レポート

パリ・オペラ座、バスティーユとガルニエ宮その1

公開日 : 2016年06月12日
最終更新 :

パリに行くと決めたときには、二日間の夜をどうするか、が、まずは課題になった。一日はクレイジーホースに行く(!)ことで悩まなかったのだけど、もう一日は当然オペラ座である。東京バレエ団のガルニエでの公演での舞台裏DVDを見たことがあるが、やはり一度は観てみたい劇場である。

が、私の二日間にはそもそもガルニエでの公演はない。逆にバスティーユではヴェルディの「Il Trovatore」をやっている。・・・ご存知の通り、パリのオペラ座というのは二つの劇場があり、一つはいわゆる「オペラ座近辺」とかいう時のあの建物・・ガルニエ宮・・・こちらは主にバレエ公演が多い、と、1990年から使われているバスティーユにあるオペラ・バスティーユと言われる劇場・・・こちらは主にオペラの公演が多い、となっている。

オペラ好きだと「Il Trovatore」をやっているなんて何てラッキー(ただ、私の到着する二日前までは、有名なソプラノの人がでていたそうで、その人は見られない。)と思うかもしれないが、オペラはねえ・・という私にとっては、バスティーユで「Il Trovatore」と言われても(しかも、この「Il Trovatore」はストーリーが難しい。・・・)・・・なのだけど、やはり場数を踏むことが大切である。チケットゲットに走った。

 前にも書いたが、ネットで非常に簡単に取れる。(空いてれば、だけど。)直感的にも優れたシステムで、英語画面も問題なし、である。が、問題は値段である。一番高い230ユーロは売り切れていたが、二番目に高い190ユーロは残っている。・・・ヨーロッパでは安く観劇できるというのは一体どこの話なんだろう。金額は忘れたが一番安い席でも新国のZ席よりは高かったような気がする。安い席で何度も観るというのが王道なのだろうけど、ここは高い順に買ってみることにする。ということで、190ユーロ・・・翌日のクレイジーホースと合わせると、カタール航空でヨーロッパまでもう一往復できる。・・・

せめてきちんとしたチケットに引き換えたかったが、当日はストラスブールから17時前に着くため、19時半の開始時間を考えると、チケットを巡ってドタバタしたくなかった。仕方なくA4の紙に印刷して、持っていくことにした。(この辺の融通が利くのはいいことなんだろうけど。)

当日はホテルをモンパルナスのVavin駅近くに取っていたため、何となく近い気がしていたのだけど、例のシャトレ乗換で案外時間がかかる。(ホテルについては別途書きたいが、目的地が全てセーヌ川右岸にあるのにモンパルナスにホテルを取ったのは、やや反省、である。)それでも30分前には着いた。

駅から上がるとすぐに劇場へのアプローチがあり、新国みたいな感じである。小雨が降っていたが、そんなことに関係なく荷物チェックが厳しい。中に入ると・・・なんかがっかりである。これが「オペラ座」なのかあ。新国と雰囲気的には似た感じがしなくもない。バイエルン歌劇場はもとより、コスタリカのサンホセにスペイン人たちが執念で作った国立劇場の方がまだ、「ヨーロッパ」という感じがする。

時間になって入ってみたが・・・・確かに大きな劇場ではあるが、当たり前だけど現代風な内装で、ヨーロッパ・・・という雰囲気ではない。休憩の時に分かったのだけど、ホワイエにあたる部分はとても狭くて、人があふれている。トイレもいまいちだし・・ちなみにトイレの手洗いが足で蛇口の開閉をいる方式で、これは分からなかった。

 

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2件のコメント

  • Re:トイレの手洗いが足で蛇口の開閉

    身障者トイレ?

    昔床にステンレスの丸い4・5cmのボタン式のがあった覚えがあります。

    国内です。

    成功を祈る!

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    Re:Re:トイレの手洗いが足で蛇口の開閉

    さすけねえさん、こんにちは。

    身障者トイレでなく、普通のトイレです。手を洗うところが二か所あって、隣のおじさんが手を洗っているので、特になやまず洗おうとしました。ところが蛇口近辺に栓のようなものがない。センサーで感知する方式でもない、後ろは人が待っている。・・・で、ふと足元を見たらボタンのようなものがあり、それを足で操作する、というものでした。

    でも、常日頃思っていましたが、汚い手で蛇口の栓を操作して、洗った後の綺麗な手で元の栓を操作するとあまり意味がない訳で(自動方式は別ですが)、この足で操作する方が合理的ですね。

  • パリ・オペラ座、バスティーユとガルニエ宮その2

     開演して全く忘れていたことに気付いた。なんと(当たり前か)字幕が出る。これが舞台の真上のパネルに表示されるのだけど、見やすいのだが雰囲気を壊すような・・・新国や東京文化会館は脇に表示されるが、見にくいのだけど、舞台を邪魔しない。どっちがいいのか・・。さらにびっくりしたのはこの字幕、上に英語、下に仏語(よく知らない人のために書くと、上演はイタリア語)が出る。フランスの公共施設で、英語が先になっているものは初めて見た。私は実は体調が絶不調に近く、さらにオペラグラスもないため(ミュンヘンと異なり、ここではオペラグラスで観劇している人を何人か見た。)この英語の字幕が良く見えず、やっぱりストーリーは記憶ベースとパンフレットのわずかな英語解説のみがてがかりである。

     ミュンヘンと異なり(バレエとオペラの違いではないと思うけど。)足を踏み鳴らす人はいない。最大の収穫は10年近く謎だった「ぶらぽー」の掛け声である。東京では「ブラボー」と声がかかるたびに得も知れぬ違和感を感じていたのだが、ここで最初に「Bravo」を聞いた時に全てが解決した。東京の人たちは・・・発音が悪いのである。きちんとしたフランス語だと、きちんとした声援(?)に聞こえる。・・・・

     休憩時のビュッフェは大混雑で、この辺は設計ミスではないかと思うくらい。新国や東京文化会館の方がキャパシティとホワイエの面積をきちんと計算していると思う。体調が悪かったこともあり、お酒は飲まず(そもそも売場に近づけない)メニューの分析(?)も出来なかった。

     やっぱガルニエでバレエを観たかったという想いがあったのか・・・190ユーロを十分に楽しめなかったような気がする。

     翌日は午前中の貯蓄組合の用事が済んだあと、ガルニエ宮に行った。当然、公演はやってないので自由に見られるのではないかと思っていた。着いたら英語ツアーは締め切り。(今回は英語ツアーに嫌われている。)勝手見学コースを選ぶことにした。

     足を踏み入れて思ったのは、確かにこれは一流の「観光地」だけのことはある・・・・観劇に全く興味がなくても、この装飾だけでも見ていておもしろい。ウィーンのオペラ座以来の感激である。客席もドアを開けていて、中も見られるが、やっぱこっちでバレエを観たかったなあ。食べそこなった牡蠣と合わせて、次回の冬のパリの課題である。ミュージアムショップも立派であったが、次回、公演の時にもう一度来ることにしよう。

     

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