couvre-feu 高島たいらさん、こんにちは。 私は逆にcurfewを知らなかったので、手許のジーニアス英和大辞典(電子辞書)を引くと、curfewはフランス語のcouvre-feu(火を覆う)から転じたもののようですね。 最初フランスのTVニュースで聞いて『火を覆う』ってどういう意味かと思って調べました。最初は戒厳令かと思ったのですが、これはetat de siegeという言葉でした。 今マルティニークにいるサッカー選手のひとりは、サルコジの『ごろつき』発言には声を荒げて憤っていました。『俺もバンリュー出身だ!』と。 一方、同じような出自で、スポーツウェア業で成功した元スポーツ選手は、暴力では何も解決しない、と(宣伝に使われたのかもしれませんが)TVで発言していました。 サルコジも昔首相をやっていたバラデュールも移民の子弟と聞きます。成功者もいるんです。成功者だからこそ、やっているのかもしれません。 会社の元同僚で移民三世がいます。幼いころおじいちゃんに連れられてきたのがお父さんで、彼は生粋のフランス生まれ。しかもグランドゼコールの有名校出身です。 が、『君もいい加減フランス社会に同化したらどうか(洒落ではありません。。。)』と言われる、とこぼしていました。私には区別がつきませんでしたけどね。 同じくイスラム教徒の元同僚とは車の中でよく議論しましたが、『フランス人は職がない職がないというけれど、ほら見ろ、道路工事やってんのはみんな移民じゃないか。フランス人だってやる気になりゃいくらでも仕事があるはずだ。まずはやってから言え!』と怒っていました。 実際、フランスの失業者は、就職斡旋に対する拒否権を(3回かな?)ヨーロッパで一番多く行使できるのです。それなのに、あくまで政府・国民からの『プレゼント』であるクリスマス特別給付を削られたといっては、職業安定所かなんかを襲撃したり、いい気なものです。 だからといって暴力を正当化する気は毛頭ありませんが、ご都合主義の移民政策が破綻してきたんでしょう。人権侵害を行う国々を平気で批判してきたこの国が、これによって世界の目が向けられた今後、民主主義国家(かつ超社会主義国家)としてどのように対処していくのか見物です。
Re: couvre-feu こんにちは。 今日のフランスはお休みで、静かな日ですね。 ゆうべのTF2はいかが思われましたか。勉強不足で聞き取れないとれないところもありましたが、サルコジさんの立場は内相だから高圧的になるのか、それとも単純に心理学を解さないストレートな人なのか、やはりどうも政治家としては拙劣な印象が拭えず。それがいいというのは、フランスの人の心理をもっと勉強しないと駄目なのかな。 第二次大戦の時に、積極的にユダヤ人を売ったのも少なからぬフランス人。大戦後移民の問題を昇華しきれないのもフランス人(日本人はそんなに高級なの?というのは別にして)。 それにしても過去様々な「郊外政策」が繰り出されているのですね。それでもこの程度って事は、なんなのだろう。どこか為政側に見下した部分があったのだろうか。場当たり的に過ぎたのだろうか。すぐご近所のサルトルビルなんかが出てきて笑ってしまいました。 日本のメディアでは、現地特派員が、さっそく「社会のくず」発言をまた意図的にとりあげていますね。(読売新聞ごときが偉そうに)。番組で参加していた「若者」はけっこう頭にきている様子でしたが、それでも抑制的だったじゃない。日本の討論番組なんかより余程上等なのだけど。 今日は休日出勤でしこしこやっていますが、日暮れ前には事務所を出ようかな。静か過ぎて不気味です。 大きな国が変わるというのは時間がかかる事なのでしょう。でも変わるのかな。以前も10年後のフランスって変わっていると思う?という会話を(日日なのですけれどね)しましたが、外的な事に合わせて動くところはあるだろうけれど、懐疑的、というのが結論でした。
休日出勤お疲れさまでした。 Tom&Jerryさん、おはようございます。 ここ数日体調が悪く早めに休んだので、その番組はみていません。 サルコジは、娘が生まれたときにサイン入りお祝い状(勿論印刷したもの)とお祝い品を送っていただいたNeuilly-sur-Seine市長だったので、親近感があったのですが、ここ数年は大統領への野心を出しすぎで見ていて疲れます。 近年ようやく内相として交通政策などまずまずの成果を挙げたようです。が、行政に参画した(閣僚の)経験は予算相くらいで、それ以外ではNeuilly-sur-Seineという、どう転んでも失政のしようのない地方行政に携わったくらい。党人派というんでしょうか、20歳代のときにシラクの党首選での勝利を演出したことでのし上がった人のようです。政治家というより戦略家。本当に国民の幸福を考えた政治をできるのか?です。 尤もフランスの政治家の多くはENA出身なので、似たり寄ったりだと思います。社会党の幹部にしてもそう。見るに付け、こういう政策を実現したいという強い意思ではなく、政権をとりたいという強い意欲が動機付けになっているような気がします。 ところで、Racaille発言は、戦略家なので、たぶん、その辺りの思惑があっての発言なのでしょう。くず、は訳し方の問題ですが、ごろつきとかという意味もあるので、どういう使い方をしたのでしょうかね。いずれにしても、国家の要職にある人間が口にしていい言葉ではありませんよね。しかも、自己否定。そういう状況を作り出したのも、彼をはじめとする政治家なんですから。 最近、フランス(人)はなぜ嫌われるか?という出版物が続出しているようです。 おそらく、中華思想のフランス人も少しは反省の機運があるのかも。だとすると、10年後は変わっているかもしれません。もしかすると、逆に超マイノリティとなっているかもしれません。
couvre-feu と ultimatum 私も加えてください。 高校時代に聞いていた短波の英語放送で不思議な単語が2つありました。(とりわけ音が珍妙である) ウルチマトムとカーフューです。前者が ultimatum 最終通告であることは何年かして分かりました。 しかし、カーフューが夜間外出禁止令という長い日本語に対応するものであることを知るにはずっと後のことです。(自動車が少ない、なんてどういう意味だろう? なんて) さらに、それがcouvre-feuが語源であることを知ったのは今週です。 http://www.nicematin.fr/upload/documents/essentiel_1_189.pdf さらに、英語のカーフュがcurfewであることを知ったのは「今」です。 coup-d'etat はそのまま英語化されたけど、couvre-feuは誰か(フランス語に疎い人?)が音訳したのでしょうか。 それにしても、こういった単語が高校時代(ベトナム戦争)から変わらずニュースに登場するのは悲しいですね。
Re: couvre-feu と ultimatum 私はまた、ずっと、もっと家庭的な『門限』という意味だと思っていました。 こんな法的な意味のある言葉とは、今回の暴動の報道ではじめて知りました.......。 私の電子辞書のオクスフォードでは、1番に法的な意味がきて、2番目にアメリカ英語として、『門限』とあります。 英和辞典としてはいっているリーダーズを見ると、中世の『消灯・消火』という語源が出てきて、納得ですね......なんでもきちんと調べておかなくてはいけないと反省です。