イランの手掘り地下水道・カナートが、先週金曜日ユネスコ世界遺産に登録されました。これでイランでの世界遺産登録数は20件となりました。
イランは2年前からユネスコへ、ヤズド州にあるMehriz とZarechのカナートの世界遺産登録を申請しており、昨年、ユネスコの委員がイランを訪れ、今回の登録にこぎつけることができました。
カナートは、山の泉の水を農業用水として利用するために掘られた地下水路です。このあたりの年間降水量が200ミリメートと、非常に少ないにも関わらず、昔から途切れることなく、現在でも泉から遠く離れた200件の農家へ、蒸発させることなく水を供給してきました。
イランのカナートは2000年以上も前、アケメネス朝から造られていたと言われ、のちに中国やモロッコなどでも造られるようになったと言われています。
これらのカナートは縦抗を掘って横抗につないでおり、現在、36000以上の縦坑があり、横抗の長さは15万8千メートルにも及んでいます。水質は水源の水質と同じで、マグネシウムやナトリウムなどが加わることがないと言います。
その中でも、Zarechのカナートはヤズド市内にあるジャーメイモスクの下を通っています。長さは80㎞に及び、イランにあるカナート中でも22メートルと、一番深く掘られています。
ヤズドには水の博物館があり、どのようにして困難な手掘り作業でカナートを造っていったか、作業に使われた道具や写真を展示しています。ヤズドへいらっしゃいましたら、ぜひ、ご覧ください。