レポート

「地獄の黙示録」と「オテロ」・・・あの音楽とあの舞台?

公開日 : 2017年01月22日
最終更新 :

再三書いているように、私はオペラは観ずにバレエ派(しかも国産・・・)なのだけど、昨年は一本だけオペラを観に行った。新国でやったワーグナーの「ワルキューレ」である。

これは超簡単に言うと「ニーベルンゲンの指輪」というライン川の神様の神話をワーグナーが四部作のオペラに仕立てたものの一部目にあたるのだけど、あらすじは「強かんによって生まれた娘が、近親相かんで孫を身ごもった義理の姉を父の命令で助けに行く。」(と思うのだけど、どこのガイドブックにもこのような簡潔な(?)説明は載っていない。)という神話でありがちな(現代人から見ると)無茶苦茶なお話だが、なによりも三幕目の「ワルキューレの騎行」を聞きたかった。

これは1980年に観に行った映画「地獄の黙示録」のメインテーマで、いつか生を聞いてみたい・・・と思っていたのが、ようやく実現した。(昨年はルーブルのモナリザ、古代ギリシア展の「陶片追放」の陶片(山川の教科書に写真が出ていた。)と何十年来、本物を見たかったというのが二つも実現した。・・・)もっともこの「ニーベルンゲンの指輪」というのは大長編のため、なかなか全編上演されることがない。これを上演するためだけに、かのルードヴィヒ二世がバイロイトに劇場を作った、のだけれども、ノイシュバンシュタイン城に比べれば、バイロイトの劇場やキームゼーのお城とかなぜか知名度が低い。(ちなみに設計に加わったワーグナーも、わざとイスの座り心地を悪くして、観客が眠らないようにした、そうなので、作った本人も長いことを意識しているのかも・・・でも、この「ワルキューレ」はドイツ語が分からなくても最後まで飽きさせないと思う。)先年のミュンヘン行きでは、ルードヴィヒ二世が死体で見つかった「湖」まで行ったが、次回は「現場」まで行ってみたいと思っている。

もっとも、わざと書かなかったが、実は昨年はウィーンのStaatsoperの日本公演の「ワルキューレ」が最大のニュースで、行った人の話は聞いたが、S席6万円となると、東京文化会館とはいえ、やはりスーツを着て当然パートナー同伴で・・・で行かないと、きっと後悔しそうなプロダクションである。

で、今年の新国のプログラムが来たのだけど、オペラを観ない私でも、どうしても外せないのがヴェルディの「オテロ」とヨハンシュトラウスの「こうもり」・・・オテロは北キプロスのファグマスタのお城が舞台なのだけど、これもファグマスタのお城に行って以来(しかも、今は城壁のすぐ下はトルコ海軍の基地になっていて当時より状況は悪く(?)なっている。日本人はオスマントルコ嫌いという人はあまり聞かないが、ヨーロッパ人の意識とは大部違うのかも・・・年末に行われたキプロス再統合協議は決裂している。・・・・)ぜひ観たいと思っていたものなので、ようやく観られる。「こうもり」はこれも何度か書いているが、いつか見たかったウィーンファンには必見(?)のオペレッタである。ちなみにバイロイトもオスマントルコのウィーン包囲の時に戦った選帝侯が街を本格的に作ったとのことで、これで三題噺がうまくまとまる(?)ようになっている。・・・・・・

で話は元にもどるが、ベトコンをナパーム弾で焼き殺す時に、なぜキルゴア中佐が「ワルキューレの騎行」を流したのか、ようやくわかったような気がした。

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