東京から広島に行くとき、「夜遅く出て朝早く着きたい。」というのはなかなか難しい。昔は九州行の寝台列車で九州内に遅く着く列車は、早朝の広島に止まっていた。今だとバスを最初に考えるが、バスも案外時間がかかり、20時頃に出て8時半に着く、大体12時間半かかり、21時発くらいが限界。飛行機の場合はそもそもそんな夜遅い便はないし、広島行には朝便だと7時の便があるが、予約もしてない場合、飛行機は乗せてくれない・・・のはご存じのとおりである。
22時過ぎに出ても・・・となると、大垣行きムーンライトながらで名古屋で乗り換えるか、サンライズで岡山で乗り換えるか・・・。昨年末は、どうにかなるさ、と22時前に何の予約も持たずに東京駅に着いた。本当にどうにもならなかったら、神田あたりのネットカフェで一夜を過ごすつもりだった。
東京駅に来る途中、えきねっとで見ていると、今日は「ムーンライトながら」があることは分かった。が、当然満席。サンライズというのは、たちが悪く(?)えきねっとに載ってこないのはもちろんのこと、JR東の指定席券売機で買うこともできない。有人窓口を減らしているのだから、券売機で買えるようにすればいいのにと思うのだけど、前の「あけぼの」と同様、JR東にとっては寝台車などどうでもいいのだろう。先日、韮崎駅で試運転の四季島がさっそうと走っていくのを見たけど、ああいう方向(?)は、寝台車の衰退防止にも発展にもならないことは彼らもよく分かっているはずである。
で、東京駅のみどりの窓口に行く前にサンライズ(もう入線していた)が留まっている9番線の案内を見ると、二つ下に「サンライズ出雲91号」22:21発というのがある。あれ、臨時列車があるんだ、とびっくりしたのだけど、乗換案内でみんなみつけるのだろうか?10月号の時刻表にはもちろん載っていない。
みどりの窓口で聞いた「東京から岡山まで今日のサンライズは空いてますか?(われながらばか質問と思ったけど)」「一杯ですね。」「だったら、臨時のサンライズ91号は空いてないですが?」「え、そんな列車ありますか?」「・・・・」
係員は12月号のJR時刻表で調べ出したが、なぜか出てこない。「その列車、どこで知りましたか?今日は臨時が走ってるっていう認識はないんですが・・・」「いや、私もさっき9番線の電光掲示板に出てたので初めて知ったんですけど、ないですか?」「分かりました。もうちょっとコンピュータで調べてみましょう。」駅員と客の会話としてはかなり間抜けな会話になっているが、どちらもさっきまでは知らない列車(!)だったのでしょうがない。
「その列車、あるみたいですね。空席を確認するには手続きが必要なのでちょっと待ってください。」後ろに下がって、別の係員を連れてきて操作したら、やっと出てきた。「最後の一枚がありますね。」「それって何の席ですか」「B寝台のシングルソロです。」「それって値段はいくらですか?」「寝台券が7560円です。」ビジネスホテルに泊まれるなあ、と思いつつもOKを出した。
発券中に聞いてみた。「サンライズってえきねっとにも出てこないし、指定席券売機にも出てこないし、一体どうやって買えっていうんですか?」「寝台車っていうのは基本的に一か月前にみどりの窓口に並んでもらうしかないですね。」「・・・・・」
チケットをもらい到着時刻を見てびっくりした。何と岡山着が8:48である。これだったら始発ののぞみと大してかわらないじゃん・・・・おかしい、サンライズは確か6時台に岡山に着くはずなのに・・・・で、この臨時列車、東京発は「正規列車」と20分しか違わないのに、岡山で2時間、終着の出雲市で3時間も到着が遅れる「とんでも列車」であるのを知ったのは、乗車後である。