この話、「海外旅行」の観点(?)から見ると、色々と興味深い。
1.ゴーンさんのキー付きパスポート
複数の国のパスパートを持っている人はたくさんいるが、一つの国で複数のパスポート・・・というのは、日本でも例えば一般旅券と公用旅券は同時にもてるのだろうか。また、最大の不思議な点は「外国人はパスポートの提示を求められる可能性がある」と言うことで、キー付きケース入りパスポートを持っていたそうだが、実際に日本で警官に提示を求められても、本人がケースから出せないのなら意味がないのでは?と思うのだけど、その辺はどう整理されているのだろう。
2.29日の帰省ラッシュ
ゴーンさんが家を出たのは、29日というのはほぼ間違いないようなので、東京の自宅から29日中に関空に行くには、車だとかなり渋滞したはずである。新幹線で行くというのは、リスキーだし、第一予約が取れないはずである。すでに荷物になって(!)新幹線で移動したか・・・この辺は「詳しい日本人」でもなかなか大変な気がするが、どうやって関空に行ったのか、これもぜひ聞いて(!)みたい。
3.プライベートジェットの荷物検査
今回の計画の最大のリスク(?)はこれだと思うが、確かに日本の税関はそもそも「出る荷物」に対しては、ほとんど関心を示さないので、残りは危険物持ち込みチェックだけである。関空もこの日は一番忙しい日の一つだったはずで、旅客機の保安に比べればはるかに優先度の落ちるプライベートジェットの荷物チェックなどやらない・・・のだったのだろうか。もちろん、忙しかったらやらない、等の日頃の確実な「関空検査情報」を得ていたとは思うが。今回のことで法務省がきっちり示した(?)ように、ハンコは押さなくても(あたりまえだが)出国記録はきちんと残っているし、また、パスポートを見ても出入国記録はわからない、のも事実である。
4.プライベートジェットの航続距離
トルコ当局が関係者を逮捕しているので、関空からイスタンブールに行ったのには違いなさそうだが、最初に話を聞いて思ったのは、そんなに長い距離を給油なしにプライベートジェットが飛べるものだろうか、と思ったらガルフストリームの最新鋭機とかは7500マイルも飛ぶそうで、私の認識不足でした。・・・ちなみに知り合いにただ一人プライベートジェットに乗ったことのある人間がいるが、聞いてみると、機が小さいので乗り心地は良くない、とのこと・・・。
5.飛行中の発覚リスク
二番目くらいにでかいリスクとしては、イスタンブールに行く途中(10時間以上かかるはず)に「逃亡(行方不明)が発覚したら」というものである。これは本人がいないことが分かっても、(当然)国内の捜索が主となるので10時間くらいは稼げる、と判断したのだろうか?(スパイ映画みたいだがそうとしか考えられない)それもだが、裁判所は(たくさん保釈中とは思うが)一日一回くらいは本人がいるかいないか確認をしないのだろうか?
(これは案外深刻な(?)謎である。)
もし発覚すれば、トルコの場合も犯罪人引き渡し条約はないが、あの飛行機運営会社の逮捕状況を見ると、別件逮捕でもトルコ政府は拘束はしていたと思うので、レバノンに渡すか日本に渡すか問題になっていたはずである。また、ロシア、中国領内だったら強制着陸させられる可能性もあった、なんて言ってる人もいるが、誰がそんな面倒な飛行機をわざわざ受け入れるものか、と思うが。
6.イスタンブールでの対応
これも伝えられる限りでは、格納庫に入って、別のプライベートジェットでベイルートに飛んだ、とあるが、このベイルート行きのプライベートジェットの「荷物、乗員チェック」は入らない、と判断したのか、すでに手続きを終わって離陸許可のみ、位の状態にして、関空からの飛行機が格納庫に来るまで待ったのか・・・ネットフリックスではないが、本当に映画にできそうな気がする。
7.レバノンから出国できるのか?
インターポール(ICPO)経由で国際手配された以上、レバノン以外の国に行くと拘束される可能性がある。例えば、EUは市民を外国に引き渡さないのでフランス以外(フランスだと別の罪(?)で訴追される可能性がある)のEU諸国というのは一つの手だが・・・米国は日本との引き渡し条約があるので、ちょっと難しいような気がするが、あとは余生をレバノンで全うするか。・・・・