今まで、パリの三大キャバレーの見学記はやたら芸術性にこだわる人がいるが、ストリップを見た言い訳をしてるだけじゃないの・・・と思っていた。下の文章を読み返すと、やはり言い訳かも・・・知れない。
パリの最後の夜は「クレイジーホース」に決めていた。リド、ムーランルージュ・・・とあるが、一つは「クレイジーホース 夜の宝石たち」という映画を観てて、いつか生を見てみたいと思っていたこと、また、当たり前だけど、ライブというのはなるべく小さな劇場で観る方がおもしろい、というのが理由。
これもまた、ネットで簡単にチケットが取れる。
http://www.lecrazyhorseparis.com/en/homepage/
原則として、20:15と22:15のショーがあるが、これは20:15の方に決めていた。ホテルが4号線のVivan駅、クレイジーホースの劇場は9号線のAlma Marceau駅で24時前後に、きちんとホテルに着く自信がなかったのが最大の原因。多分、22時の回の方が盛り上がる気がするが・・・。
チケットにはいくつかバリエーションがあるが、大きく分けて、ただ観るだけ、シャンパーニュ付き、レストランでの食事付、の3ジャンルがある。一番ポピュラーなのはハーフボトルのシャンパーニュが付いたチケットだが、125ユーロ。25ユーロがシャンパーニュ代、である。映画でもやっていたが、クーラーに一つずつシャンパーニュをセットしていくシーンがあり、一回のショーであんなに飲まれるのか・・とおもしろい。ちなみに昨日のオペラ座と合わせて300ユーロを越える散財になった。・・・
どんな格好でそもそも観に行くべきか・・・だけど、私はプロトコール上タキシードが必要、というような会合でもない限り、ジャケット一枚羽織っていれば、浮くようなことは絶対ないという主義(経験?)から、今回の旅行もZaraの3980円くらいのどうなってもいいような(?)ジャケットを一枚鞄の奥にいれておいた。真冬の欧州はこのジャケットの上に防寒アウターを着て、アウターはクロークに預ける。・・・昨日のバスティーユもそれで行ったが、今夜もそれで行くか・・・しかし、ストリップショーでも、(夏だったら)Tシャツ短パンとかではだめなのかなあ。
チケットは印刷した紙を現地のボックスオフィスで引き換える方式である。20分前までには来てください、みたいなことを書いていた気がする。問題は座席、である。指定席みたいな表示はないし、映画で見る限りでは番号の振ったイスが並べてある訳でもなく、どうやって席を決めるのだろう。日本人は優遇される、という話をきいたことがあるが、果たしてどんなものか。・・・・
メトロの乗り換えは困難を極めたが(?)Alma Marceau駅についたのが、40分くらい前。劇場は駅から歩いて3分もかからない。中には入れたが受付けが始まってなく、30分前というのに先客が二人だけ。待っていたらなぜか先に受付けをしてくれた。印刷した紙を渡すとチケットに替えてくれたが、特に座席番号が書いている訳でもない。席に案内するというので、やや緊張しながらもついていった。映画のあの雰囲気のままである。
で、案内されたのが、最前列のど真ん中、であった。今でも何であんな「かぶりつき席」に案内してくれたのか考えることがあるが、理由は分からない。一番最初だったから、だろうか。すぐにシャンパーニュが出てきたが、舞い上がってしまい(?)一気に出てきたアドレナリンを何とかアルコールで沈静させないと・・・。
というのも、最大の問題は、ダンサーの裸体を間近で見られる、なんてことよりも、観客はどんな風情でこのショーを観るのかが分からない、ということである。バレエやオペラならまあ何とか分かるが、ストリップ、いや、キャバレーでは、みんな手拍子でもたたくのか、体をリズムに合わせるのか・・・観客席が全く見えない(!)ので、あの最前列の男は一体何をしているのかということにならないのか・・・。
シャンパーニュは例の唇マークの付いたお店オリジナルのものだが、一口飲んだら少し落ち着いてきた。やはり、シャンパーニュだよなあ。・・・・すぐ後ろが日本人のおばさん三人組と分かったが、話しかけるのもどうかと思い、ひょっとしたら中国人、みたいにじっとしていた。いつも不思議なのだけど、男の私は筋肉隆々とか腹筋が割れた男の裸なんて観に行きたいとは全く思わないのだけど、女性は「女の裸」を観に行く人たちが案外いる。あれっておもしろいんだろうか。