レポート

イタリア旅行から帰ってきました

公開日 : 2005年11月06日
最終更新 :

9月24日から10月18日まで北イタリアと中部イタリアに行ってきました。家内と二人の気まま旅行です。
計画を立てる段階で、この掲示板で色々な方から貴重な情報と親切なアドバイスを頂きました。特に、グラツィアさんと、もーさんには大変にお世話になりました。皆さんに厚くお礼申し上げます。
詳細は追々投稿するとして、今回は旅のスケルトンだけ報告します。
ここで書いている「満足度」はあくまで主観的なもので、事前の勉強と計画の良し悪し、当日の運の良し悪し、期待と現実との差、などに大きく左右されます。いかなる意味でも評価点ではありません。

9月24日 日本発。ミラノ到着。
9月25日 コモ湖。湖をベラージョまで行きました。天候も今一つで、印象も今一つでした。観光地よりも行楽地といった感じです。満足度6。
9月26日 ヴェローナ。アレーナを含めて修復中の建物が多く、見損なったものが多すぎました。満足度7。
9月27日~30日 ヴェネツィア。
二日間は寺院・宮殿・町歩きに精を出し、一日はブレンタ運河のクルーズ、最後の一日はムラーノ・ブラーノ・リドの島巡りでした。
町の路地裏や小さな橋は大いに気に入りました。ドゥカーレ宮殿のシークレット・ツァーもけっこう面白かったです。サンマルコ寺院は改めてその東方的な美に感激しました。
ブレンタ運河は景色も良く、ヴィラの見学も面白く、まあまあこんなものかなというところです。
島巡りは快晴に恵まれ、最高の眺めでした。本島に比べて静かなのも気に入りました。
全体の満足度9。
10月1日 フェラーラ。車の市内乗り入れを制限しているので、自転車観光に最適です。我々もホテルで借りて、乗り回しました。観光スポット間の移動も速く、町を囲む城壁の周りと内側に自転車道がたくさんあり、良い眺めとミニサイクリングを楽しみました。満足度9。
10月2日 ラヴェンナ。一番期待していたサンタポリナーレ・イン・クラッセは緊急修復のため閉鎖でしたが、他の寺院や廟ではビザンチンのモザイク画を堪能しました。満足度9。
10月3日~7日 フィレンツェ
五日かけて市内のメジャーなもの、マイナーなものを見て歩きました。見たいものの60%ぐらい見られたかなと言う感じです。
マイナーなところでは、スティッベルト美術館(武器甲冑のコレクション)、スカルツォの回廊(デル・サルトの単色フレスコ画)、サン・ミニアート・アル・モンテ教会(丘の上の美しい教会)、などが印象的でした。
美術館ではウフィーツィやアカデミアであまり満腹感を感じませんでした。逆にパラティーナでは十分満腹感を覚えました。事前の期待の温度差でしょうかね。
全体の満足度8。
10月8日 アッシジ。大聖堂もさることながら、石造りのきれいな家々と、起伏の多い町並みにご機嫌でした。特に夕方と夜の大聖堂と町並みは美しかったです。雨のため、町の外には足を伸ばせませんでした。満足度9。
10月9日 午前中はトラジメーノ湖のハンニバルの古戦場を見て回り、午後はモンテプルチアーノで、田舎の静かな観光地の日曜の午後を味わいました。最も下らなく、最も充実した一日でした。満足度10。
10月10日 シエーナ。町の観光はまずまず。泊まったホテルが町外れの古いヴィラで、眺めが最高でした。満足度8。
10月11日 ピサ。主に斜塔の近辺であわただしい観光をしました。斜塔も良かったですが、シノーピエ美術館で見たフレスコ画の下絵と、カンポサントで見たその完成品との対比が面白かったです。満足度8。
10月12日~13日 チンクェテッレ。一日目は五つの村を6時間のハイキングで回りました。景色は最高です。二日目はポルトヴェーネレとパルマリア島でのんびり過ごしました。泊まりはモンテロッソで、どちらの日も帰りは船でした。満足度10。
10月14日 ジェノヴァ。計画が悪かったせいか、見て回ったところではあまり感心したところがありませんでした。かなりの失望。満足度3。
10月15日 ベルガモ。比較的大きな町ですが、山の上の旧市街は別世界。町並みも要塞なども最高でした。もちろん愛するドニゼッティの生家や博物館もしっかり見ました。丘の下の19世紀の新市街も落ち着いてゆったりとした町並みです。19世紀というのも程良い古さなのでしょうか。満足度10。
10月16日 パヴィーア。あいにくの濃霧で修道院は大回廊の向う側がぼんやりとしか見えない状態で、魅力は3割減でした。パヴィーアの町は大したものではありません。満足度6。
10月17日 ミラノのミニ観光と空港からの出発。
10月18日 帰国。

旅全体の満足度は8~9。

以上のような、のんびりとして非効率的な、それでいてあわただしい変な旅でした。我々の旅はいつもそうです。もちろん、失敗談は山ほどありますが、それはぼちぼちと。

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2件のコメント

  • 退会ユーザ @*******
    05/11/12 00:03

    ドゥカーレ宮殿のシークレット・ツァー

    パッペンハイムさん、こんばんは。

    また少し教えていただけますか。
    今度母を案内してヴェネツィアも行くのですが、
    ドゥカーレ宮殿のシークレット・ツァーもよさそうだと思いました。

    ホームページでも調べてみましたが、
    ツァーの後か前に、シークレットではない表の方の宮殿も見学できるのでしょうか。
    表のほうは、また別に料金を払って入るのでしょうか。

    また、どのくらい時間がかかりましたか?

    母は初めてなのですが、私も、自分で行ったことのない所も
    計画にいれておきたいな、と思いましたので。
    どうかよろしくお願いします。

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    Re: ドゥカーレ宮殿のシークレット・ツァー

    ほあきんぶじょるさん、今日は。

    シークレットツアーのあとに普通の宮殿見学はできます。私はうっかり前日に普通の見学をしてしまっていたので、シークレットツアーのあとで「このあとは普通の見学ができますよ」と言われた時は、しまったと思いました。普通のツアーが11ユーロ、シークレットツアーが12.50ユーロとけっこう高いですからね。
    シークレットツアーは1時間半ほどかかりました。これも事前に予約することをお薦めします。私は例によってホテルに予約してもらいました。
    普通の見学で見られる、華麗で壮大な部屋と違って、シークレットツアーでは、実務的で質素な部屋や廊下や、罪人を裁く法廷や、拷問にかける部屋や、牢獄や、とヴェネツィア帝国が必要とした日常的で単調な部分や、暗く陰惨な部分を想像できて、なかなか面白かったです。

  • 退会ユーザ @*******
    05/11/06 10:09

    おかえりなさい

    レポート、頷いたり、あら?と思ったりしながら読ませていただきました。

    >湖をベラージョまで行きました。天候も今一つで、印象も今一つでした。観光地よりも行楽地といった感じです。満足度6。

    やはり、天候に左右される見所は、お天気がよくないとたのしめないようですね。
    ベッラージョでは、ヴィッラ・セルベッローニに行かれましたか?
    私が行ったときは、ロックフェラー財団が所有者で、
    研究者を滞在させ、一般人には、ガイドつきツアーで公開していたようですが
    今は、超5ツ星のホテルになっているのですね。
    天気がよければ、あそこでお茶なんて最高だと思いますが。

    >一番期待していたサンタポリナーレ・イン・クラッセは緊急修復のため閉鎖でしたが、他の寺院や廟ではビザンチンのモザイク画を堪能しました。満足度9。

    それは、残念でしたね。それでも満足度9というのは
    その他のモザイクを本当に堪能されたのでしょう。
    サンタポリナーレ・イン・クラッセは、モザイクを見るだけといっても
    やはり天気の良いときがいいです。
    周りの緑と青空、そのなかにあの素朴な建物、シンプルな内部、そしてあのモザイク…

    また訪れる理由ができたと思って、いつかまた出かけてみるといいと思います。

    >パヴィーア。あいにくの濃霧で修道院は大回廊の向う側がぼんやりとしか見えない状態で、魅力は3割減でした。

    回廊の中庭も、天気がよければこその美しさだと思います。
    残念でしたね。パヴィーアは、見所は修道院だけですから。

    チンクエ・テッレではお天気に恵まれ、何よりでしたね。
    あそこでお天気が悪かったら、楽しさ半減なんていうものではないと思いますから。

    >午前中はトラジメーノ湖のハンニバルの古戦場を見て回り、午後はモンテプルチアーノで、田舎の静かな観光地の日曜の午後を味わいました。最も下らなく、最も充実した一日でした。満足度10。

    個人的には、ここの詳しいレポートを期待しています。
    くだらなく、かつ充実していたとは?
    お時間のあるときに、是非お願いします。楽しみにしています。






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    ありがとうございます

    早速のコメントありがとうございます。
    流石にグラツィアさん、リスポンスが速かったですね。

    1.ベラージョではセルベローニには行きませんでした。もう一つ地理が分からず、ウロウロだけで終わりました。お話ではよさそうな所ですね。残念。

    2.ラヴェンナのモザイク画は期待以上でした。4個所で見ましたが、夫々堪能しました。
    プラチーディア廟のような狭いところでも、人の混み具合も大したことはありませんでした。
    サンタポリナーレ・イン・クラッセは返す返すも残念でした。
    せっかくバスで郊外まで行ったのに、臨時休業の貼紙が無情でした。
    他に一組ロンドンから来たという夫妻も貼紙を見て残念がっていました。
    ロンドンなら日本より近いじゃないですか、と慰めにならない慰めの言葉をかけて別れました。
    不可解だったのは、バスツァーが一組大聖堂の方に行って、がっかりして帰ってくるのかと期待していたら、一向に帰って来ないのです。
    ひょっとしてツァーの会社と聖堂との密約で、団体客だけ見させているのかな、と勘ぐりました。
    グラツィアさんはどう思われますか。

    3.チンクェテッレは天候にも恵まれ最高でした。ここの眺めはハイキングコースからの方が海からよりも良かったです。
    その前に、ミラノのレストランで一緒になったアメリカ人の夫妻に、チンクェテッレは天気に恵まれて良かったと散々吹き込まれていて、
    我々は天気予報ではあまり期待できそうもなく、少しひがんでいたのですが、天気が良くて気も晴れました。
    おっしゃるとおり、ここは天気が悪かったらどうしようもありませんね。

    4.トラジメーノ湖は、ご存じの通り2200年前にハンニバルのカルタゴ軍がフラミニウスのローマ軍を待ち伏せして全滅させた古戦場です。
    ここに行きたいとは早くから決めていたのですが、肝心の正確な場所が分からず困っていました。
    ミラノにイタリア人の友達がいて、今回も会うので連絡したのですが、その時に相談してみました。
    すると、調べてくれて、それはトゥオーロ(Tuoro)という町だと教えてくれて、町のサイトまで教えてくれました。
    結局、メールのやりとりが何度もあって、当日が日曜で、モンテプルチアーノに行く都合も考え、彼がトゥオーロのタクシー運転手に電話してくれて、その運転手がハンニバル・ルート(町が観光用に設定しているのです)を案内してくれて、そのあとモンテプルチアーノまで送ってくれるという話になりました。
    ところで、この戦場跡の場所ははっきり分かっていなくて、現代の歴史家が二人の古代の歴史家リヴィウスとポリビウスの記述に基づいて、二つの場所を推定しています。
    トゥオーロは、この内リヴィウスによる場所なのですが、ポリビウスによる場所も近くにあり、これも行ってみたくなりました。
    そこで、当日運転手に会ったときにそれを説明して、両方の場所に行きたいのだと、頼みました。イタリア語のできない私ですから、片言と筆談でなんとか用を足しました。
    幸い快諾してくれて、二人の歴史家の記述による場所を見てきました。
    トゥオーロは既に観光にフルに活用していますが、もう一つの場所には何もありません。先手必勝だなと感じました。
    運転手はどうやら二つの説があるのは知っていたらしく、トゥオーロではもちろんですが、もう一つの場所でも同じように、ローマ軍はここから入ってきて、カルタゴ軍はここで待ち伏せして、などという説明をしていました。もちろんイタリア語なので、所々分かるだけです。
    その後は、モンテプルチアーノ町まで送ってもらい、この町を観光しました。
    日曜の午後で田舎の観光地ですから、人出も少なく、ゆったりした観光を楽しめました。
    ここも落ち着いた良い町で、山の上ですから眺めも良く、気分は最高でした。

    「下らなく、充実した」と言った意味はこれで大体お察し頂けたと思います。
    使ったエネルギーが対象の価値と釣り合っているかと言えば、他人から見たら「下らない」の一言でしょう。私も客観的には賛成です。
    しかしトラシメヌスの戦いは、中学生の時に読んでから、ずっと気になっていたことです。こういうこだわりは、50年経っても強く残っているものです。それを解消して、実際の場所を見て色んなことを納得する時は、まぎれもなく「最も充実した」時間です。
    と、こういう他愛ないことでした。