の島にヒグマが現れたのでほうほうの体で戻ってきたと、翌朝食のときに楽しそうに話していました。まったく熊と出会うのは、自分の絵の中だけにしておいて欲しい(そうでないと私の買った絵の値段が上がらないじゃないですか・・・)。

 北米の車のマナーですが、ケベック、オンタリオ(北部は別)、ブリティッシュ・コロンビアは人が道端にいても車は止まらない(止まったりしたら後続車に追突されかねない)。後の州は止まるという原則のようです。モントリオールなど、青信号になったのでほっとして道を歩行者として歩き始めると、目の前を右折する車がさえぎるように通ったりして、ここはフランスか、はたまたアジアか・・・という感じだったりします。オンタリオの北部と南部の境目あたり、ヒューロン湖畔の町やアルゴンキン州立公園辺りだとごっちゃになっているので、一応止まって、お互いに目を合わせて譲り合う・・・なんて感じです。

 アメリカではボストンが「一番運転マナーが悪い街」だそうです(AAA、アメリカ自動車協会のガイドブックに大書されていて、「市内での運転は避け、郊外の駅に車を置いて公共交通機関で街へ入れ」と書いてあるくらいです)。マサチューセッツナンバーの車の後ろにI Came From Bostonというステッカーが張ってあったら、「俺は雷族だ」という意味だそうです。実際にボストンの街を走りましたが、東京や関西のマナーに比べればずいぶんとおとなしい、私の住んでいる九州の主要都市程度の運転マナーでした。それよりもボストンは道が入り組んでいるので、方向を取り違えやすいのが問題でした。ハーバード大学の紹介で、エドウィン・ライシャワーの旧邸を見学に行った際、もらった地図では一直線に書いてある道路が、実際には森の中に右折するようになっていて、そこでうろうろして約束の時間に30分遅れて冷や汗を書きました。でも見せてもらったからいいんですけれど。

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