チューリッヒからパリへの道中、うん年ぶりにストラスブールを経由することから、これまたうん年ぶりにライン川の対岸、ドイツ領のKehlケールに行くことにした。
何度か書いているけど、最近は「ストラスブール-ケール」と一緒に何かのイベントを実施するというのを見ることがある。(もっとも最近、ストラスブールと言うとアルザスで支持率の高い国民戦線のルペンさんの演説場所として出てくるのが多いが。)私が行ったときのケールはただの小さな田舎町で、恐れ多くもストラスブールと「同等」に語られる街ではなかったのだけど、何か進歩があったのか・・・・。
コルマールの宿をを8時過ぎに出発、TERでストラスブールまでは30分。で、9時頃にストラスブールに着いたのだけど、14時過ぎのTGVの予約を取っていたので、それまでには戻ってこないといけない。そうは言っても難しくはなく、
http://www.cts-strasbourg.eu/export/sites/default/pdf/04SeDeplacer/03PlansReseau/plan-detaille-sept2015.pdf
トラムのD線で終点まで行き、21番のバスに乗るだけ、である。ストラスブールの駅はえらくきれいになっていて、こんなのだったか・・・しかもトラムの電停が地下にある。前は駅前からしかなかったような気がするが・・・10時前にはトラムに乗っていた。
バスはトラム終点の一つ前のJean Jauresというところが始発になっているので、そこで降りる。このトラムはケールまでの乗り入れを目指して延長工事を行っていて、ヨーロッパ橋の手前の中洲地帯まで工事が進んでいる。ライン川を渡る橋も工事をしていた、のだけど・・・・。
http://www.kehl.de/stadt/tram/index.php
この仏側の中洲地域はたくさんの高層住宅を建設中で、ストラスブールの「勢い」を感じる。バスはヨーロッパ橋の手前に着いて、一時停止。昨年行った独-ポーランド国境やおとといの独-スイス国境と同様、イミグレはなく、税関の廃墟があるだけなのだけど・・・下を見るとポリスとポリツァイのパトカーが仲良く並んでいる。ドイツの警察官がバス乗り込んできた。検問である。
まず、すぐ近くにいた中国人の3人組が引っかかった。シュンゲン国が中国パスポート保有者にどんなビザを出すのかよく分からないが、理由は分からず、でも、すぐに放免された。私のパスポートはチューリッヒ入国のスタンプを探し出して、かなり入念に見ていた。
前回はケールからストラスブールへの片道だったのだけど、当時はフランスの観光ビザが必要だったのでドイツ出国時も、フランス入国時もしつこく見られた。やっぱりここはなかなか通してくれない。・・・すると、もう一人の警官が調べていた中東系風の男がそのまま連れていかれた。どうなるのかと思ったら、ポリスのパトカーに押し込められて、そのまま行ってしまった。・・・自分が乗っているバスが検問を受けたのは、成田を始め何度も経験があるが、乗客が実際にパトカーで連れていかれたのは初めてである。彼がいなくなったのだけど、バスは何事もなかったように走り出した。
ケール駅前で降りたが・・・・全く何も変わってない。・・・唖然とする。観光局のある広場も同じ。ショッピングセンターも出来て、都会になったとかいう話をどこかで聞いたような気がしたのだけど・・。前回泊まったYHまで行ったのだけど、場所が移転しているような気がしたが、駅から遠いのは同じ。ライン川に遊歩道が整備されていて、そっちを歩くとヨーロッパ橋の南側に人・自転車専用橋が出来ている。渡ってみたい気もしたが、がっかり気味でテンションが上がらず。ただ、去年行ったフランクフルトのようなすさんだ雰囲気はない。フランクフルトはやや異常なくらいの雰囲気だったしなあ。隣の街の勢いの問題か。でも、ストラスブールと同格に扱うのはどうかと思うけど。
帰りは電車で帰ろうかとも思ったがバスの方が便利がいいのでバスにする。駅前から15分おきに「フランス行き」が出ている。この帰路のバスは検問がなかった。前回はヨーロッパ橋からストラスブール駅まで歩いたのだけど、よくそんな無謀なことをしたものだと改めて思った。一つの理由はバス代のフランス・フランを持っていなかったというのもあったのだけど、今はそんな心配もなくなった。
が、こんなことならコルマール近辺でワイナリーに行った方が良かったか・・・とやや後悔しつつ、気分はもうパリに向かっていた。