レポート

コンロ―洞窟へ、現況

公開日 : 2018年06月13日
最終更新 :

ある時までは道路が改良されビエンチャンから直行バスが走るようになり、旅行者の少ない穴場的な観光地だったコンロ―洞窟です。歩き方ラオス編の特集ページで紹介されたりして日本人旅行者も多くなったのでしょうか。
現況をレポートします。

ビエンチャン南バスターミナルからは10時発のタム・コンロー(コンロ―洞窟)行を利用。運賃7万kip。
ラオス南部への拠点である南バスターミナルはドンドークへの街道沿いから右へ入ったところに移転していました。
バスターミナルには売店があり、水や菓子などを購入できますが、出発後も物売りが乗ってくることが多い路線です。
コンローまでどのくらいかかるのか、乗務員に尋ねるとちょっとうろたえた様子に見えて、午後5時ころ着くよと。
いつもそうですが、この地域では詳しい情報を聞き出すのは難しい。

バスは定刻に出発しましたが、バスターミナルの敷地を出ると暫く停車して動きません。その後も十数メートル進んで停車したりで、時間稼ぎしている様子です。事情を知っている地元客は後から二人三人と乗車してきます。
右折して街道に出てもまた停車。それからも買い物に降りる客がいたりします。実際に出発したのは11時過ぎ。
初めは予約した客が遅れていて、乗務員がそれを待っているのかと思いました。実際、そんなこともあるので。

10分ほどたらたらと走るとガソリンスタンドに入って給油停車。
なかなか思うように走らないのは、ベトナムのバスがいやに朝早く出発するのにしばらく走ると彼らの朝食休憩になるのと似ています。

しかし、これは乗務員の労務管理に問題がありそうです。
定時に走って短時間で到着するより、労働時間が長くなった方が乗務手当などで彼らに有利だからじゃないか。運行管理者が知らないところで出発を遅らせて時間稼ぎする。使用車両にタコグラフをつければ問題が見えるでしょう。

沿道の村から物売りが乗り降りします。ビエンチャン発のこのバスでは(客はすでに買い物済みですから)あまり売る気がなく、上り便で村まで戻る間に売る算段のようです。こういうのも管理ができていないのかもしれません。

じきに昼食休憩が入ります。フーを食べましたが、乗務員以外はあまり食事をとる客がいませんでした。


ボリカムサイ県のパークサンを過ぎて車窓にメコンが見えたりします。風光の良いナムカディンという川を渡ると国道はメコンと離れてカディンの流れに沿って行きます。
しばらく走ると南への幹線の13号線とベトナム方面への8号線分岐のヴィエンカムという町。ここでも休憩。若い女が持っていたニンディップ(生春巻き)が美味しそうだったので値段を聞くと7千kip(100円弱)。予想外に安い。

ここから先はベトナム方面への幹線道路ですが、思いのほか貧弱な道でセンターラインもないような田舎道です。
橋が架かっておらずバスが川の中を渡っていく時代がありましたが、今は橋ができています。
カルスト地形らしい岩山が見え峠を越えるとコンロー洞窟への分岐があります。時間は午後4時過ぎ。
ここに新しいローカルターミナルができていました。ソンテウが止まっています。

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3件のコメント

  • コンロー情報続き

    初めに。
    出会ったことの詳細をお知らせするため日記風になっていますが、そういうのが嫌いな方は読み飛ばしてください。

    ヒンブン川は増水していて対岸へ渡る橋は半分水没、最後はバシャバシャと川の中を行く。
    ドイツ人の青年は足が速く、写真を撮っている間に案内人の船頭とどんどん行ってしまう。洞窟内と川との間に落差があり、出口の流れが急になっているために、舟のスタートは洞内から。

    船頭のヘッドランプは光量があり、洞内の壁を照らしながら舟を進める。ヒンブン川はコンロー洞窟を貫流しており、洞内が大きく広がって迫力がある。今回は雨上がりで所々で雨のように水が落ちる。川面に水が撥ねる。

    鍾乳石の美しいホールで上陸する。岸辺はぬかるんでいるが、船頭と青年は足が速くどんどん行ってしまう。
    今回は照明を点けないが壊れたのかな。カメラを替えてどんなふうに撮れるか写真を撮りたいところだが、鍾乳石は美しいといっても所詮石。来たことがあるので撮れないならそれでもよい。再び乗船して洞窟の向こうの世界へ出る。

    明るい世界は緑が美しい。休憩ポイントには売店や食堂がいくつか出来ていた。
    奥の小川では四手網を使って魚を獲る村人たち。しかし簡単に捕まるようでもない。人が多すぎるよ。皆さん、網を売りつけられたんじゃないか。

    復路は流れを下るので早い。先ほどの鍾乳石のホールに明かりが灯っている。なんだ、電気が点くじゃないか(案内人手を抜いたな)。もう一度上がるかね。もういいっ(こう答えたのは失敗かもしれません)。

    外の明かりが見えてきて出口へ帰還。川を渡ってチケットオフィスに戻ります。

    ここからが交渉の勝負。
    ヒンブン川を下ってサーラーヒンブンのところまで行って戻って来たいんだけど。降りるのはスプリングリバーね。
    それなら25万kip。でもサーラーヒンブンまで単純往復だと15万kipなんでしょ。そうだけど。なんで高くなるの。じゃ20万kipでいいわ。15万kipにしてよ。うーん。
    周りの男の中に交渉の援軍がいて15万kipでいいんじゃないと言ってくれる者がいたりして、15万kipになった。

    岸へ降りると、ここで待っていてねと。待っていると洞内から船外機を積んできて、こちらのボートに装着する。

    両側の山はそんなに高くはないものの、コンロー洞窟からスプリングリバーまでの川筋も秘境の趣がある。
    船頭はスプリングリバーのバンガローを過ぎると船着き場に舟を停めた。

    着いたよ。なんだよ、サーラーヒンブンの前まで行って戻る約束だろ。いや、燃料代が高いからそんなに行けない。
    ここで降りてくれ。

    約束が違いますい。いや15万kip支払っているんだ、ここまでで15万kipじゃ高すぎるよ。

    油代が高いから行けない。じゃああと5万kipだすから行ってくれ。今回はヒンブン川を下ってサーラーヒンブンの現況を見ておきたかったのです。

    5万kipじゃ行けない。じゃあ、7万kip出すよ。10万kipなら行ってもいい。人の足元をみているな。

    でもすでに15万kip払っていて君に追加で7万kip。22万kipなら十分じゃないか。

    船頭はなおも渋っていましたが、これ以上は取れないと判って舟を出しました。

    ぼったくられたこちらの気分は台無しです。

    とはいえ、日差しがあれば緑が美しい川辺です。川面をぴちぴちと小魚が撥ねて逃げていきます。
    アヒルや水牛などがのんびりと水につかっています。水浴びしている村人もいます。
    雨の後で流木やゴミも流れていますが、それでも美しい。

    サーラーヒンブンは船着き場の階段が崩壊して、今は営業していないのが見て取れました。船頭はここに舟を停めて代金を請求します。代金を取り逃がさない算段だな。

    燃料を買ってくる。本当に燃料がないのか。ここは集落が近くガソリンも手に入ります。

    暫くすると1lくらいのペットボトルに入ったガソリンを手にして戻ってきました。

    1万kipくらいかな。2万kipだよ。それは高い。燃料の輸送代が高いのでしょう。燃料はタンクに入れることなく、ストックのようです。

    スプリングリバーに戻るとスイス人のマネージャーが楽しかったかいと。うん、楽しかったけど、あの船頭ぼったくり。サーラーヒンブンまで行っていくら取られた。22万kip。まあそんなもんだ。成功だよ。ありがと。



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  • コンロー情報

    利用した宿はスプリングリバー・リゾート。予約はエクスペディアを利用。
    事前にグーグルマップで位置を確かめ、元のSala Konlorだと見当をつけておいた。コンローの集落からは離れているが、ヒンブン川の川傍。静かで眺めが好いはず。

    スイス人のマネージャーとタイ人の女性が主なスタッフ。
    ガーデンビューのバンガローを予約したのだが、リバービューのバンガローが設備も良いのでお勧めすると言う。
    百聞は一見に如かず、両方を見せてもらう。
    リバービューのバンガローは予約した時はダブルベッド、シングルベッドのツインベッドルームで一人利用ではオーバースペックかと思ったのだ。リバーフロントで眺めが好い。浴室は清潔でこの地域の宿としては設備が整っている。
    ガーデンビューのバンガローは暗い小屋の中にベッドがあるだけで浴室は離れた別の建物。部屋には洗面所もない。暗くなったらトイレに行くのも面倒である。

    ガーデンビューバンガローは1泊15USD、リバービューバンガローは1泊35USDだが、設備の差が大きいので有償でアップグレードしてもらうことにする。
    食事はレセプション棟のレストラン。夕食はチキンカレーライスを注文。

    道中で買ってきた生春巻(ニンディップ)を皿に入れて出してもらう。快く引き受けてくれた。
    ちゃんときれいな皿に盛って、添えてあった調味料も小皿に移して出してくれる。レストランの料理のようだ。バジルが芳しくて美味しい。
    カレーの方は予想と違ってカレー炒飯。まあこれでもいいか。生春巻の方が安くて美味しかった。

    翌朝は雨が上がるのを待ってコンロー洞窟まで歩く。代掻きが終わって、苗代から苗を集め、水を入れた圃場で田植えが始まる。水たまりでは水牛の群れがのんびりと水浴びをしている。
    以前は耕作に水牛を使ったのだろうが、今はトラクターに替っている。農家は燃料代、現金収入が必要になる。

    コンローの集落にはいくつかのゲストハウスができていて、泊まるだけならこちらが安くて便利である。
    そのまま進むとコンロー洞窟のゲートに至る。ソンテウ(トラックバス)が停まっていた。ここにもホテルがある。

    入園料は6万5千kip(約870円)で案内料込み。リゾートの情報では1グループ3人まで同じ料金のはず。園地は地面がぬかるんで歩きにくい。チケットオフィスに立ち寄りチケットを提示する。
    待機していたドイツ人の青年と一緒で良いか訊かれるが、一人だし断れもしない。

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  • コンロー洞窟へ、続き

    こちらは直行バスだから楽でいいやと思っていると乗務員がバスはコンローへは行かないよ、と。なぜかはよくわかりませんが、バスはラクサーオへ行くからと、バスの前面を見ると行先表示のプレートがラクサーオに変わっています。なんだよ。ソンテウに乗換か。
    これはこの地域では珍しいことではなく、大型バスのサワンナケート行に乗ったはずなのにいつの間にかターケーク止まり。行先板もターケークに変わったことがありました。

    ソンテウが出発するまでの間にバーン・ナーヒンの町中にあったターミナルがこちらへ移転してサイコンロー・バスターミナルとなったことなどを聞き出します。ソンテウの運転手には宿の名前を伝えてちゃんと降ろしてもらう算段をします。

    足の不自由な男がソンテウの荷台ににじり寄ってきました。近くの乗客が手伝って乗せてあげます。
    この男はものをよく考える人のようで、どこから来たのか、ラオス語は話せるのかといろいろ訊いてきます。
    ソンテウが出発して最初にわたる川が仮橋のようになっていて、これのために大型バスが入れないんだね、と聞くとそうだよと。反対方向から来たソンテウの運転手とこちらの運転手が何か話したかと思うと、運転手が向こうの車に乗って行ってしまい、年配の運転手と交代しました。どうしたのか、二人は親子なんだよ。なるほど。

    タムコンローまではまだ道のりがあり、途中で強い雨がありました。小止みになったころ、彼は途中の村で上手に上半身を使って降りて行きました。

    そうだ、客が下りるときに替った運転手に行先を伝えて置かないといけません。スプリングリバーへ。

    他にも街道を外れて途中の村まで行くお姉さんもいたりして、ソンテウは街道から離れたリゾートの駐車場まで行ってくれました。

    直行バスならコンローまでのバス代は支払ったはずなのに別途2万5千Kipを支払います。それでも宿まで運んでもらえてありがたい。

    初めのレポートは字数制限を超過したので、続報にしました。

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    忘れないうちに書いておく

    タムコンロ―行のソンテウが出発したのは後続のビエンチャン発11時30分のラクサーオ行中型バスが到着してからだった。

    この方が乗り継ぎ時間が短く効率的に見えるが、ラオスのことなのでコンロ―行のソンテウがいつも後続のラクサーオ行との接続をとるとは限りません。中型バスが遅れれば待たないかもしれない。

    それと長距離になると大型バスとベトナムで使われているような中型バスは乗り心地にかなり差があるから、それだけでも大型バスの方が良い。

    ビエンチャンに特派員の有能な方がいらっしゃれば、ラオスのバスの運行管理の問題点を当局に指摘してもらいたいところです。

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