Lost in Translation

福島第1原発:日本への渡航制限「必要なし」 WHO
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110319k0000e030023000c.html


この記事には『「渡航安全勧告」を掲載する予定だ』と書かれていますが、WHOではもう渡航安全勧告をウェブに掲載しています↓。

http://www.who.int/en/


ナポリターノ長官の、「日本からアメリカへ到着する乗客や貨物についての放射能検査を実施している」というのは政治パフォーマンス的ところがあり、しかも公式の英文発表などを読んでみると「日本からアメリカへ到着する乗客や貨物についての放射能検査を普段より強化している」という意味合いになっています。

米税関・国境警備局の公式発表
http://www.cbp.gov/xp/cgov/newsroom/news_releases/national/03172011_6.xml

ダウ・ジョーンズの記事(日米の株価などに影響する事柄なので非常に冷静な記事です)
http://www.nasdaq.com/aspx/stock-market-news-story.aspx?storyid=201103171605dowjonesdjonline000600&title=us-screening-passengerscargo-from-japan-obama-official


アメリカの通関地(人や物品が入国[出国]する地)では、日常的に乗客や貨物についての放射線量検査が行われていますが、旅客はそんな検査が行われていることには全く気づきません。その様に普段から舞台裏で行われていることを強化しても、一般のお客様には影響がないことでしょう。事実、上記の米税関・国境警備局の公式発表によれば、乗客の“放射能検査”の強化の内容とは、

”Travelers who manifest signs of radiation sickness are referred to health authorities and provided appropriate treatment.”
(明らかに被曝の症状が見受けられる旅客は医療機関に照会され、適切な治療を受けられる)

と、なっています。福島で一部退避者さんに行われたような検査(福島の方ごめんなさい)が行われている訳ではありません。

先日テキサスに成田から到着した飛行機貨物室内で、健康被害のないレベルの放射線が察知されましたが、後に貨物室内にあった輸入放射線医療機器が原因だとわかりました。放射線が察知されたことは、センセーショナルに報道されますが、新犯人は放射線医療機器だったことはあまり報道されません。それがナポリターノ長官のような政治パフォーマンス発言に繋がるのでしょう。

このような風評被害に在米日本大使館は(ついでに過剰反応している欧州に対しても在欧日本大使館は)断固抗議すべきだと思います。

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